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24 ヘルゾーン・バースト

「破壊魔法・デーモンファング」


 左腕で横一線に刃を振るうと、その空間に牙が現れる。


 シャナの兄、ブロードが出現させた牙と、衝突した。


「馬鹿なぁぁっ…!」


 ブロードは歯を食い(しば)って俺を睨んだ。


「ブロード。なんでお前は、破壊魔法を使える?継承者は、一人だけのはずだ」


「何故だ!?何故ガキ風情が俺の名を!やめろやめろぉ!俺はシャナをッ!シャナを!」


 ブロードが呻く。しかし、どこか様子がおかしい。


 狂気だらけには変わらなくとも、葛藤(かっとう)の色が瞳に映っている。


「シャナを…どうして、俺は…」


 次の瞬間。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」


 咆哮が轟く。


 破壊魔法が発動した。


 ブロードを中心に、世界が黒い光に染まって、俺を飲み込む。


「グレイ…」


 シャナだ。


 無意識の内に、シャナを意識していた。


「俺は守る。破壊魔法・最終術式発動」


 赤黒く変わった刀身を、前へ突き出した。


「ヘルゾーン・バースト」


 漆黒の光がうねり、消滅した。


「はぁっ、うっ、ぐっ」


 周囲の、全てが、消えていた。


 俺以外の、空気すらも消えていて、一瞬の酸欠状態に陥った。


「やったぞ…シャナ」


 シャナの兄、ブロードは、影すらも残さず、破壊された。




「それで?ぶつかり合って、それで終わっちゃうの?」


 シャナとは違う少女の声が、俺に問いを投げた。


「オリジナルの性能を十分に引き出せれば、もっとかっこよかったのに。残念」


 オリジナル、だって?


「ローゼンちゃんのこと、可愛がってあげて」


 駄目だ。手も足も顔も、上げられない。


 シャナに負けた時と全く同じ状態だ、クソ。


「じゃあ、かっこよくなくなった抜け殻はもう要らない」


 駄目だ。絶対駄目だ。抜け殻とは、シャナのことだ。


 この声は、そうなのか。


「可愛い神獣ちゃんの手で死ねるんだし、光栄に思ってよ」


 創造主、なのか。


「ばいばい」

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