No.34 〜another story〜
No.34 〜another story〜
10月10日 10:00
今日のヘリ担は緋山と名取と谷口だった。
藍沢「定時に帰れそうか?」
田中「うん」
藍沢「なら、駐車場で」
田中「わかった」
17:00
田中「お待たせ」
藍沢「行こう」
*****
藍沢の家
田中「ねぇ?」
藍沢「ん?」
田中「子供って可愛いね」
藍沢「そうだな」
田中「今日ね、小児科に用があって行ったら小児科病棟の子がすごく可愛くてね」
藍沢「つくるか?子供」
田中「つくりたい」
藍沢「お前は明日休みだよな」
田中「うん」
藍沢「俺は明日、午後からだから問題ないな」
そして、2人で愛し合った。
*****
それから2ヶ月後…
12月10日。救命医局
緋山「あんたどうしたの?」
田中「えっ?」
緋山「妊娠してたりする?」
田中「まさか…………笑……あ、」
緋山「ん?なに」
田中「きてない………」
緋山「後で検査しよ」
田中「うん」
結果は陽性。田中と藍沢は喜んだ。
藍沢「ありがとう」
田中「明日のカンファで言う?」
藍沢「そうだな」
橘「え〜、最後に田中から話がある」
田中「この度、子供が出来ました。なのでヘリを降りて内勤だけにさせてもらいます。よろしくお願いします」
藍沢「よろしく頼む」
藤川「田中、藍沢おめでと〜」
大野「おめでとうございます」
田中「ありがとう」
三井「予定は?」
田中「8月です」
三井「無理はしないでね」
田中「はい」
そして、いつものようにカンファが終わってみんながそれぞれの仕事に向かっていった。
橘「田中!」
田中「はい」
橘「内勤でもレントゲンとCT、MRIの患者は誰かに頼めよ」
田中「えっ?」
橘「お腹に子供がいるんだろ?」
田中「はい」
12月24日
クリスマスイブだ。
藍沢「おはよう」
田中「おはよう」
藍沢「はい」
私の夫である耕作が体温計を渡してきた。
田中「ありがとう」
藍沢「体調は?」
田中「ちょっと気持ち悪い」
藍沢「悪阻か」
田中「うん」
藍沢「そうか。何か食べれそうなのあるか?」
田中「冷たいコンスープとトマト」
藍沢「わかった。準備する。着替えてリビングに来てくれ」
田中「ありがとう」
藍沢「平気だ。食べれないのは辛いよな。ホントにダメそうなら言え。点滴してやる」
田中「うん」
そして、藍沢はすぐに朝食の準備をしに行った。
ーリビングー
藍沢はコンスープを作り、すぐに冷やして、トマトを8等分に切り分けた。
そして、自分用にパンにトマト、キャベツ、ハムをはさんでサンドイッチを作った。
そこに亜依がやってきた。
藍沢「出来たぞ」
田中「うん。いただきます」
亜依がトマトをフォークで食べていく。
藍沢はサンドイッチを食べている。
すると、不意に亜依が自分の方を見た。
田中「サンドイッチ?」
藍沢「あぁ」
田中「パン、まだある?」
藍沢「ある」
田中「どこに?」
藍沢「冷蔵庫の横」
田中がすぐにパックごと取ってきた。
それは、サンドイッチ用のパンだ。
コンスープにつけてパンを食べる。
田中「…」
藍沢「…」
田中「食べれる…」
藍沢「良かったな」
田中「うん」
久しぶりにしっかりとした物が食べれたのが嬉しかったのだろう。
亜依がニコッと笑った。
田中「耕作が作ったスープ、美味しい」
藍沢「持ってくか?パンも一緒に」
田中「うん」
藍沢「スープは専用の容器に入れておく。パンはどうする?」
田中「タッパーでいいよ」
藍沢「わかった」
そして、2人で通勤した。
医局での昼休み…
田中「…食べたい」
緋山「大丈夫?」
田中「朝はこれが食べれたの。今も食べたいけど、食べれない…」
そこに藍沢が来た。
藍沢「食べれそうにないか?」
田中がコクっと小さく頷く。
藍沢「無理はするな。何が食べれそうだ?」
田中「トマト」
藍沢「あー、それなら持ってきてる。冷蔵庫に入れてあるからちょっと待ってくれ」
藍沢が医局の端の冷蔵庫からトマトが入ったタッパーを持ってきた。
藍沢「食べれる分だけ食べろ。残ったらまた冷蔵庫に入れといてくれ」
田中「ありがとう」
藍沢「こっちは食べていいか?」
田中「そうして」
緋山「トマトは食べれるか。良かった」
田中「うん」
緋山「無理はダメだからね」
田中「はい」
そこに産婦人科からのコンサルが緋山のもとに入った。
緋山「コンサルきたから産科に行ってくる。藍沢、田中に点滴しといて。1時間のでいいから」
藍沢「わかった」
そして、緋山は行ってしまった。
お昼なのでこれからいろんな人が戻ってくるだろう。
藍沢「点滴取ってくるな」
田中「うん」
藍沢が素早くラインを取って点滴を始める。
藍沢「痛くないか?」
田中「平気。藍沢先生の全然痛くないよ」
藍沢「これくらい、研修医でも出来る。それにこれでも俺は救命医で脳外科医だ」
田中「そうね」
そこに三井が戻ってきた。
三井「お疲れ、大丈夫?」
藍沢「お疲れ様です」
田中「お疲れ様です。トマトしか食べられないので点滴もしてます」
三井「そっか。頑張れ!」
そこに黒田と橘、名取が戻ってきた。
黒田「お、悪阻か」
橘「お疲れ」
2人「お疲れ様です」
名取「お疲れ様です」
2人「お疲れ」
今井、横峯が戻ってきた。
2人「お疲れ様です」
みんな「お疲れ」
藤川、大野が戻ってきた。
藤川「お疲れ様です」
大野「お疲れ様です」
みんな「お疲れ様」
大野「悪阻ですか」
田中「うん」
藤川「藍沢!」
藍沢「なんだ」
亜依「なに?」
藤川「あー、耕作の方」
田中「なんだ、私じゃないの?」
藤川「お前、いま、からかったな〜!」
田中「ふふっ、事実だもん」
藤川「ここ医局だそ?」
田中「休憩中だし」
みんな「ハハハハハハッ」
そこに、優輔が現れた。
優輔「お父さん?お母さん?」
橘「おぉ。優輔、こっちだ!」
優輔「こんにちは」
そう言いながら2人のもとへと歩いていく。
優輔「あ、トマト」
田中「1つ食べる?」
優輔「いいんですか?」
田中「どうぞ」
優輔「貧血ですか?」
田中「あぁ、点滴?」
優輔がコクっと頷く。
田中「悪阻であんまり食べれないから」
優輔「え、トマトは食べれるんですか」
田中「うん」
優輔「貰っちゃった…」
田中「いいの。1人で食べるより楽しいじゃない?」
藍沢に隣にいた緋山が耳打ちする。
緋山「田中らしいわね」
藍沢「あぁ」
優輔が橘と三井の方へ歩いていく。
橘「進んだか?勉強」
優輔「うん」
三井「そう。ピアノの方は?」
優輔「今日の分はこれからやってくる」
三井「そう」
橘と三井のあいだで優輔が昼食を食べ始めた。




