25/35
25 再来のアルファルド
「おい、お前ら、立てるか?」
聞き覚えのある声が、降ってくる。
「ねえ、呼んでないよ。消えて」
神獣を名乗った少女の声。
「貴方…一体…」
シャナの声が、まだ聞こえる。
「君のこと、わざわざあそこから出してあげたのに。恩とか、そういうのないのかなあ?」
「恩。恩か。そうだな、たっぷりあるぞ。恩を返したくてたまらない。まずはそのガキみてえな面被った化けの皮、引っぺがしてやる」
「威勢がいいね。アルファルド」
アルファルドって、路地裏で俺を襲った奴か!?
直後、凄まじい振動と轟音が身体を流れる。
「踏みつぶしたつもりだったんだけどなーおっかしーなー。影魔法ってこういうとこ厄介だねっ」
地面を、踏んだ?
それだけで、この迫力。
本物だ。この力こそ、本物の、創造主。
「残像操作は影魔法の秘技だ。お嬢さん!俺はこいつを運ぶ!さっさと逃げやがれ!狙いはお前だ!」
こいつって、俺のことか。
「させないよ」
小さく蹴られた。右腕を、創造主の足に踏まれている。
踏まれた箇所に走ったのは、痛みではなく、活力に満たされていく解放感。
やがて、それは全身に広がる。
もしや、踏みつけた足を通じて、創造主が、俺を、治癒している?




