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神葬戦争  作者: 水煮込み
4/7

超越者

乾いた銃声が、廃墟に響き渡った。


ダダダダッ!!


「うおっ!?」


黒瀬迅が横へ跳ぶ。

一瞬遅れて、先ほどまで立っていた地面が弾けた。

コンクリートの破片が飛び散り、白い粉塵が舞い上がる。


「おいおい! いきなり撃つか普通!?」


迅は崩れた壁の陰に飛び込んだ。

その隣に、ラフバが滑り込む。

「ははっ! いいじゃねぇか!」

「何がだよ!」

「やっとまともに戦えそうだ!」

「お前、頭おかしいだろ!」

「お前に言われたくねぇ!!」


再び銃声。

二人の頭上を銃弾が通過し、背後の看板が砕け散った。

「二人とも、喋ってないで隠れてください!」

少し離れた柱の陰から、アギの声が飛んできた。

彼女は軍用端末を操作しながら、敵の動きを確認していた。

正面に一体。

黒い装甲に覆われたアンドロイド。

アリス教軍の量産型戦闘機、AAR-17《巡礼者》。

右肩に搭載された機関銃が、こちらを追尾している。

「……厄介ですね」


アギは小さく呟いた。

《巡礼者》は対人戦闘用に設計された機械兵だ。

人間のような二本の腕と脚を持ち、複雑な市街地でも行動できる。

その一方で、人間よりも遥かに重い装甲と、疲労を知らない駆動系を備えている。

何より厄介なのは、機械特有の正確な射撃だった。

「迅、ラフバ。無闇に飛び出さないでください」

「分かってるって!」

「おう!」


二人の返事を聞き、アギは一瞬だけ安心した。

その直後。

「……なあ、ラフ」

「ラフバだ」

「どっちが先にあいつに触れるか勝負しようぜ」

「いいな!」

「…………」


アギは目を閉じた。

「……今、何と言いました?」


迅が笑った。

「勝負」


ラフバも笑った。

「勝負だ!」

「分かっていませんね!?」


その瞬間、機械兵の頭部センサーが赤く光った。

『目標再捕捉』

『射撃開始』


ダダダダッ!!


「うおっ!」

迅とラフバが同時に頭を引っ込めた。

アギはため息をついた。

「……本当に、どうしてこの二人は……」


彼女は腰の刀に手を添えた。

しかし、抜かない。

まだ、その必要はない。

「……仕方ありませんね」

アギの目つきが変わった。

「まずは、あの機械を止めましょう」


「迅、ラフバ」

アギが二人を呼んだ。

「私が前に出ます。二人は援護をお願いします」


迅が首を傾げた。

「お前が?」

「はい」


ラフバは笑った。

「いいぜ! どんだけ強ぇか見せてみろよ!」


アギは二人を見た。

「……一応言っておきますが、勝負ではありませんからね」

「分かってるって」

「おう!」


信用できない。

アギはそう思いながら、柱の陰から静かに身を乗り出した。

機械兵の頭部が動く。

『目標捕捉』

肩部機関銃が旋回する。

しかし。

「……遅いですね」

アギの姿が消えた。

次の瞬間。


ドンッ!!


機械兵の頭部が大きく跳ね上がった。

アギの蹴りが命中したのだ。

『警告』

『姿勢制御異常』

機械兵が後退する。

しかし、アギは止まらない。

着地と同時に踏み込み、装甲の継ぎ目へ拳を叩き込む。


ガンッ!!


金属音が響いた。

機械兵の右腕が跳ね上がる。

続けて、足払い。

二メートルを超える巨体が傾いた。

『転倒防止機構作動』

機械兵が姿勢を立て直そうとする。

だが、その瞬間。


「……そこです」


アギは機械兵の背後に回り込んだ。

そして。


ドゴッ!!


背部の駆動ユニットに、強烈な蹴りを叩き込んだ。

機械兵の動きが止まる。

『駆動系異常』

『再起動処理――』

「させません」


最後に、アギが胸部装甲へ掌底を放った。

鈍い衝撃音。

機械兵が後方へ倒れ込む。


ガシャァァン!!


