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ドクターヘリ救急救命  作者: 零
Another story
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No.33 〜another story〜

No.33 〜another story〜


4月8日 19:00

あの事故から1週間。

藍沢はまだ目が覚めない。


田中「耕作。もう1週間。貴方が目覚めないから私はずっとICU担当なの。そろそろヘリにも乗りたいな。貴方と一緒に」



田中が思わず藍沢のモニターを見る。

と、呼吸状態を示すグラフに変化が生じた。大きな波形が続けざまに表れたのだ。


田中「耕作!耕作!」


藍沢がゆっくりと目を開けた。


田中は思わず涙を流した。

すると、ICUにいた橘、黒田、今井が田中の声に駆けつけた。



黒田「藍沢!」

橘「藍沢!」

今井「藍沢先生!」



目が覚めた藍沢を見て橘が言った。


橘「西条か新海を呼んでくる」


橘の言葉に藍沢は目礼した。


橘「今井」


今井「呼んできます」


今井が走っていく。


橘「マスクに変えるな?」


そして、挿管されていた管が抜かれ、代わりにマスクをつけられた。


黒田「起きるのが遅すぎだ」




*****



その頃、脳外に新海と西条を呼びに行った今井はすぐに来てくれるという2人と共に救命に急いでいた。


病院の廊下を今井を先頭に西条と新海が走っている。


周りを歩いているスタッフは急患か?と思いながらメンバーがメンバーなので声をかけない。


ICUに入ると…



西条「藍沢!」

新海「藍沢!」


入り口近くのベットの藍沢を見て2人が声をかける。


藍沢「ここはICUです。もう少し静かに」


2人はハッとして、すぐに謝った。



西条「すまない」

新海「悪い」


西条「だが、その様子だと問題なさそうだな。良かった」


新海「詳しい検査は明日だ」


藍沢「あぁ」



そんな話をしていると、ICUに三井、緋山、藤川、名取、横峯、大野、谷口、海棠、島、神城、増本が集まった。



黒田「全員、集まったな」


橘「藍沢は明日検査だ」


黒田「とりあえず目が覚めた。当直じゃない奴と家族が入院してるやつ以外は今日は帰れよ」


黒田の言葉でみんなが医局に戻っていく。


残ったのは橘、三井、緋山、藤川、田中、大野だった。



田中「バカ!」


藍沢に向けて田中が言った。

藍沢は田中に言われて目を丸くしている。


田中「でも、目が覚めてよかった」


藍沢「…」


緋山「あんたも罪な男だよね。1週間も起きないなんて」


藍沢「1週間?」


三井「そうよ。あれから1週間経ってる」


藍沢「あ、あの場にいた人はどうなった」


田中「あなたのお陰で黄色と緑。貴方が叫んで声掛けしたから助かった」


橘「黒が出なかったのは奇跡だ」


藍沢「よかった」


田中「ホントに良かった…」


藍沢「お疲れ様」


田中「うん」




藍沢と田中を残してみんなICUから出ていった。




*****



優輔の病室


優輔「おかえり」


橘「ただいま」

三井「ただいま」


優輔「もしかして。藍沢先生、目覚めた?」


橘「あぁ。さっき目覚めた」


優輔「そっか。良かった」


三井「何で知ってるの?」


優輔「さっき、新海先生と西条先生が全速力でそこよ廊下を走ってた。それにお父さんとお母さんの『ただいま』が元気そうだった」


橘「そっか。お前も心配してたんだな」


優輔「うん。憧れてる人の1人だからね」


三井「憧れの人なの?」


優輔「僕は救命の人はみんな憧れてるよ。それから西条先生と新海先生と井上先生も」


橘「なんでた?」


優輔「患者のことを思ってくれる。どんなときも。でも、それだけじゃなくて、人としてちゃんとした心を持ってて、優しくて。とにかく、憧れる」


三井「そっか…」


橘「優輔は将来何になるんだ?」


優輔「僕はフライトドクター」


三井「えっ?」

橘「そうなのか?」


優輔「うん」


三井「そっかぁ〜。楽しみだな」


橘「そうだな」


三井「優輔のスクラブ姿みたいな〜」


橘「きっと似合うな」


優輔「お父さん」


橘「ん?」


優輔「明後日、スクラブ貸して」


橘「何するんだ?」


優輔「藍沢先生見に行く」


橘「あぁ、わかった。1枚貸す。一緒に朝行こう」


優輔「ありがとう」




*****



4月9日 14:00


橘のところに藍沢と田中が検査結果を報告しに来ていた。


橘「そうか、大丈夫か」


藍沢「はい」


橘「明日からは地上勤務な」


藍沢「はい」




*****




4月10日 08:00


藍沢は病棟から救命へと歩いていた。

その前を橘先生が歩いていた。

隣にいるのは誰だろう?



そう思いながら、藍沢は少し後ろを歩いていた。


エレベーターに乗る時に、2人が乗ったので…


藍沢「あ、橘先生!待ってください!」


橘がすぐに開くのボタンを押してくれた。



藍沢「おはようございます」


橘「おはよう。どうだ?体調は」


藍沢「だいぶいいです」


橘「そうか、だってよ」


橘は隣のスクラブを着た人に言った。


藍沢「優輔くん?」


優輔「おはようございます」


藍沢「おはよう」


優輔「良かった」


藍沢「どうして、スクラブで?」


優輔「服が家だから」


藍沢「なるほど。俺ので良ければTシャツと黒のジャージの下が救命にあるけど着る?」


優輔「えっ?ホントに!」


橘「いいのか?お前のは?」


藍沢「2着置いてあるんで大丈夫です」


橘「どうする?優輔」


優輔「借りたい」


藍沢「わかった。行こう」



救命に入ると優輔が橘のスクラブを着ていたのでやっぱり驚かれた。


そして、藍沢が優輔に服を渡した。


優輔「ありがとうございます」


藤川「着替えてきなよ」


優輔「はい」



そして、優輔が藍沢の服を着替えてきた。当直用の服なので無地の黒のジャージに上は英文字が印字されたものだった『I believe in future.』と書かれていた。


優輔「どうかな?」


橘「似合ってる」


緋山「いいんじゃない?」


三井「いい感じ」


優輔「お借りします」


藍沢「あぁ」



みんながICUやらHCUを見に行った。


藍沢と優輔が取り残された。


藍沢「スクラブも似合ってたぞ」


優輔「ホントに?」


藍沢「あぁ」


優輔「僕ね。フライトドクターになりたいんだ」


藍沢「なれるんじゃないか?」


優輔「だから頑張る」


藍沢「頑張れ」




それから半年。

レジデントは帰って言った。

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