32 自称傭兵イカレ不審者男アルファルド
「昨日ぶりだなグレイ」
「てめえ、何しに来た!」
俺は椅子を倒しそうになる勢いで立ち上がり、アルファルドを睨み付ける。
「そう怒るな。俺はもうお前の敵じゃない」
敵じゃないだって?
ふざけてるのかこの自称傭兵イカレ不審者男は!
「信じられるか!お前は俺を殺し掛けたんだぞ!昨晩だって、俺をシャナとブロードの戦いに誘い出して、何の狙いがあるんだよ!」
すると、アルファルドは溜息を吐く。
「シャナ嬢。前以て誤解を解いてくれてるはずだったろう?」
は?
どうしてシャナが?
「仕方ないでしょ。グレイからちょっと、大事な質問されたんだから」
そして、どうしてシャナのほっぺたが赤いんだ?
「いいかグレイ。敵じゃないことは本当だ。まず無理矢理飲み込んで欲しい。その上で、俺はお前ら二人と協力して、俺を牢獄から連れ出した創造主レジェルを殺す。シャナ嬢が持つというレジェルの記憶の一部が記された本を持つというから、俺はここに来たんだ」
「レジェルの、記憶だって…?」
「そして、俺がグレイを襲った理由は、お前のことをレジェルが欲しがっていたからだ。あの時点で、俺はレジェルを裏切っていた」
「レジェルが俺を…いや待て、おかしくないか?レジェルが俺を欲しがっているっていうのは、俺が破壊魔術を継いでいるからだろ?矛盾してないか?」
たった数秒で不自然な点を見出すなんて、我ながら冴えた思考能力だ。
「そうか。俺は知らなかったか」
だが、アルファルドが口にしたのは、余りに予想外の話だった。
「俺が最上位魔法の、時空魔法の元継承者ということを」