地面に倒れた機体は、数秒間手足を動かした後、完全に停止した。

静寂。アギは軽く息を吐いた。


「……終わりましたね」

迅とラフバは、しばらく黙っていた。

「…………」

「…………」

そして。


「……おい」

迅が口を開いた。

「お前、刀使いだよな?」

「はい」

「……刀、使わねぇの?」


アギは首を傾げた。

「必要ありませんでしたので」

「…………」


ラフバが吹き出した。

「ぶはははっ!! 刀持ってんのに殴ってんじゃねぇか!!」

「何か問題でも?」

「いや、最高だわ!」


迅も笑った。

「ははっ! お前、結構おかしいよな!」

アギは眉をひそめた。

「……あなたたちにだけは言われたくありません」

そう言いながら、倒れた機械兵を見下ろす。

装甲には無数の傷がついていたが、内部の記録装置は無事だった。

「……情報を回収できるかもしれませんね」

アギは端末を取り出した。

しかし、その瞬間。


ピピッ。


画面に新たな警告が表示された。

『複数の機械反応を検出』

アギの表情が変わった。


「……まずいですね」

迅が振り返る。

「ん?」

ラフバも周囲を見渡した。

「なんだ?」

廃墟の奥。崩れた建物の陰。瓦礫に埋もれた道路。

そこから、次々と金属音が響き始めた。


ガシャン。ガシャン。ガシャン。


一体。二体。三体。

黒い装甲の機械兵が姿を現す。

さらに、その後方にも複数の反応。


アギは端末を確認した。

「……全部で八体」


迅は目を丸くした。

「……増えたな」


ラフバは拳を鳴らした。

「ははっ! いいじゃねぇか!」


アギは二人を睨んだ。

「よくありません!」


機械兵たちの頭部センサーが、一斉に赤く光った。

『敵対勢力確認』

『排除行動開始』

八体の機械兵が、同時に武装を構えた。

アギは即座に判断した。


「……撤退します!」

「えー」


迅が不満そうな声を出した。

「まだ戦ってねぇじゃん」

「十分戦いました!」


ラフバも不満そうだった。

「八体くらい倒せんだろ!」

「倒せるかどうかではありません!」


アギは強い口調で言った。

「私たちの任務は警戒巡回です! 敵の殲滅ではありません!」


迅とラフバは顔を見合わせた。

「……なあ、ラフ」

「ラフバだ」

「アギって真面目だよな」

「だな!」

「……聞こえていますよ」


その瞬間。

八体の機械兵が、一斉に発砲した。


ダダダダダダッ!!


