とりあえず外に出ます
注意、虫が出てきます。
は?なにこれ。
なんか不穏なことが書かれてるんだけど……おっと失礼、心が乱れてしまいました。
製造年月日って何ですかね?なんでところどころ黒く塗りつぶされてるんですか?わたしって何?種族■■■って何ですか?怖っ!!
びっくりしすぎて本を投げてしましいました。ものすごい勢いで天井にぶら下がる木の根が絡まってもじゃもじゃしているところに突っ込んでいきました。……どうしよう。本とわたしは離れ離れになると危ないことになると書かれていたのに……。
でも届かないし、やっちゃったものは仕方ないよね〜!なんて呑気に考えてたら本がぶるぶると震え始めやがて琥珀色の光の粒になって消えてしまいました。これってやばいのでは?と思ったところ、念じると手の中に本が現れました。なんとなく本から不満のような感情が流れてきた気がします。全力投球してごめんね。玉じゃなくて本だけど。
とりあえずここにいても仕方ないので細い光の筋に沿って隣の部屋に入ってみました。
・◇・◇・◇・◇・◇・
隣の部屋は遺跡のような雰囲気を醸し出していました。壁には背中に降臨を背負った髪の長い人物が右手に開いた本を、左手は宙にかざしている様子が描かれていました。
どの壁画でもその人物は目を瞑っていました。なんとなく夢の中でお話したひとに似ている気がします。
また次の部屋に移ろうと思いましたがふと部屋の隅に壺のような物があるのが目に止まりました。私が着ている服の裾についている模様と同じ柄だったので気になって覗いてみたら……
中には手のひらくらいの大きさのムカデがいました。
目が合った気がします。とりあえず本を開いてみます。本の真っ白なページがジワジワとセピア色に染まりムカデの情報が出てきました。
[遺跡ムカデ]
性別 女性 状態 ―
遺跡でよく見かけるムカデ。ちょっかいをかけなければ温厚である。大顎には毒があり、噛まれると痺れと強い痛みと共に患部が2倍の大きさに腫れ上がる。肉食。
だそうです。女の子だったんですね。立派で強そうな顎から勝手に男の子だと思ってました。壺を覗いてみます。ムカデちゃんはまだこちらを見ています。手招きしてみます。なんとムカデちゃんは壺から出てきました!手のひらに乗せてなんとなく尋ねると壺の中は物陰よりなんとなく落ち着くそうです。
喋ったわけではありませんが気持ちが伝わってきたような気がします。あとから調べると本には[念話]と書かれていました。
教えてくれてありがとう、またね。とムカデちゃんを壺の中に戻しておきました。ムカデちゃんは「主さま、またね!」と言っていた気がします。主さまとは一体……?
空の壺がいくつかあったのでなんとなく本を押し当ててみました。すると、本の中に壺が入ってしまいました。慌てて本を確認すると[遺跡の壺]という名前の物が[持ち物]というリストの中に加わっていました。
本から取り出すこともできました。本って便利なんですね。
細い光の筋に沿って次の部屋へ行こうと思います。




