11話 魔族襲来
ーー2日後深夜、騎士の宿場近くの森にて
「はぁはぁ」
『うむ、ようやったな使い手様よこの二日間の修練により私(聖剣)を自在に操れるくらいにはなれたな』
「あ、ありがとう」
2日間の修練により、俺は精神エネルギーの数値を80なら150ほどまで上げる事に成功した。
そのお陰で聖剣を持って振り回せるくらいにはなれたが、まだ固有スキルを扱えるまでには到達していない。
『うむ、固有スキルは使えなくともそれだけ剣が振るえれば下位魔族くらいならば圧倒できるはず、残り1日で可能な限り修練に励むぞ!』
「う、うん!」
正直なところ俺はもうここから逃げたい。
魔族なんかと戦いたくない。
だけど俺にはもう帰る場所もない、本当は心細くてしょうがないけど、ここにいる人達も本音を言えば逃げたいはず、なのに皆んな逃げないでいる。
その気持ちを思うと少し頑張れる気がした。
『キュオッ』
そんなことを思っていたら、手に持つ聖剣に暖かい光を感じた。
「なんだ?」
『シュッ』
その時、俺のすぐ近くに何か人っぽいものが降り立った。
「おいおい何だよ、弱そうな奴が一人で剣振ってやがるじゃねぇのよ」
見るとそいつは黒っぽい肌に長い耳そして、鋭利な牙を生やしていた。
『ほう、これはこれは下位魔族のお出ましか』
「なっ、魔族だって!」
なんだよ襲撃は3日後のはずだろ。
まだ1日あるはずなのに……こ、心の準備ができてないよぉ。
『おい使い手様よ、良い練習相手が来たぞ!』
「え、いやいや聖剣がやってくれよ!」
『ならん!実践経験こそが人を成長させるのだ!』
「そ、そんなぁ~」
「おいお前、何をひとりで喋ってるんだ?」
怪しそうに俺を見つめる魔族。
い、いかんこれではまたこの前のゴブリンと同様に変人扱いされてしまう。
「何でもないさ、ただちょっと、独り言を言ってただけだ気にしないでくれ」
俺は真剣な眼差しで魔族にそう語りかける。
「お、おう」
魔族は俺の説得力のある眼力により、静かに頷く。
『やるなぁ使い手様よ、眼力一つで魔族を御してしまうとは』
「もう変人扱いされたくないからね」
『チャキッ』
俺はそう言って聖剣を構える。
「なんだよやる気か変人剣士、いいぜボコボコにしてやるよ」
「……変人剣士?」
『キュオオオ』
言われたくない一言を魔族から貰ってしまった俺の中で何かが吹っ切れる音がした。
するとそれに呼応するように聖剣も強い光を放ち出す。
『こ、これはもしや』
「だだ、誰が変人剣士だぁ!!」
『ズバァン』
そうして俺は光の斬撃を魔族に向けて放つ。
「な、なんだよそれ」
『ズバッ』
光の斬撃はそのまま命中し魔族を真っ二つにしてしまう。
『ほう、やはり私の眼に狂いはなかったか』
「え?」
『おめでとう使い手様よ、それが固有スキル"南十字星"じゃよ』
「これが固有スキル……てか、発動できたきっかけがこれって、なんか後味悪いよ~」
そうして俺は気せずして、固有スキルを一つ習得するのだった?