「うおおっ!?」

迅が飛び退く。

ラフバも瓦礫の陰に滑り込んだ。

アギは二人を見た。

「……撤退しますよ!!」

「「へーい!!」」

三人は、廃墟の奥へと走り出した。


「……くそっ!」


無宗教軍の若い兵士が、装甲車の陰で悪態をついた。

三人を輸送してきた運転兵、宮田である。

彼は車内の通信機に向かって叫んだ。

「こちら第十三混成班輸送車! 旧市街第七区画でアリス教軍の機械兵を確認! 応援を要請する!」


『……ザザッ……第十三……応答……』

通信が乱れる。

「くそっ、妨害電波か!」

宮田は通信機を叩いた。

反応なし。

仕方なく、助手席に置いていた小銃を手に取った。


JAR-38制式小銃。


ジャポネ軍で広く使用されている歩兵用の銃である。

本来なら電子照準器と連動して射撃補助を行うが、宮田の銃に取り付けられた照準器は故障していた。


「……またかよ」

宮田はため息をついた。

無宗教軍では珍しくもない。

最新鋭の装備など、滅多に回ってこない。

故障した部品は修理し、使えるものは使い続ける。

それが、この軍隊の日常だった。

宮田は機械式照準器を確認した。


「……頼むぞ、相棒」

そのとき。

廃墟の向こうから、三人の姿が現れた。

「おーい!!」


迅が手を振っている。

「宮田さーん!!」


アギも叫んだ。

「車を出してください!!」


その後ろには、八体の機械兵。

「……は?」


宮田は固まった。

「……おいおいおい」


迅が笑った。

「ちょっと追いかけられててさ!」

「ちょっとじゃねぇだろ!!」


宮田は叫びながら小銃を構えた。

短い銃声。

先頭の機械兵の装甲に火花が散る。

しかし、機体は止まらない。

『装甲損傷、軽微』

「……硬ぇ!」


宮田は舌打ちした。

通常の歩兵用小銃では、軍用アンドロイドの正面装甲を容易には突破できない。

ましてや、相手は八体。

まともに撃ち合えば、こちらが不利だった。

「早く乗れ!!」


宮田が叫ぶ。

アギが最初に車両へ飛び込んだ。

続いて迅。最後にラフバが乗り込む。

「よし、全員乗ったな!」


宮田は運転席へ戻った。

エンジンが唸る。

装甲車が急発進した。


ガガガガッ!!


背後から銃声。

車体に銃弾が当たり、金属音が響く。

迅は窓の外を見た。

「……お、結構頑丈じゃん」

宮田が叫ぶ。

「軽装甲車だぞ! 小銃弾くらいなら耐える!」

「へぇ!」

「だが、ずっと撃たれてたら持たねぇ!!」


ラフバが笑った。

「じゃあ、戻ってぶっ倒すか!」

「絶対にやめろ!!」


アギは端末を確認していた。

「……敵は追跡を続けています」


迅が振り返る。

「マジ?」

「はい」


アギは画面を拡大した。

八体の機械兵が、一定の距離を保ちながら追ってきている。

「……妙ですね」

「何が?」


迅が尋ねる。

「本気で追跡するなら、もっと距離を詰められるはずです」


アギは考え込んだ。

「なのに、一定の距離を維持している……」

その瞬間。


ピピッ。


端末に新たな反応が表示された。

アギの目が見開かれた。

「……まさか」

「ん?」

「宮田さん!」


アギが叫んだ。

「進路を変えてください!!」

「何!?」

「前方に――」

その瞬間。


ドゴォォォン!!


装甲車の前方で、大きな爆発が起きた。

「うおおおっ!?」

宮田が急ブレーキを踏む。

車体が大きく揺れた。

迅は座席にしがみつく。

「おいおい! 今度は何だよ!」

アギは前方を睨んだ。

崩れた道路。舞い上がる粉塵。

その向こうに、一つの人影が立っていた。


「……へぇ」


迅が呟いた。

「人間?」


粉塵の向こうに立っていたのは、一人の男だった。

白い軍服。

肩にはアリス教軍の紋章。

年齢は三十代ほど。

短く切り揃えた銀髪。

そして、冷たい瞳。

男は静かに三人を見つめていた。


「……なるほど」

低い声が響く。

「君たちが、例の未覚醒者か」


迅は首を傾げた。

「……誰?」


男は微笑んだ。

「名乗るほどの者ではない」


ラフバが笑った。

「じゃあ、ぶっ倒していいか?」


アギが即座に止めた。

「ラフバ!」


しかし、男は気にした様子もなかった。

「……随分と威勢がいいな」


男は右手を上げた。

その瞬間。

周囲の瓦礫が、ゆっくりと浮き上がった。


「…………」

迅の笑みが消えた。

ラフバも目を細める。

アギの表情が険しくなった。


「……モナ反応」

彼女は静かに呟いた。

「超越者……!」


男は微笑んだ。

「正解だ」

浮き上がった瓦礫が、男の周囲をゆっくりと回転する。


「私はアリス教軍所属、超越者」

男は一歩踏み出した。

「能力は『重力』」

その瞬間。


ドンッ!!

