18 破壊欲が、少しずつ
もっと、もっと、壊せ。
力の奔流が、破壊欲が、そう語り掛ける。
目障りなものは潰してしまえ。
それに従って、私は、シャナ・アークはどうなる。
最高だろう。邪魔なものが存在しない、澄み切った自分だけの世界を、見てみたいと思わないか。
狂っている。狂気の塊だ。遠ざけなければ、遠ざけなければ……
無理だ。無意味だ。知っているはずだ。弱者を痛みつけるのは大好きだろう?
負けるものか。こんな衝動に、本能なんかに。
それでも使うのか。力を。
当たり前だ。だって、あの男は、グレイという名の男は……
氷結の大剣《ブリザード・ミスト・ソード》に、更に亀裂が浸透する。
止まらない。
何回も、何周も、何層も、みしみしと刻まれていく。
削れ続ける氷の刃を両手で押し込む。
溜まった顔の汗を、拭う余裕はない。
そのせいで、さっきから両目に涙がじんじん滲んでいる。
「破壊魔法!いくわ!」
後ろの声に背中を押され、俺は踏ん張った。
一際大きく、悲鳴を上げるように刃が軋む。
「来い!シャナぁっ!!」
「《リフレクト・バースト》!!」
片手から出た光線は左右に分かれ、放たれる。
二本の光線は幾度も折れ曲がり、乱雑でありながらも、洗練された軌道を描く。
赤黒い閃光が眼前に二つ。魔力の色と、鮮血の色。
目標の右肩と左の脇腹を貫通し、血肉を溶かし破裂させた。
「ぐ、はぁ…」
氷結の大剣が砕け散ったのと、同時だった。
シャナの兄は歪んだ剣を地面に突き刺し、苦しみながら息をした。
「く……」
シャナの兄の口からは、弱々しい声と吐息が漏れる。
「おわ…」
だがそれに込められた邪悪な感情は、より強く大きくなっている。
「りだ…」
地面を破り、触手のような刃が四本、現れた。
シャナの周囲を、取り囲んで。
「シャナぁぁぁぁ!!」
黒い斬撃が四つ、シャナに向けて振るわれる。
本日、初めてご感想をいただきました!!滅茶苦茶嬉しいです!!
お陰さまで今日は指を止めることがなかったんじゃないかぐらい早く書けました!!




