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17 走り続けて
掌から出せる限りの氷魔力で即席の盾を作り出す。
だが、その程度で防ぎ切れるはずもなく、盾は砕け、左腕を刃が掠った。
「ぐっ……!」
痛みで、声が漏れた。
傷口から静かに、一粒ずつ血が滴る。
「まだぁ…!」
それでも足は止めない。
シャナの兄に、もっと近付く。
「さっさと、退場しろぉ!」
上下左右に、邪悪な刃が振るわれた。
受けたら駄目だ。全力で躱せ。そう自分に命じて、俺は走った。
「うおおおおっ!」
右に左に、跳ねて屈んで、俺は走った。
腕を、足を、腹を、頬を、斬られても、俺は走り続けた。
あと少し、あと少し、あと少しだ。
そして、届いた。
俺の間合いが、シャナの兄に。
「喰らえぇっ!氷結魔法・三連!」
《ブリザード・タワー》を基軸に、《ミストスラスト》《フリーズダスト》を同時並列展開。
アルファルドに振るった右腕を、更に強化した————
「ブリザード・ミスト・ソードだ!!」
流れ落ちる血が線を引いた右腕は、氷結の大剣へと変化する。直後、シャナの兄は発狂した。
「はぁああぁあぁぁぁあああああああ!?お前なんなの!?ほんともうどっかいけよ!俺とシャナの邪魔すんな!お前なんか虫けら、否ァ!その虫すら唾を吐き捨てていくようなクソヨワ野郎なんだよ!どっかいけぇええぇぇぇえええ!!」
俺は刃を、振り下ろした。