地面が沈んだ。

迅の膝がわずかに曲がる。

「……っ!?」


ラフバも歯を食いしばった。

「……なんだ、これ……!」

アギは足元を見た。

周囲の瓦礫が、地面に押しつけられている。

まるで、この一帯だけ重力が増したかのように。

男は静かに笑った。


「……さて」

ゆっくりと右手を下ろす。

「少し、遊んでもらおうか」

迅は拳を握った。

ラフバも構える。

アギは腰の刀に手を添えた。


三人の表情から、先ほどまでの軽さが消えていた。

明らかに違う。

機械兵とは。普通の軍人とは。

目の前の男は、何かが違う。

迅は小さく息を吐いた。


「……なるほどね」

そして。


にやり。


笑った。

「……やっと面白くなってきたじゃん」

男は目を細めた。

「……ほう?」


迅が一歩踏み出す。

「おい、おっさん」

「何かな?」

「俺ら、結構強ぇんだぜ?」


男は微笑んだ。

「……そうか」

そして、静かに答えた。

「では、教えてあげよう」

次の瞬間。

周囲の空気が、重く沈んだ。

「……本物の超越者というものを」


迅が地面を蹴った。


ドンッ!!


一瞬で加速する。目標は男の顔面。


「おらぁ!!」


拳を振り抜く。しかし。


「……遅い」

男が呟いた。

その瞬間。


迅の体が、地面へ叩きつけられるように沈んだ。

「……っ!?」

拳が届かない。体が重い。足が動かない。


「……なんだよ、これ!」

迅は歯を食いしばった。

男は静かに見下ろした。

「重力を増しただけだ」

「……は?」

「君の体には、今、通常の数倍の負荷がかかっている」

迅は地面に手をついた。

「……ふざけんな……!」

そのとき。

「迅!!」


ラフバが飛び込んできた。

「おらぁぁぁ!!」

拳を振り上げる。

男はラフバを見た。

「……君もか」

右手を軽く動かす。

次の瞬間。


ドンッ!!


