国王陛下のバレンタイン
忘れて放置していました…
今さらな季節外れのネタです。
会話オンリー。
国王と王妃+その子供達
「…おい」
「はい、なんですか?陛下」
「毎年思うんだが…」
「何をでしょう?」
「お前、俺のこと嫌いだろう…」
「まあ!そんなことあるわけないじゃないですか!これっぽっちも!!」
「じゃあ、なぜなんだ?」
「何がですか?」
「なぜ、毎年俺にチョコレートを食わせる…」
「バレンタインだからです!」
「俺は甘い物は…」
「苦手でしょう?知ってますわ~」
「・・・・・・」
「だから、年に1回だけ。陛下のお身体に甘いものを提供しているんですわ~」
「いや、べつに…いらな…」
「いらない、なんて言わないですわよね~?」
「・・・・・・・」
「私が作ったのに、食べないなんて、言わないですわよね~?」
「…食べないとは、言って、ない」
「じゃあ、どうぞ。召し上がってください」
「ただ、この大きさは嫌がらせにしか…」
「まあ!陛下はこのチョコレートケーキが大きいって言うんですか!?」
「いや、デカいだろう…皿からはみ出してるぞ…」
「愛ゆえですわ~」
「しかも、なんでケーキの上にクッキーが乗っているんだ?」
「それはサーシャマリーからよ」
「…クッキーまでデカい…」
「愛ゆえですわ~~」
「似たもの親子か…?」
「違います。愛ゆえですわ~」
「…そうか……」
「陛下。なにをぐずぐずしているんですか。ちょっと貸して」
「あ…」
「はい、あ~ん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・あー」
「ちょっと!お茶で流し込む前によく味わって!!」
「っ!・・・・・・・ん?甘くない…」
「ふっふ~ん♪でしょう?」
「これなら食べられるな。…だが、デカ…」
「だから~、愛ゆえですわ~~~。はい、あ~ん」
「・・・・・・・」
「どうしたんですの?兄様。入りませんの?」
「いや、ちょっと…う~ん」
「お父様もお母様もいらっしゃらないのですか?」
「いや、いるん、だけど…う~ん」
「せっかくお裾分けに来ましたのに…お忙しいのかしら?」
「そうだね、またにしようか?」
「はい、残念ですわ」
「そうだ、サーシャ。それ、やっぱり私が食べようか?」
「えぇっ?でも、兄様は先ほどたくさん召し上がられて…」
「大丈夫だよ。サーシャが作ったのならいくらでも食べられるから」
「でも…」
「いいからいいから。さっ行こう」
国王はプライベートでの一人称は「俺」
王妃の言葉使いかコロコロかわってるのはワザとです。