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馬じゃないのか…  作者: 雲猫’
必然的な出会い編
33/35

5それは突然、やって来ました。




 私は馬さん達を調教しているアルテをポケーっと見ていました。黒は私の横で草を美味しそうに食んでいました。ユーリは丁度街に出掛けて留守でした。



『馬術競技は貴族のモノだと思ってました。』

『あの場合馬術競技じゃなくて実践的な馬術だと思うけど……』



 黒の指摘通り、アルテが施している調教は如何に乗り手に従順に従うかの訓練みたいですね。障害を飛び越える、コーンを避けながら等の調教は今のところしないようですし。


『もっとも、ここの馬たちはそれほど生意気な性格してないからなぁ……血筋的なのか育ちがいいのかみんな素直で従順だよね』

『……そう言えば、密猟者達にコキ使われてた馬さんも素直そうでしたよ?』

『ふぅん……それはいざって時苦労するね。反抗心も無いと…捕まるだろうし…』




 うん。そうですね。馬さんもそんなに抵抗してなかったですし……あれ?それって生き物としての尊厳とか云々よりも、生存本能が薄いんじゃ……



「次はターンして―――」


『ハイハイ……お腹すいたなぁ…喉乾いたなぁ。この人乗ってなかったら水飲み場に行けるのに~あ、そう言えばさ、アンタ太った?肥えたんじゃない?この前よりも重いんだけど~。ねえ、降りてよ…疲れたよ~』



『アイツは反骨心以前に根性が足りないよな』

『きっとここのみなさん根性と我慢強さがスゴいんですよ……あのひとは知りませんけど』



 今アルテに調教――調教って単語って何だか恥ずかしい気がします――されているのはライトブラウンの毛並みに黒い鬣の2歳牡馬で名前はまだない。


 正式な飼い主さんが付けるそうです。



 あれですよ。サラブレッドも生まれた頃は正式な名前を持っていなくて、幼名とかあったりなかったり……この農場では情がわくので付けないらしい。昔―ユーリがスッゴク大事にしていたひとが売られて引き取られて行くときに号泣したそうです。当時ユーリも7歳らしかったので仕方ないですよね。それから子煩悩なユーリのお父さんは幼名も付けないようにしてるみたいです。(アルテ談)


 強面だからって見た目で判断してはいけないんですね。ユーリのお父さん……見た目凄みがあるので初めは怖かった……。



 おっと、蛇足蛇足。




 ライトブラウンで黒い鬣の彼は仮名としてライトさんと呼ばれてます。はい、馬仲間の間だけです。


 そのライトさんですが……チャラい+デリカシーが無いです。私も小さいとか牝としての魅力に欠ける……とかとか、散々言われてます。それも黒居ないところで。


 何ですかね、彼は私に喧嘩を売りたいんでしょうか?安いなら買いますよ?一撃必殺のジャンピングのし掛かりをお見舞いしますよ?それと1歳に満たない子供に色気云々言われても無理ってもんですよ。



 特に私、種族的には小さい部類ですが、馬と比べると普通サイズですからね!?



 そこんところちゃんと理解してください(`Δ´)




『へぇ……あのチャラい奴……白にそんなことを言ったんだぁ……(後で厩舎裏庭来いやコラ…)』




「うわっ…ちょっと何で急に暴れるのぉぉ!?」


『さ、寒気が悪寒が……ヤバっ。何か邪悪なモノが……視線が痛い!突き刺さるゥゥゥ!!』




 

 その後そのライトさんは黒に厩舎裏に呼ばれたとか無いとか……。




 私たちは知らなかった……そう、私たちの危機は直ぐソコまで迫っていたことに。



 楽しさに忘れていた……





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