ラフバの体も地面に沈んだ。

「ぐっ……!」

「……ほう」

男は少し驚いたように目を細めた。

「まだ動けるのか」

ラフバは歯を食いしばりながら笑った。

「……当たり前だろ……!」


拳を握る。

「……俺は……!」


一歩。さらに一歩。


「……勝つんだよ!!」

男は静かに見つめていた。

「……なるほど」


そして。

「悪くない」

右手を振る。ラフバの体が横へ吹き飛ばされた。

「ぐあっ!!」


崩れた壁に衝突する。瓦礫が崩れ落ちた。

「ラフバ!!」

アギが叫んだ。

彼女は刀を抜こうとした。

しかし。


「……っ!?」

その瞬間。

足元の重力が増した。

膝が沈む。

男が振り返る。


「……君は、少し違うようだな」

アギは男を睨んだ。

「……何がですか?」

「他の二人より、モナの扱いに慣れている」

「…………」

男は微笑んだ。

「だが、覚醒していない」


アギは歯を食いしばった。

「……それが、どうしたというのですか」

男は静かに答えた。

「超越者と未覚醒者の差は、君が思っているより大きい」


次の瞬間。

アギの体が、地面に押しつけられた。

「……っ!!」

刀に手を伸ばす。

しかし、指先が届かない。


男は三人を見渡した。

「……終わりか」

静寂。


瓦礫の中で、ラフバが拳を握っている。

アギは地面に膝をついたまま、歯を食いしばっている。

そして。


迅は。

「…………」

地面に片手をついたまま、俯いていた。

男は迅を見た。

「……君が、一番興味深い」

「…………」

「その速度。未覚醒にしては異常だ」


迅はゆっくりと顔を上げた。

「……そりゃ、どうも」


男は微笑んだ。

「だが、それだけだ」

「…………」

「速いだけでは、私には勝てない」


迅は黙っていた。

男は続けた。

「君たちは、確かに優秀だ」

「…………」

「しかし、世界には君たち程度の人間など、いくらでもいる」


迅の拳が、ぎゅっと握られた。

「……へぇ」

「そして、その上には超越者がいる」

男は静かに言った。


「さらに、その頂点には神がいる」

迅は男を見上げた。

男は微笑んだ。

「君たちがどれほど努力しようと、届かない領域だ」

「…………」

迅はしばらく黙っていた。


そして。

「……ははっ」


小さく笑った。

男が眉をひそめる。

「……何がおかしい?」


迅は顔を上げた。

「……いや」


笑っていた。

いつものように。

しかし、その目だけは違った。

「……お前、結構強ぇんだな」

「…………」

「いいじゃん」

迅はゆっくりと立ち上がろうとした。


重力が体を押しつける。

それでも。

一歩。もう一歩。


「……面白ぇ」

男の表情が変わった。

「……まだ立つのか?」

迅は歯を食いしばった。

「……当たり前だろ」


拳を握る。

「……俺は……!」

そして。

笑った。

「まだ負けてねぇぞ」


男は静かに目を細めた。

「……なるほど」

その声には、わずかな興味が混じっていた。

「……本当に、面白い少年だ」


数分後。

旧市街第七区画。

男は静かに立っていた。周囲には、崩れた瓦礫。

停止した装甲車。

そして、三人の若い兵士。


迅。ラフバ。アギ。

全員が、立ち上がれずにいた。

男は三人を見下ろした。

「……十分だ」

ゆっくりと右手を下ろす。

周囲を押しつけていた重力が、元に戻った。

迅は荒い息を吐いた。


「……はぁ……はぁ……」

ラフバは拳を握った。

「……くそっ……!」

アギは静かに目を閉じた。

男は背を向けた。

「……今日は、ここまでにしておこう」


迅が顔を上げる。

「……逃げんのかよ」

男は足を止めた。

そして、振り返る。

「……逃げる?」


迅は笑った。

「まだ決着ついてねぇだろ」

男はしばらく迅を見つめた。

そして。


「……そうか」

小さく笑った。

「君は、そういう人間か」

男は再び歩き出した。

「……また会おう、黒瀬迅」

迅の目が細くなった。

「……なんで俺の名前知ってんだよ」


男は答えなかった。

ただ、片手を上げた。

そして、廃墟の奥へと姿を消した。


静寂。


迅はしばらく、その背中を見つめていた。

やがて。

「……くそっ」


小さく呟いた。

ラフバも拳を握った。

「……勝てなかった」


アギは静かに答えた。

「……ええ」

三人は、しばらく黙っていた。


今まで。

迅は、自分が弱いと思ったことがなかった。

ラフバも、負けることなど考えたことがなかった。

アギも、同年代の人間に遅れを取ったことはほとんどなかった。


しかし。


今日、初めて知った。

世界には、自分たちより遥かに強い人間がいる。

そして、その上には。

神がいる。

迅は空を見上げた。

巨大な月が、昼の空に薄く浮かんでいる。

「……なあ」

迅が呟いた。

ラフバが振り返る。

「……あ?」


アギも顔を上げた。

迅は笑った。

「……俺ら、もっと強くなんねぇとな」

ラフバは少し黙った。


そして。

「……当たり前だろ」

にやりと笑った。

「次は俺が勝つ」

アギも小さく微笑んだ。

「……そうですね」


迅は立ち上がった。

足元はまだ少しふらついていた。

それでも。


笑っていた。


「……よし」

拳を握る。

「強くなる方法、探すか」


この日。

黒瀬迅は、初めて世界の広さを知った。

そして。

彼が後に師匠と呼ぶ、一人の少女との出会いへ。

物語は、静かに動き始めていた。


次回予告


初任務で超越者の圧倒的な力を目の当たりにした三人。


基地へ帰還した迅とラフバは、早速さらなる強さを求め始める。


一方、アギは戦闘記録を分析し、覚醒者と未覚醒者の決定的な違いを探ろうとしていた。


そんな中、迅は基地内で一つの噂を耳にする。


「どんな未来でも見通す、不思議な占い師がいるらしい」


その噂が、彼の人生を大きく変えることになるとは、まだ誰も知らなかった。

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