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眼鏡越しに見つめられている私  作者: キノぴょ


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3/10

第3話 お前が気になる

鏡見高等学校。

芹香と綾人の遊園地デートは、すぐ学園中に話題となった。

キスまで、いったとか。

結婚の約束をしたとか。

ウワサは、尾ひれがついていた。


3ヶ月前。

『ラガン伝説〜宇宙編~』の事前登録がはじまった。

綾人が芹香を事前登録に誘った。

「俺が誘うんだから、絶対に断わらないよな。女子は」

カッコよくて、優しい口調だ。

営業スマイルとも言う。

「ラガン伝説は、すでに遊んでいるのでお断わりさせていただきます」

芹香は、キッパリと断わった。

綾人は、呆気に取られる。

「俺が誘ってるんだぞ。女子」

「ラガン伝説は、めっちゃ楽しいんですよ。新作に興味はありません」

「…そんなに面白いのかよ」

「楽しいですよ。知らないんですか?」

学園内の知り合いで、ゲーム内フレンドをしていることを教える芹香。

「じゃあ、俺もフレンドをやる」

「はい。フレンド申請してくださいね。他の知り合いにも話をしておきますよ」


第3話 お前が気になる


綾人を、ラガン伝説のフレンドに申請させたのは自分だったことを思い出した。

すっかり、芹香は忘れていた。


教室。

芹香の席の机に、綾人が腰掛けている。

スマートな体つきで、まさしく絵になる男の子。

背が低くて、くせっ毛で地味な芹香は、自分と比べて別次元だと思わざるを得ない。

「お前さ。俺のこと意識してないのかよ」

「いや…、忘れてました。すみません」

正直に、忘れていたことで頭を下げる。

綾人に勧誘されていたのは、忘れていた。

ラガン伝説は、ゲーム会社メガネットワークスが作っている。

メガネットワークスの社長は、綾人の父親。

「え。綾人くんって、メガネットワークスの社長の息子なんですか?」

知らなかった。本当に、頭を下げる。

「ラガン伝説の運営をしている会社ですよね」

「そうだ。もっと、頭を下げろ」

「失礼の連続で、すみません」

「そうだろ」

何度も頭を下げる芹香に、気を良くする綾人。


「俺は、お前が気になるんだ」

眼鏡越しに、芹香を見つめる。

大真面目だ。カッコいい。


「何故ですか」

わからない。

カッコいい男の子が、何故、ただのゲーム好きの芹香を気にしているのだろう。

「俺に、惚れない女子なんかいないって言ってるだろ」

綾人は、考えるポーズを取る。

「お前だけだ。俺に惚れない女子は」

「そうなんですか?」

「そうだよ」

「綾人くんより、ゲームを選ぶ女の娘はいないんですか?」

芹香なら、ゲームを、ラガン伝説を選ぶ。

カッコいい男の子より。


「…お前さ」

「はい。何ですか?」

「ゲームが恋人なのか」

恋人?

「恋人じゃありませんよ。遊んで楽しいのがゲームです」

「遊びなワケか」

「ゲームは、遊ぶものです」

芹香は、何度もうなづく。


「ラガン伝説だけど。新作を作って、宣伝してるのには興味ないのか?」

「今までのラガン伝説が好きなんですよ」

「へえ…」

綾人は、深く考え込む。


「じゃあ、俺が継続するように言っておくか」


「え」

「今度は、どこにデートしに行くか決めような」

「デート?何の話ですか?」

「俺と芹香は交際してるんだぞ。忘れるなよ」

眼鏡越しに見つめてくる、真面目な綾人。

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