171話
正直言って、さくらさんの勉強の教え方はすごくわかりやすかった
あの日のみんなでした勉強会からさくらさんは週に2~3回家庭教師をしてくれることになった。
晩御飯をうちで食べるのと、さくらさんは最初は断ったみたいだけどお母さんたちが
「働きに見合ったお金を渡すのは当然のことだから、このお金は受け取ってくれたら嬉しいかな」
「ううう。別にいいのにって思うけど俊哉さんたちがそういうならありがたくいただきます」
私も無料で教えてもらうのは申し訳なかったから気が楽になった
愛ちゃんもさくらさんと話してから自分は教えることに向いていないことを自覚したのか
一緒の部屋で勉強はするけど何も言わなくなった。
そうゆう意味でもさくらさんのポテンシャルの高さを実感する。
雫ちゃんも一緒に勉強することもあった。元々私より頭がいい雫ちゃんはすぐに結果がでていた。
私も徐々に点数が伸びている実感があった。
それから受験まではあっという間で
初詣に愛ちゃんとお兄ちゃんと一緒にいったらさくらさんたちと合流してみんなでお参りをした。
私たちが受験する青春高校の受験は私立だから公立に比べて早く1月の後半には試験だった。
試験の手応えは不安もあるけど、やれることはやったと思う。
さくらさんに教えてもらったところが結構出題されていたから感謝しながら解けた。
面接に関しては緊張して上手く話せないところもあったけど、それはみんな同じだからどうにかなるかなと。
てか私の組に目立ちたがりのの陽キャがいなくてよかった。
私の前に組で廊下に座っている私たちに聞こえるぐらいの挨拶と自己PRしている人いたから
「まぢありえないんだけど」
「どうしたの?」
面接が終わって雫ちゃんと合流するとなぜかご立腹の様子だった
「私たちの組にめちゃくちゃ目立ちたがり屋の陽キャがいた」
「雫ちゃんの組にいたの?それは災難だ。私は前の組にそんな人がいたよ」
「ずるい。そいつのせいでみんな雰囲気に飲まれて変な空気になって話しにくくったからね」
わかるわかる。
あれは絶対に同じ組いたら嫌だ
「まぁまぁ。終わったことだし」
「真紀は自分のところにそいつがいなかったからそんな言えるんだよ。あいつはいつか殴る」
はじめてみる人だと「この人怖いな」と思うかもしれないけど
これは雫ちゃんの素だから私は笑ってみていられる
「ごめんごめん。じゃぁお疲れさまってことでケーキでも食べに行こうよ」
「いいね」
そういって雫ちゃんとケーキを食べにいこうとお店にいっていると携帯の通知がくる
みると愛ちゃんからだった
「受験お疲れ様。今から私とみっちゃんとさくらでケーキ食べに行こう」
すごいタイミング
すぐに雫ちゃんに携帯を見せると笑って頷いてくれた
「雫ちゃんと一緒に行く」
愛ちゃんたちと合流してみんなでお疲れ様会をした。
会計はお兄ちゃんがかっこつけて払っていた
「みっちゃんかっこいい」
「いや2000円だよ?これぐらいかっこつけようかなって」
2000円も高校生からしたら安くはないはずなのに。
なんだかんだかっこつけたがるお兄ちゃんが少し誇らしかった
「愛ちゃん、瑞樹の優しさを表に出さない心意気は触れない方がいいんだよ」
「なんかそんなふうにいわれたら恥ずかしいんだけど」
みんなで笑って家に帰った
家に帰るとお母さんが早めに帰ってきててご馳走だった
合格発表もまだなのに大袈裟だなと思いながら、みんなの優しさが嬉しかった
学校にいけなくなって私の目の前は真っ暗だと思う。
そんな私がまた学校にいくことができて
自分の行きたい高校を選んで受験までできたこと。
合格はどうなるのかはわからないけど達成感がある。
まだたくさんの同級生をみると怖くなることもあるけど、あの時の大きな恐怖はもうない
支えてくれた人たちがいる。
背中を押してくれた友達がいる
助けてくれた人たちがいた。
部屋に戻って鏡に映る自分をみる
あの時の元気がない自分がもういない
ちゃんと私は前を向けている
頑張ろう。私が憧れたあの人たちみたいに強い人間になれるように
合格発表の日がきた
最近はネットで合否が発表される
私と雫ちゃんは先生のパソコンの前に座って合格発表の時間を待っていた
このドキドキ感は本当に心臓に悪いし、片方が落ちたりしたときの空気はどうなるだろうとか変なことを考えていた
時間になって雫ちゃんの受験番号を入力する
おそるおそるクリックすると
「合格」
「はぁぁぁぁ~~~~」
雫ちゃんが珍しく崩れ落ちる
次は私の番と思って受験番号を入力しようとすると携帯の通知がなる
【真紀ちゃんおめでとう。一緒の高校にいけるの楽しみ】
愛ちゃん......................................
「どうしたの真紀?」
雫ちゃんが心配そうに私をみる
「私合格したみたい」
「えっ?」
私は携帯の画面を見せる
「な、なるほど」
私は一応受験番号を入力してクリックする。
「合格」という文字がすぐにでてきた
嬉しい。すごく嬉しいんだけど。
私のドキドキより先に愛ちゃんのメッセージのインパクトが強くて逆に笑えて来た
てか、どうして私よりも先に合否みているの?愛ちゃんって学校だよね。
「真紀!!」
雫ちゃんが私に抱き着いてくる
「わぁ!!」
「嬉しい。高校でも一緒」
「高校でも一緒...そうだよね。私受かったんだ」
雫ちゃんの言葉でやっと実感が湧いてきて涙が出てきた
「そうだよ。高校でもよろしくね」
「うん」
私も一歩踏み出せたかな
ちゃんと変われたかな
真紀が合格発表でドキドキしているとき愛と瑞樹は家にいた。
「ねぇ愛ちゃん」
「なにみっちゃん」
「俺たちはどうして学校サボっているの?」
「そりゃ真紀ちゃんの合格発表をリアルタイムでみるためだよ」
「確かに学校だと授業中だからみれないけど」
「でしょ。ドキドキする」
この合格発表の瞬間はドキドキするのは理解できる
しかも自分がうけていないからこそ、実際の手応えがどのくらいだったかわからないからなおさらドキドキする。
そして何よりも隣にいる愛のドキドキがすごくてこっちまで伝染している
時間になってすぐに真紀の受験番号を入力する
「合格」
「やったぁ!!!!!!」
愛が抱き着いてくる
「よかったぁ」
俺も安心する
するとすぐに愛は真紀にメッセージを送る
「ねぇ愛ちゃん」
「なにみっちゃん!!」
「真紀が合格発表を観る前に今のメッセージみてしまうんじゃ」
一瞬愛も考えたが
「大丈夫でしょ」
「愛がそういうならいいんだけど」
愛と瑞樹は知らなかった。
そのメッセージが合格通知になっていたことを
「真奈さんと俊哉さんにも連絡しておこう」
「そうだね」
相変わらず可愛いけどちょっとポンコツなんだよなと微笑んだ瑞樹だった




