185話
みんなが買い出しなどでいなくなって
公園のベンチには私と中村だけになっていた。
こんなにボロボロになってしまって。
なんか見ているだけで涙が出そうになる。
西村さんが村野に手を挙げられて中村が立ち上がったときに私は止めようとした。
ただ中村が出る前に西村さんの弟が飛び出してきて状況が変わった。
突然の出来事だったが、逆に少し冷静になったのか
「鏡さん、僕が飛び出したら動画を回して」
中村は西村さんのほうを見ながらそういって走り出した
「中村!!」
私の声を無視して中村は走り出した
西村さんのほうを見ると西村さんが村野に頭を下げさせられていた
どうしてそんなことまでできるのかがわからず怒りの感情が込み上げた
それでも私は中村に言われた通り動画を回して撮影をした。
多分、これは前に海でやったときの戦法なんだろう。
どんな人も実際に動画を回されていたら大人しくなる。
今回もなんとかなると思った。
しかしに冷静じゃない村野には関係のない話だった
動画なんて関係なしに村野は中村を殴った。
殴られた中村は倒れることなく村野の前に立ちふさがった。
中村は倒れることなく中村のパンチを3発受けた
ふらふらになりながらも倒れなかった。
それをみた村野は動揺してふらふらの中村をもう一発殴った
私は動画を撮影していたことを忘れて叫んだ
「中村!!!!」
流石に倒れた中村は私をみて
「来ちゃダメだよ...」
その姿をみて私は中村のもとに走ろうとした
それを後ろから静止させられた
「何?こんな時に!!中村が!!」
「わかっているよ」
振り返ると、そこにいたのは冬くんだった
いつもみているような可愛い冬くんじゃなくて
目には怒りに満ち溢れているのが私にもわかった
「もう大丈夫だから。中村くんのところに向かって」
その言葉を聞いて私は中村のもとに走った
それからはあっという間だった
冬くんが村野を黙らせて春乃がとどめをさす
西村さんたちは桐生さんが送っていった。
ある意味一件落着なのかもしれない
中村のボロボロを除いては
「はぁ。またボロボロだよ。口の中もキレてていたい」
中村は笑いながらいった
「今みんなが冷やすものと飲み物買いにいってくれているから、それまで静かにしてなさい」
「ごめんね」
中村は急に謝った
「何が?」
「心配かけてしまって。鏡さんの声聞こえていたよ。それに村野が鏡さんのところまでいくって考えたら倒れちゃダメだと思って。冬くんが来てくれてよかった」
何をいっているの?
もっと自分の心配をすればいいのに
こんなときまでどうして私のことなんて気にしているのよ
この馬鹿は...
「かっこよかったよ」
「こんなボロボロなのに?」
「そうよ。誰にでもできることじゃない。私は動けなかった。中村は西村さんたちのためにちゃんと村野の前に立って、殴られても倒れなかった。十分かっこよかった。」
「僕、少しは強くなれたかな?」
「そうだね。今の言葉がなかったら強くなれていたのかもね」
「ははは。確かに」
「でも、前にレベル1なんていったけど、そんなことないと私は思う」
「鏡さん...」
「もっと自信持ちなさい。かっこよかった。あなたのことを好きって言っている私がそういっているんだからいいでしょ」
何を言っているんだ私は...
雰囲気に流されたかもしれないけど
こんなことをいうキャラじゃないのに。
「鏡さん。好きだよ」
「はいはい。えっ?」
今この男はなんていった?
「今なんて言った?」
「鏡さんのことが好きって言った」
「なるほどなるほど.....どうした急に?」
えええええええええええええええええ
なんでこんな展開になるの
この動揺がばれないように平常を保つ(多分保てているはず)
「さっき思ったんだよね。鏡さんを守りたいって。村野が鏡さんのほうにいくっていったときに倒れちゃダメだと思った。確かに前にレベル1だからって言い訳つくって告白を保留にしたけど、やっぱり鏡さんを傷つくのを嫌だなと思ったし、もし守れる人がいるなら自分がいいなって。こんなボロボロでいっても全然説得力ないけど」
「そんなことないよ」
私はその言葉に涙がこぼれる
「レベルなんて理由をつけて向き合うことから逃げていた。もっと頼れる男になるよ。鏡さんの隣で。こんな僕でもいいですか?」
「やっぱり中村は馬鹿だよ。私が断る理由なんてないよ。私は中村が好き。中村は私が好きっていってくれるならそれ以上に理由はいらない。」
「そっか...鏡さんありがとう。これからよろしくね」
「私もよろしく」
沈黙が流れる...
「こうして二人は付き合うことになったのでした。男の子はボロボロながらに告白してそれを女の子は涙ながらに了承した。少女漫画のような結末を迎えた二人は幸せになりましたとさ」
「さ、さくらさん!!!!いつからそこに」
「春乃...私は泣いてないから」
「えっだいぶ前からみんな戻ってきてたけど、いい雰囲気を邪魔したくないと思って木の後ろに隠れていました」
「じゃぁ他の人も?」
私は幸せムードから一転。
顔が真っ青になっていた。
あんな恥ずかしい場面をみんなにみられたなんて
「ってことは愛様も?」
「私はここにいるよ。鏡さんおめでとう。あと中村もおめでとう」
「うっ」
「愛、鏡さんにとどめをささないでやって」
「おめでとうじゃないの?」
「まぁそうなんだけど。鏡さん、敬都おめでとう」
「流れで言うなし」
「僕もドキドキしたよ。中村くんかっこよかった。ふたりともおめでとう」
「冬くんも助けてくれてありがとう」
「全然気にしなくていいよ。むしろ僕が二人のキューピットになったのかもね」
「まぁまぁ。二人ともおめでたいんだから喜ぼう」
「うううう。やっぱり別れる」
「0日婚じゃなくて0日破局。敬都ドンマイ」
「そ、そんな~~~~。」
みんなで笑いあった。
この日私と中村は友達から恋人という関係になった
いろいろあったこの日を私は忘れないだろう




