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16 溶けて歪む刃
「俺は相手の間合いに突っ込んで戦う。シャナは後ろから、破壊魔法を撃ちまくってくれ。あんたみたいな優等生なら、魔法の範囲を制御するのは得意だろ?」
「分かった。死んでも、知らないから」
俺は強く踏み出した。
「うらぁ!《フリーズダスト・キャノン》!!」
風を切って走りながら繰り出した氷結の嵐は、一瞬で消し飛ぶ。
「ざけんなぁ!さっきのショボ魔法と同じかよ!単調攻撃クソ雑魚野郎風情がシャナに語り掛けるなぁ!シャナの周囲二メートル圏内に立つなぁぁぁ!!」
シャナの兄は激昂し、肘までビシッと伸ばして剣を高く掲げた。
「うねろうねろ我が激情!!シャナへの愛の下にぃぃぃ!!」
握り締められた刃が変貌を始める。
怨念に満ちた暗い色に変わり、途端に溶け落ちる、直前。
「《ブラッディ・ウィップブレード》!!」
剣が振り上げられる。
俺を丸ごと飲み込む軌道を描いて、歪んだ刃が鞭のようにしなる。




