第7話 見つめる理由
鏡見高等学校。
「俺は、女子に囲まれて生きてきた」
綾人の周囲は、惚れてくる女の娘だらけ。
どいつもこいつも、同じ女の娘に見えていた綾人。
名前もわからない女の娘が、群がっている。
メガネットワークス社長の息子。
おカネ持ち。
相手は、選ばなくてはいけない。
親からは、1人に選べと言われた。
群れから選ぶ気にはなれなかった。
群れ以外の女の娘を学園中で、物色していた。
新作アプリ『ラガン伝説〜宇宙編〜』の勧誘をすることを理由に、女の娘に声をかけてまわった。
勧誘を学園の女子に、OKさせる中で、芹香に出くわした。
ラガン伝説を一貫として、気に入っていた女の娘。
ゲームフレンドが知り合いだらけ。
目新しく見えた女の娘。
芽央芹香。
綾人は一緒にゲームする友達になった。
それから、ずっと見つめはじめた。
目立たないゲーム大好き女の娘。
目線に気づいても、交際を決めても、自分に夢中にならない女の娘がいた。
これだけ、見つめているのに、恋に落ちない。
第7話 見つめる理由
「俺が、これだけ交際して、恋に落とせないのは芹香だけだろうな」
眼鏡に手をかける。
プライドの高い、王子系眼鏡男子の綾人。
恋に落とせないから、芹香が気になった。
自分に振り向かせたかった。
「綾人が恋に落とせない女の娘なんていないよ」
群れ代表の北大路さん。
綾人なら、とか。
カッコいいなら、とか。
北大路さんは、綾人の周りを恋に落ちた、女子だらけにした張本人である。
直訳すると。
綾人は、“北大路さん”みたいなタイプが嫌いだったのだ。
「と、いうことで、芹香。恋に落ちなくていいから俺と3回目のデートに行こう」
ファンタジー好き=キスを要求。
勇者や魔法使いを好きと思われている。
芹香は、綾人の分析を警戒していた。
「デート、嫌なのか?」
「え…」
芹香は、答えに迷う。
綾人は眼鏡越しに見つめてくる。
「ファンタジー好きなんだろ。また遊園地デートに行こう」
「ラガン伝説は楽しいので夢中になる気持ちはわかります」
「そうだな」
「楽しんで、ラガン伝説を遊んでくれる仲間がいるのはうれしいです」
「そうか。そうか」
優しい眼差しになった綾人。
「じゃあ、3回目のデートに行こう」
「キ、キスは困ります」
芹香は、目線を外した。
「じゃあ、キスなしなら、いいんだな」
「キスなしなら、いいですよ」
オウム返し。
綾人に、手を引っ張られる。
目金井遊園地。
3回目のデートだ。
ラガン伝説のコスチュームに着替えて、フォトスポットをめぐる。
「もっと顔を近づけろ。撮れないだろ」
「え、ええ」
カシャ。
上手く撮れないと肩を引き寄せられる。
カシャ。
上手く撮れた。
綾人は、それぞれのスマホの壁紙にしようと言う。
芹香と綾人。
2人の写真が、それぞれの待ち受け画面になった。
「これが、嫌なんだよな…」
綾人のスマホには、今までしつこくしてきた、北大路さんをはじめとする女の娘の写真が無数に入っていた。
これは、異常な数だ。
「勝手に撮られて、困ってるんだよな」
「いらないんですか」
「ゴミ箱に入れるか…」
綾人は、今までの女の娘たちをゴミ箱に入れた。




