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グダグダが続きます。3
アルテ達の農場でお世話になってから約一ヶ月が経ちました。時が経つのは早いものです。
一ヶ月の間に色々ありました……。
黒がこの農場のボスに売られた喧嘩に勝ってしまい(不本意)新たなボスとして崇められたり。私は青リンゴを食べたり。
農作物を狙って襲ってきた魔物の大群をアルテとユーリとで協力して闘ったり……。私は後ろで応援しながら王林(黄色いリンゴを勝手に言ってます)を食べてたり。
その魔物の襲撃で破損した建物を直すためおじさん(ユーリのお父さん)の手伝いで木材調達や運搬を手伝ったり……。私は紅玉(真っ赤な小さめのリンゴ。イッパイなるのでセンナリとも言われてます)を口に咥えて……あれ? 私食べてばっかり……ちゃんと働いてますよ!
……ただ……黒もアルテ達も私に事ある事に食べ物(主にリンゴ)をすすめてくるので…いつも食べているだけですよ! 戦闘には全く参加させてもらえてませんけど……黒は心配性なのです。私だって……
私だって…闘えます……よ? 変な術を発動するかもですが……それはそれです。
私もチート種族ヘイムグルです。両親から受け継いだ力を使えます……よ?
え? ここに来る前の戦闘でそんなこと言ってなかった? はい。言ってませんね。
私も忘れてました。すっかり……うっかりうっかり。ごめんなさいお母様。白ったらうっかりしてました。落ち着いて考えると知識としては受け継がれてます。そういう種族なんでした……。
ここで少し説明を。魔物の中では比較的多くある特性……それは親から子への知識の譲渡……それは言葉ではなく血と共に代々受け継がれます。生まれながらに知識を刷り込まれてます。ですが、
そう、ですが……なんですよ。私は人間だった前世の記憶を持っています。それが今まで邪魔してました。あ、今の知識もその代々血の受け継がれた知識です。昔からあったようです人間から転生するの……悩んで損ですよ……リンゴが喉を通ら……無いことはなかったのですが、黒に嫌われないかと悩みましたよ。
あっと、前世の記憶が邪魔をしていたという話でしたね。このせいで私はヘイムグルとしては本当にヒヨコよりも未熟なタマゴでした…。
ちょっとお父様とお母様が過保護だと思っていましたが……もしかするとこの知識を持ってなかったせいなのかも知れませんね。あれはちょっと異常でしたし。
そんなわけで今はこの農場で普通の馬に装って生活しています……と、言いたいところなのですが。
黒と今までの行動を振り返ると、ヘイムグルを狙 密猟者に見つりそうな気がしてきたのです。特に黒は馬に見えるように術を掛けていますが……馬としても優秀で貴族から見たら涎ものなのだそうです。ユーリが染々と言ってました……そして釘を刺されましたとも…私もオマケで刺されましたとも。
私は不人気色の白なんですけどね……
「もう、白ってばボーッとしてリンゴ咥えたまま……」
「馬もアホ面ってあるんだな」
『ユーリ……後で厩の裏に来てね』
「おいっ、黒お前贔屓にも程があるだろ」
ユーリと黒は何かとぶつかり合ってますが、あれはあれで仲が良いのだと私は思っています。若干願望も含まれてますけど、強ち間違いでもなかったかもしれませんよ?
闘っているときなんかコンビネーションが良かったりしますし……あれ、これって同族嫌悪でしょうか?
『違うよ。ユーリとは同族でも、何でもないから……例えるなら水と油』
『あぁ、なるほど……あの、黒? 私口に出してました?』
『さあ?どうだろうね?』
黒は黒でした。お腹の中もまっ
『白?』
何でもないです。気にしないでください。
『そう?』
はい!
だから気にしないでください。
『そ、そうです! 今日は何をするんですか?昨日は壊れた柵の修理に使う木材を運びましたよね?』
『うん。昨日もそのまた一昨日もね。この農場の柵はみんな修理しないと……これでも8割は終わったらしいよ?』
は、8割……またあれだけやったのに8割しか終わってないのですか。どんだけ広いのですかこの農場!?
思わず顔が(゜д゜)になりましたよ。そしたら黒にクスリと笑われました……だって驚くでしょ?ね?
『白…また面白い顔してるよ?(可愛いなぁ)』
『なんですと(゜д゜)』
黒が指摘するのでまた(゜д゜)な顔をなってしまった……。そして黒はグルーミングを始めました……グルーミングって舐めたり毛並みを歯でカジカジしたりするんですよね~……人間の時にやったら変態さんですが、黒も私も馬(に見える魔物)ですからね。じゃれてる様にしか見えないのが救いですよね……
人間の姿でやったら……頭が爆発して茹で蛸に為ります。羞恥心で!!
黒から求愛されてますが……なんと言いますか……断っても……その、黒は諦めないようです。
『あ、白は見学ね。木材は重いから危ないし。木材の方が白より重いからね』
『見学…ですか?』
またですか。どんどけあなたは私に過保護なんですか……そこは呆れますよ? 父上に益々似てきましたね。
『白?俺は元々こんな性格だよ?』
“ねえ―――、俺はね―――の事が……”
あれ?前にも……こんなやり取りを……したような?
『ほら、ぼーっとしてる。だから危ないんだって』
“ほら、前見て――。また転ぶよ?全く目が話せないなぁ……”
『どうしたの?白?』
“ぼーっとしてるどうしたの?――?”
あぁ。前世での事ですね……この記憶は…私の大切な、所々欠けた記憶。思い出したいのに思い出せない記憶……
『あ、呼ばれてるみたい……白行こっか?』
『ふえ?……あぁ、はい。行きましょ、行きましょ♪』
また上の空でした……これが襲撃でもあったときなら大問題ですよね。気を付けないと。
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俺には守りたいものがあった。でも、守れなかった。それも二回とも……俺ってホントに無力だよな。
『黒は力持ちで良いですね……私なんて力はあれど体格が無いから…同じく体重も無いので……手伝えず面目ないです』
白はそう言っているけど、体重云々は俺のウソだからね。いくら木材が重くても白に勢いよく当たっても傷ひとつつかないよ。何せ頑丈だからね俺達の身体は。それに白でも小さめの馬位の大きさはあるから……そうだねぇ・・・ポニーは重たい物も運べるし、白でも手伝うことは出来るだろうね。
白を手伝わせないのは俺のエゴ…我が儘。
木材を運ぶために付ける馬具はソリに繋がっていてもしもの時瞬時に逃げられない。それに俺は黒だから………白には目もくれず俺を狙うだろう。
その内に白は逃げられる。
だから俺は白に馬具は着けさせない。アルテたちも白には乗せない、許さない。
顔もマトモに思い出せないけど、俺は今度こそ守りたい。
ねぇ?―――、俺に今度こそ守らせて?
例えそれが俺の犠牲の上に成り立っていたとしても……それが俺の罪滅ぼしになるなら……
何がなんでも守るから。今度こそ生きて……白




