188話
ここに全くかっこつかない男がいます。
女の子を助けようと間に割って入ってボコボコにされて、友達の可愛い男の子に助けられて、介抱された勢いで告白して付き合うことになったのに
次の日から高熱で寝込んで3日熱が下がらずにベッド生活を送っているのが中村敬都こそださ男です。
顔の腫れはだいぶ引いてきたけど、まだ痛みはある。
殴られたからこその熱ってことはわかっているけど、客観的にみればボコボコのボロボロ男でしかない。
これも全部瑞樹のせいってことにしておこう。
なんか僕はいつもこんな感じなんだよな。
漫画の主人公みたいに全部がうまくいかないもんだよね。
「敬ちゃん。お友達がきてるわよ。部屋に連れてきていい?」
瑞樹と冬くんかな?
「うん。いいよ」
散らかっているけど、あの二人だったらいいか。
部屋を見渡せば読んでそのままにしていたラノベや漫画が散らばっていたけど男部屋はこれぐらい普通だろと思って放置した
すぐに部屋がノックされる
「どうぞ~」
「お邪魔します」
「えっ」
そこに入ってきたのは鏡さんだった
「大丈夫?」
「か、かがみさん!!!どうして?」
僕は熱がでていることを忘れて飛び上がるように起き上がった
するとすぐに痛みが走る
「いった」
「急に立ち上がるからだよ。ちゃんと寝ておかないと。それにどうしてって...彼女だから」
鏡さんは顔を真っ赤にする
それをみて僕も赤くなってしまう。
てか何この人可愛すぎるんだけど
「ありがとう」
僕も照れながら、なんとか返事をする
少し沈黙が流れる
世の中の男性のみなさん、彼女がはじめて部屋にきたときに何を話しますか?
恋愛経験ゼロの僕に教えてくださいって心の中で叫んだ。
今すぐAIに質問したいところだ
「そうだ。これ」
鏡さんはリュックから袋をだして、その中にはお菓子とアクエリアスが入っていた
「ありがとう」
「これは私からじゃなくてみんなから。最初はみんなで行くのかなと思っていたんだけど....」
~今日の放課後~
「えっ春乃たちはいかないの?」
「私たちがみんなでいったら迷惑だし、彼女が1人で来てくれた方が絶対に嬉しいと思うよ」
「そのニヤニヤした顔嫌だ」
「ニヤニヤなんてしないよ。ただちょっと可愛いって思っているだけ」
「さくらさんからかわないの」
「はぁい」
最近苑田は春乃のブレーキみたいになってる
「鏡さん、これ」
松岡は袋に病人がほしそうな食べ物や飲み物を買ってくれていた
こうゆう気が利くところは認めてやってもいい
「私は鏡さんにこれをあげる」
「えっいいんですか?」
愛様が私にジュースをくれた
「うん。頑張ってね」
何を?と思ったけど、愛様にもらったものは全部嬉しい
「俺の時と愛の反応の違いがすごいな」
「普通でしょ」
「まぁそれはいいとして。敬都によろしく」
「わかった」
ということがあったのを中村に説明した
「ははは。いつも賑やかだよね」
「ほんとだよ。別に陽キャの集まりじゃないのに賑やかすぎる」
「そうなんだよね。瑞樹も嶋野さんも別にいつもテンション高いわけではないのに、輪の中心にいて賑やかになっているんだよ」
「私からしたら、そこにいつも中村がいるんだけどね」
「僕も最初はここにいていいのかなって思っていたんだけど、結局は自分があの場所が好きなんだろうね。鏡さんと同じように」
「なんで私も同じなの?」
「だって鏡さんみたいに一匹狼みたいな子があの場所にいてくれるのは、なんだかんだあの場所が好きだからなんだろうなって」
「うるさい」
「あ~図星だね。顔が赤くなっているよ」
「うるさい。」
「いたたたた」
鏡さんは傷口にデコピンしてくる
それだけで電流が走ったように痛みがくる
「調子乗った罰」
「ごめんなさい」
「まぁあの場所が嫌いじゃないのは本当だし、今はあんたもいるから」
鏡さんってこんな積極的な子だった?
もう可愛すぎるんだけど。
「朱里って呼んでいい?」
「うん...」
「僕のことも名前で呼んでくれていいから」
「け、け、け、やっぱ無理」
「ごめん僕も恥ずかしいかも。しばらくは今まで通りでいいか」
「そうしよう。ねぇ」
「何?」
鏡さんが迫ってくる
突然の出来事で僕は目を閉じた
「何してるの?これ読んでいい?」
「あっうん」
鏡さんが手に取ったのは僕の後ろに散らばっていた漫画だった
一瞬キスされるかと思った
そして油断したときにほっぺに柔らかい感触が当たる
「えっ」
鏡さんのほうをみると顔を背けているけど耳を真っ赤にしていた
「彼女からの最初のご褒美」
そういって漫画を読みだした
何この可愛い女の子
このあと少し熱があがったのは内緒である




