03 第一層での戦闘
ハイサイ!nankul naisaです。
普段はnoteの方をメインで活動してます。他にもyoutubeやスタエフやサブスタもしています。
アイデアはたくさん思いつくのですが形にするのは苦手なのでAIと一緒に作ってます。
この作品は一年前に書いたものですが、眠っていたのをnoteに出してみて、なろうの方が読みやすいかと思って出してみました。
探索に向かう前、影真はポーチから白いバンテージを取り出した。
スポーツ用の伸縮素材で、端にはマジックテープがついている。
手首に巻きつけ、カチッと留める。
数秒で拳がしっかり固定され、無駄がない。
拳を握り込むと、関節が守られている感覚が確かに伝わった。
拳同士を軽くぶつけ合って、衝撃を確認する。
「……よし」
夜が街に溶け込む頃、影真は冷蔵庫の前に立った。
手を伸ばすと揺らぎが掌に触れ、視界が暗い岩肌の世界に切り替わる。
◇◆◇
第一層目。
ほの暗い光苔の明かりと湿った岩壁の匂い。昨日と同じはずなのに、微かに景色が違うように感じる。
ひよこモンスターが通路の奥から現れる。
もふもふした体躯のわりに、嘴は鋭く光る。だが直線的な突進しかしてこない。
普段なら無表情で無駄なく動く影真の口元に、戦闘の瞬間だけわずかな笑みが浮かぶ。
鼓動が速まり、血が熱くなる。
「――いいな」
ひよこモンスターが突っ込んでくる。
影真は余裕を持って避け、逆に踏み込みながら拳を叩き込む。
「ピギィィッ!」
羽毛が散り、ひよこモンスターはゲームのように消える。
拳の痺れと同時に、頭の奥から少し震えるような快感が走った。
「ははっ……!」
無意識に短い笑い声が漏れる。
戦闘中だけは心が研ぎ澄まされ、体が本能的に動く。
ひよこモンスターがいなくなった瞬間には落ち着きを取り戻し、一呼吸おくと黙々と素材を回収し袋へ詰める。
「……まずは1つ」
少し高揚した心を落ち着け次を探す。
◇◆◇
翌日。
影真は拳だけでなく、石や壁を使う戦い方を試す。
通路で二体のひよこモンスターが突進してくる。
一体目には石を投げて動きを止め、二体目には壁際で蹴りを入れる。
「ピギャッ!」「ピィィッ!」
鳴き声が通路に響き、羽毛が舞う。
踏み込み、喉元に拳を打ち込むと、倒れたひよこモンスターは静かになった。
素材を袋に詰めると、戦闘中の高揚は消え、再び淡々と作業モードに戻る。
◇◆◇
探索後、ギルドへ。
袋をカウンターに置き、職員に素材を渡す。
探索者カードを差し込むと、青白い光が走り、数字が更新される。
【残高:1,200P → 2,600P】。
硬貨や紙幣は存在せず、増えるのは数字だけ。
だが、この数字が現実の重みとして影真の手元に伝わる。
短く頷き、カードを受け取ると、再び冷蔵庫の前に立った。
◇◆◇
数日が過ぎ、戦闘も試行錯誤の連続だった。
ひよこモンスターが突進してきたら腕で軌道を逸らす。
壁や石を活用して動きを止め、踏み込んで拳を叩き込む。
倒れるひよこモンスターは鳴き声を上げ、羽毛と魔石を散らす。
その繰り返しで、袋には確実に素材が溜まった。
ギルドでカードに数字を反映させる。
【残高:2,600P → 4,100P】。
【残高:4,100P → 5,600P】。
【残高:5,600P → 7,000P】。
戦闘中は血が熱くなり、笑みすら浮かぶ。
しかし素材を拾う時は無表情で、淡々と袋へ詰める。
その繰り返しの中で、影真の探索者カードの数字は、確実に武器購入の目標に近づいていった。
最後までお付き合いありがとうございました。
ゆる~く更新出来たらと思ってます。




