180話
放課後に聴いた最低な話をお兄ちゃんに相談した
流石にまどかちゃんがかわいそうだと思った
「あの二人クズ過ぎるだろ。にしてもこの話を俺一人にしたのは正解だったかもね」
お兄ちゃんは冷静に話を聞いて考えながら返事をする
「どうして?」
「もし今の話を愛が聞いていたら今すぐ飛び出してあの二人を探し出して血祭りにあげるかもしれないだろ」
「あぁ...」
その言葉が大げさに聞こえてこないのが愛ちゃんのすごいところである。
ちなみに愛ちゃんは今お風呂に入っている。
たまに一緒に入ることもあるが、今日は別々だったからよかった
「でもこのことを直接西村さんに話すのもどうかなと思うし、俺があの二人に何か言うのも違うし。とりあえず今は様子見なのかな」
「それでいいの?まどかちゃんが傷つくかもしれないじゃん」
私はちょっと大きめの声で反論する
「真紀の気持ちもわかるけど、ここで俺が動いで西村さんに対してのあたりが強くなるほうがよくないと思うんだよ。今日の昼もみていたけど、あいつの中で自分は西村さんより上って思っているだろ。だから積極的にかかわるのが正解かどうかわからないと思ってな」
この会話の中で考えがある程度まとまっているお兄ちゃんのことを尊敬する
多分この人は私が考えるより先のことを考えているんだろう
「でも大丈夫」
「なにが大丈夫なの?」
「ここまで知って何もしないわけではないから」
「わかった」
「真紀ちゃん、お風呂入っていいよ。帰ってくるの遅いから1人で入っちゃったよ。」
「たまには1人で入るのもゆっくり浸かれるでしょ」
「私は真紀ちゃんと入りたいもん」
「明日は一緒に入ろう」
「うん。入ろう」
愛ちゃんがお風呂から上がったタイミングでこの話は一旦終わった
お兄ちゃんはあぁいってくれたけどまどかちゃんへの心配はなくならなかった
真紀に話を聞いて村野と大村のクズっぷりを再確認した。
話を聞く限りではほかにも同じように連作先を交換して先輩という立場を利用して後輩に近づいているのかもしれない。
実際それでも幸せだと思っている人もいるし、本性を知らないまま付き合っている人もいる。
普通だったら口を出さないのが正解なのかもしれないけど、西村さんは他人じゃない、同じバイトの中まであり後輩である。
しかも西村さんはあんなに努力しているのにそれに付け込んで利用しているのを俺は許せないと思った
でも真紀に言った通り、俺が出しゃばって西村さんにあたりが強くなるのはよくない。だから慎重に動くしかない。
俺はこの話をまずさくらさんに伝えた
さくらさんには愛と一緒にいてほしいと思ったから
愛はこの話を聞いたらあの二人にやばいことをすると思う
「あいつら潰すか」
さくらさんから返ってきた返事も似たようなものだった
まぁ今までのことをみても愛と同じ傾向だとは思っていたけど
「さくらさんいったん落ち着いて。この件はもう少し様子をみようと思うんだ。俺たちがかかわることで西村さんにあたりが強くなるかもしれないと思って」
「確かに。それで瑞樹は私に何をしてほしいの?」
「愛と一緒にいてほしい」
「なるほど。了解」
これだけで察してくれるのは助かる
「でも何かあったらよろしく」
「任せて」
さくらさんに連絡したあとすぐに別のグループに連絡をする
こっちが俺の本命である
「2人とも起きてる?」
「起きてるよ」
「ゲームしてた」
冬くんと敬都はすぐに返事をくれた
そして俺は今日の真紀との会話を2人に伝えた
「クズだね」
「クズだな」
「俺もそう思う」
さっきの真紀とさくらさんに話ことを2人のも話す
「その判断は正しいかもね」
「特に嶋野さんに話さなかったのは正解かもしれないね今は」
「でも僕たちに何ができるかな?」
「俺がバイト先で西村さんに話を聞きながら徐々に考えていこうかなと思って。今は2人には動向を気にしていてほしいんだよね。これは1人より3人のほうがいいと思うから」
「わかった」
2人とも当たり前のように協力してくれるのがラインが終わった後に嬉しくなる。
いい友達ができたと。
次の日バイト先で西村さんと同じシフトだった
「西村さん昨日は大変だったね。あれから村野からなにもされなかった?」
「大丈夫ですよ。何もされなかったというか連絡も来ませんでした」
「何かあったらすぐに言いなよ?」
「昨日は真紀ちゃんたちがいたから愛さんが出てきてくれたのはわかりますが、どうして先輩は私のことを助けようとしてくれるんですか?」
「バイト仲間で先輩だからじゃダメ?」
「そんな漫画の主人公みたいな言います?」
「別に大げさなことは何もなくて、誰かを助けたいというよりは誰かの悲しんでいるところか笑っているところのどっちを見たいかでいったら圧倒的後者なだけで、あとは本当の他人だったら別だけど西村さんはもう他人じゃないでしょ。」
「愛さんが先輩のことを好きな理由がなんとなくわかります。先輩ってかっこいいですね」
「ごめんかっこつけすぎた。本当は別の理由があるんだと思う」
「別の理由ですか?」
「そうだね。それは帰りに話そうか。もうすぐ俺たちのシフトの終わりの時間だし」
「わかりました」
17時になって次のパートさんが来たタイミングで俺と西村さんは帰宅した
「それで先輩がいった別の理由ってなんですか?」
「これは本人には内緒にしてほしいだけど、真紀は中3のときいじめられて学校にいけない時期があったんだ」
「えっ。真紀ちゃんが?」
「あの時のことは最終的になんとかいい感じに着地できたからよかったけど、正直今でも気づくのがもっと遅くなっていたら真紀がどうなっていたのかと考えるときがある。だからこのあと西村さんが傷つくことになるかもしれないと思ったら気になるし力になりたいと思うのかも。」
「.....」
「でも結果的にはあの出来事があったから黒崎さんと真紀は親友になれてこの高校にきて西村さんにも出会えたって考えたら悪いことばかりではないともいえる。ただ一度負った傷は消すことはできないと思うから。何かあったら頼ってね」
「はい。先輩、私からも一つ言っていいですか?」
「どうぞ」
「私村野先輩と別れようと思うんです」




