190話
人生は何が起きるかわからない
止まっていた時間が急に動き出すことがある。
話すときも敬語で歪で、普段から連絡を取り合っていない親子が急に話し出すことだってある。
そんな漫画みたいな話あるの?って思うよね。
でもこれは事実なんです
「だからお母さんはみっちゃんに近づかないでって」
「どうして?将来の息子と仲良くなりたいと思うのは普通でしょ」
「その場所は私だけのものなの」
「この子ってこんなに独占欲強めだったかしら?おばあちゃんに甘やかされて育ったからかしら」
「お母さんに育てられていないからじゃない?」
「うっ。痛いところを...でも私もみっちゃんの隣がいい」
「あ~。だから私しかダメなのに」
「ねぇお兄ちゃん...」
「なんだい妹よ...」
「私はなにを見せられているの?」
「わかる。いつからこの二人こんなに仲良くなったの?」
GWに入って愛のお母さんが松岡家にくることがわかって数日後。
突然の出来事で俺は慌てていたが、母さんには連絡がいっていたらしい。
どうして息子にそれを言わない?って思ったが
「だって愛ちゃんに聞いていると思ったから」といわれた
確かにそうだけど。
愛だよ?今度から俺にも共有してほしい
そして当日になって俺と真紀と愛で奈央さんを迎えにいくことになって
合流して今の状況になっている
傍から見たら超絶美人の二人に囲まれている最強ハーレム主人公にみえるかもしれない。
でも本人からしたら胃が痛い。
だって2人とも圧が強いんだもん
ラノベ展開だとほんわかなハーレムなんだけど、今は違う。殺意を感じるのは気のせいだろうか。背中に変な汗をかいている
「そういえば真紀ちゃん、あれから高校受験も頑張ってえらかったね。お小遣いあげるね」
そういって財布から3万円を出す
「いやいや!!!そんな大金もらえません」
真紀は突然の大金に驚く。
俺のバイト何日分かの給料をさっと出すこの人に引いていた
「もらっておけばいいのよ」
「もらっておきなよ」
隣から愛も入ってくる
真紀が俺のほうをみる
諦めろ妹よ...という視線を送って一度頷く
「あ、ありがとうございます」
遠慮しながらも真紀はそのお金を受け取る
「入学祝よ。好きなものを買う時の足しにして」
確かにそれだったら真紀も受け取りやすい
流石奈央さん。ぶっ飛んでいるようでちゃんと常識もある
「まぁあの時は勢いであの場にいったけど、改めて考えたら天王寺と担任をもっと潰しておけばよかったわね」
「本当だよ。なんでもっと潰さなかったの?」
「準備時間が足りなかったのよ」
「それは私にも責任がある」
「ねぇお兄ちゃん...」
「どうした妹よ...」
「この二人怖いこと言っているんですが」
「大丈夫。愛で慣れているつもりだったけど親子になると破壊力が増して俺もびびっている」
「なにかいった?」
奈央さんの視線が刺さる
「いえ。二人揃ったら本当に美人親子だなと思って」
「あらみっちゃん。嬉しいこと言うわね。この子より私と付き合わない?」
「みっちゃんダメだよ。この人は。絶対恋愛感情欠落しているから」
「みっちゃん。この子ってこんな性格だった?」
「多分元々こんな性格だったのを長年押し殺していたのが最近表に出てきてるんだと思います」
「まぁ私の娘ってことかもね」
「そうかもですね」
間違いなくそうである
まだ2回しかあっていないのに奈央さんの娘ってだけで納得してしまう愛の性格だ
容姿端麗、成績優秀、運動神経もいい
まさに才色兼備とはこの二人のことをいうんだろ。
実際に奈央さんの年齢はわからないけど、何も知らずにあっていたら愛のお姉さんっていっても多分いけてしまいそうだ
でもこれを口にしたらまた喧嘩が起きそうだから胸の奥にしまっておく
聞いたことはないけど、愛のお父さんってどんな人なんだろ
かなりのイケメンなんだろうか
いつか聞いてみたいな
空港からいろんな面白くもありドキドキもある道中は終わり
俺たちは松岡家に到着した




