番外編 ~クリスマスの過ごし方・白&黒編~前編・イブの過ごし方
注意!
この話は番外編です。ちょっと本編よりも未来の話です。そして、ちょっと弾けています。
今回はクリスマスイブと言うことで、各々の物語の主人公達はどんなイブを過ごすのか書いてみました。甘くないです。多分。
では、お目を汚すことになりそうになったらブラウザバックですよ?
私達の世界にはクリスマスに似たお祝いがあります。と言うよりもクリスマスそのものです。イエス・キリストの生誕でないだけでクリスマスは存在します。何ででしょう?
「フフフン……フフフン…フ、フフ、フフン♪」
鼻歌混じりに楽しそうにケーキに生クリームでデコレーションしているアルテの様子をキッチンの出口付近で見ています。皆さんこんにちは。白です。
今日はクリスマスイブ。ヘイムグルになってから初めてのクリスマスです。異世界にしかもヘイムグルに転生してクリスマスを祝えるなんて思いもよりませんでした。あ、私だってケーキ食べますよ?ヘイムグルはチート種族です。砂糖を摂っても害はありません。全て魔力に変換されます。基本燃費が悪いんですよね子供の時は……早く大人になりたい今日この頃です。
アルテのお母さんはリビングで飾り付けをしています。多分黒がお手伝いしてると思います。基本ヘイムグルは子馬でも身長は高いですからツリーの天辺にも口が届きますよ。私?私は届きません。むしろ役に立たないので大人しく邪魔にならないこの場所に居るのです……正直肩身が狭いです。
『うぅ~……何もお手伝い出来ません……』
大人のヘイムグルならチート的な力を駆使してお手伝いも出来たでしょう。しかし悔しいことに私はまだ子供、しかも力も満足に使えない赤ん坊の様なものです。無念……。
ま、お父様の様に大きすぎれば手伝うどころでは無いでしょうが、私は大きさだけはお母様譲りです。そこまで巨大では無いはず…。
『あの……アルテ?私も何か手伝い…たいなぁ?』
「あ、白はゆっくりしてなよ。今ケーキ出来るから……あ、残ったクリーム舐める?」
私の問いかけに笑顔で振り向きながらボールの中身の生クリームを見せながら私が手伝う云々の話を華麗にスルーした。
正直生クリームは魅惑的な提案でした。これって一回はやってみたかったのです。憧れでした。小学校低学年の時に同級生の友達が「お母さんがケーキを作ってくれて、余ったクリームを舐めるのがおいしい」と言っていたのです。私は孤児院出身です。親の顔も知りません。ましてやケーキを作ってくれる親なんて居ませんでした……アルテはお母さんって年齢じゃ無いですよね。
私は小さい頃は馬の事以外あまり関心がない変な子供でした。それを隠そうともしない私は大人から見たらとても変だったでしょう。里親は誰も名乗り出ませんでた。その後高校入学を皮切りに独り暮らしを始めたので、手作りケーキなど味わったことなど無かったのです。
だから内心ワクワク……
『え?いいんですか!?(ノ´∀`*)』
「うん、いいよ。残しても腐っちゃうし」
『ワーイ!ありがとうアルテ!!』
アルテに貰ったボールに残っているクリームに口を突っ込んだ……むふふ♪
『おいしぃぃ♪』
ケーキは前世でも食べましたが……こうやって摘まみ食い感覚で食べたことなんて無かったです。生クリーム最高♪
よく考えてみたら私はまだ乳離れしたばかりのお子ちゃまでした……そりゃ美味しいわけですよ。砂糖もプラスなのでより美味しく感じるのですね。
『あ!』
そこで私は気がつきました。『なにもしてないのに私だけ生クリームを摘まむのはどうなんでしょ?』と。貰ったのなら黒にもお裾分けしなければいけなかったのでは?むしろリビングにて飾り付けを手伝っている黒こそ食べる権利があったのでは……?
オーマイガッ!! やっちまいやした親分!いや、誰ですか親分って。
あぅぅぅ……これは素直に黒に謝りましょう。もう少ししか残ってないですし……あぅぅぅ
この時ばかりは自分の食いしん坊さに呆れてしまいました。
《はーい。ここはアルテの家・リビングだよ》
《なあ、この飾りはどこにつければいいんだ?》
《あ、それは壁につけてよ……セロハンで止めてね画鋲は壁に傷付くからダメだよ》
《了解だ》
ここはリビング……黒がせっせと手伝ってい現場です。私は生クリームを独り占めしてしまったことを謝ろうと思い、残り少なくなったボールを咥えてやって来ました。
あううあう……ど、どんな風に謝りましょう……
提案1
「ごめんなさい殆ど食べてしまいました…」
素直に話す。
提案2
「口が勝手に動いて……気がついたら半分以上無くなってました!」
言い訳を言ってみる。
提案3
「黒も食べますか?」
これが半分だと装う。
さて、どれにしましょうか……普通に考えたら一番ですよね。何しにここに来たのですかって話ですし……でも、許してくれるでしょうか?
《許すもなにも……ねえ?》
《その程度の事で黒は怒らない》
《寧ろ白ちゃんの口の回りに付いたクリームをペロペロすると思うよ。》
《……(ただの変態だろ…)》
『……――ろ、白……白!』
うぅぅぅ…でも、やっぱり素直が一番ですよね。うん。そうですよ。ちゃんと謝りましょう。あまりの美味しさに食べ過ぎましたって……
『白、俺を無視するなんて……(そんなプレイは嫌いだよ。どちらかと言えば焦らされるより焦らしたい…)』
『!Σ(゜Д゜)(ゾクゥゥゥ!)』
な、な、な、く、ろが…黒がもう目の前に居るではないですか!?
『ふぇ?!?!黒、いつの間に?!』
『ちょっと前から……どうしたの?ボールなんて持ったままで……』
私は覚悟を決めて正直にクリームを一人で殆ど食べてしまった事を白状しました。そしたら……
『なんだ、そんなこと?』
『私にとっては結構な問題でしたよ……嫌われないか……ちょっと心配でした』
『…………』
『黒?』
何かを考えているような黒に問いかけると…
『なら、そのボールのクリームは白が食べても良いよ』
『ふえ?どうしてですか?』
『俺はこっちを貰うから…』
そう言って黒は……黒は……わ、私の口付近に付いていたと思われるクリームを舐めて……な、舐めて―……
『うん。美味しい。ご馳走さま♪』
目をパチクリさせて放心している私を尻目にまた手伝いに戻っていきました……
人生でも、馬生でも、ファーストキスを取られました……
私が数時間黒をまともに見れなかったのは言うまでもない。特に鼻先辺りは真っ赤になっていたことでしょう。
~後編へ続く~
白ちゃんの唇を奪った黒ちゃん。確信犯です。
後編はクリスマス当日の話をお送りしたいと思います。




