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23 命より守りたいもの
「僕の創造主は古来から存在している、神獣と呼ばれる存在だ。神獣をこの手で殺し、この身を消滅させる」
「は?な、なんで、自分で自分を消滅させるなんて…」
「これ以上は話せない。時間が足りないんだ。今、決断してほしい。シャナの覚悟を、どうか」
ローゼンは黙る。
俺が、決めるのか?
契約を結べばシャナが、死ぬ?
理解出来ない。どうして、どうやって死ぬんだ?
信じられる訳が無い。あれだけ強い奴が、死ぬわけない。
「俺は守る」
それでも、勇気が出せない。
いつもなら、出せるはずの勇気が。
ああ。俺は守ろうとしている。
死ぬなんてどうせ冗談だろうと笑って、もしそれでシャナが死んだら。
俺が原因に、シャナの死の原因の一部に、なったとしたら。
「シャナを守る。守り抜いてみせる」
俺は何を守りたい。
シャナの命を、守りたいのか。
人間いつかは死ぬものだ。
そのいつかを、俺は必死になって引き伸ばしたいのか。
引き伸ばした時間は、シャナにとって価値のある時間なのか。
「シャナの意志を、覚悟を、それが命より大事なら」
そう言い切って、踏ん切りをつけたその瞬間、地面が崩れる。
閃光が、視界を焼いた。
第二章があまりに長すぎるので、区切りをつけるために21話からを第三章と設定します。




