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ドクターヘリ救急救命  作者: 零
Another story
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No.32 〜another story〜

No.32 〜another story〜


ヘリが戻ってきた。

すぐに初療室に運ばれてきた。



運ばれてきたのは挿管され、ガーゼパッキングを施され、頭を固定されたスクラブ姿の男性。



藍沢先生だ。




藍沢先生のフライトジャケットは田中先生が持っている。



西条「準備はしてある。CTとMRI行って、手術室運んでくれ」


田中「はい」

新海「わかりました」





そして、CTとMRIを終えて手術室に運ばれていく。




脳外としての執刀は新海先生、それ以外の執刀は田中先生だ。



一応、別々の手術ということになってはいるが、脳外が終わり次第すぐに外科手術が始まった。





8時間かかると思われていた手術は2人の医者の素晴らしいスキルによって6時間で終わったのであった。






*****





手術が終わってすぐ、藍沢はICUに運ばれた。



4月1日 23:00


橘と三井がICUの前の廊下を通るとICUの藍沢ベットの隣に緑の手術用のスクラブを着たままの田中がいた。


三井「田中…」


橘「スクラブ着たままだな」


三井「ほっといたら、あの子今日寝なそうね」


橘「そうだな」


三井「どうやって寝かせる?」


橘「…」

三井「…」



そこに聞きなれた声が聞こえてきた。



黒田「どうした?2人して黙ってICUをみて」


橘「黒田先生!」


三井「悩んでるんです」


黒田「何をだ」


「どうやって、あいつを(あの子を)寝かせるか(です)」


黒田「そういうことか」


橘「はい」


黒田「簡単だろ」


三井「えっ?」


黒田「藍沢が起きた時にせいぜいその顔であいつを心配にさせるようなことが無いようにしろよ。あいつはお前のメイクを見破るのが上手いからなぁ。………以上だ」


三井「黒田先生、お願いしていいですか」


黒田「俺がか?」


三井「それでも仮眠室に行きそうになかったら、私と橘で行きますから」


黒田「わかった」




そう言うと、田中のところへ黒田は歩いていった。




黒田「バイタルはどうだ」


田中「安定してます」


黒田「そうか」


田中「はい」


黒田「お前も寝ろよ」


田中「えっ?」


黒田「お前はフライトドクターだろ?目の下にクマが酷い状態で患者を見れば患者も不安がる。それは避けろ」


田中「はい」



そして、黒田はICUを出ていった。


黒田「こんなもんでいいか?」


橘「はい」


三井「ありがとうございます」


黒田「確率は」


橘「確率は70%程だと田中が」


黒田「そうか」


三井「起きますよね?もう一度」


黒田「あいつは絶対起きるよ。それは俺が保証する」


三井「はい」


黒田「お前達も寝ろよ?」


2人「はい」



そして、今度は2人が藍沢のもとへ訪れた。


三井「田中?」


田中「あ、お疲れ様です」


橘「お疲れ」


三井「着替えておいで、2人でここにいるから」


田中「えっ?」


三井「いつまでもそれでいられないでしょ?当直用のに着替えておいで」


田中「…わかりました」


そして、数分後。田中が戻ってきた。

当直用の部屋着を着ている。


田中「すみません」


三井「ううん」


橘「藍沢が起きた時にあいつを心配にさせるようなことが無いようにしろよ。あいつはお前のメイクを見破るのが上手いからな」


田中「えっ…」


三井「知ってる?貴方が家に強制的に帰されたのはほとんどが藍沢の仕業なのよ?」


田中「ウソ…」


橘「『橘先生、田中のクマが酷いんで家にあいつを帰した方がいいと思います』ってな俺はお前のメイクを見破れなかったけどあいつは昔から見破ってたぞ?」


田中「嘘でしょ?」


橘「まぁ、見破れるのはお前と三井のだけみたいだな。まぁ、緋山は徹夜をしないし、冴島は藍沢の前に藤川が見抜くからな」


三井「メイクで隠すのもいいけど限界もある。それに今日は貴方にとって色々大変だった。寝てきな。それか、隣のベットで寝るか」


田中「でも…」


橘「田中」


三井「これは命令。黒田先生と私とこの人からの」


田中「じゃあ…」


橘「隣で寝るんだろ?」


田中「いいんですか?」


三井「良くなかったら提案しない」


田中「ありがとう、ございます」


三井「あ、優輔のこと、見てきてくれない?」


橘「わかった」



そして、橘がICUから出ていく。



すると、田中が泣き出した。


田中「うぅっ…、スッスッ。うっ…。すみません…」


三井「泣いていいわよ。辛いよね」


三井は田中の背中をさすりながら言った。


田中「何で、ですかね。藍沢先生ばっかり…」


三井「うん…。そうね。でも、藍沢が起きたら藍沢のこと褒めてあげてね?」


田中「私が?」


目を潤ませながら田中は何故?っという眼差しで三井のことを見つめた。


三井「そう。貴方が。藍沢が声をかけなかったら、もっと赤が出てたし、黒が出てもおかしくなかった。でも、藍沢が叫んだから、黒が出ずに済んだ。ってレスキューの人が言ってた。それを1番知ってるのは貴方でしょ? 目が覚めたら、伝えてあげて」


田中「はい…」


三井「ちゃんと寝なよ?今日の当直は貴方じゃなくて、私と今井なんだから」


田中「はい」


三井「ほら、ベットに入って」


田中「はい…」


そして、ベットに入ると田中と藍沢のベットの間に座って、田中のことを㌧、㌧と子供を寝かしつけるようにし始めた。


疲れた田中はその気持ちよさに抗えず、眠りについてしまった。




医局に戻ると今井と橘がいた。


三井「優輔、寝てた?」


橘「いや、今寝かしつけてきた。そっちは」


三井「私も、今寝かしつけたところ」


今井「藍沢先生、どうですかね?」


橘「あいつは起きるよ。絶対。ただ…」


三井「田中がもつかな?」


今井「えっ?田中先生、どこか悪いんですか?」


三井「悪くない。けど、2回目なんだよね。田中にとって」


橘「そうだな」


三井「ねぇ」


橘「どうした?」


三井「田中さ、朝のカンファに出たあと、ICU担当ってことにしない?藍沢が起きるまで」


橘「フッ。そうだな。明日、黒田先生と相談しよう」


三井「うん」


今井「何でそうなるんですか?」


橘「ICU担当にすればずっと居れるだろ?藍沢の隣に」


三井「しかも出勤扱いだしね」


今井「なるほど…」






4月2日 6:00


救命の医局


橘「おはようございます」

三井「おはようございます」


黒田「おはよう」


橘「あの黒田先生」


黒田「なんだ」


橘「田中をICU担当にしてもらえませんか?」


黒田「藍沢が目覚めるまでか」


橘「はい」


黒田「わかった」



そして、朝のカンファレンス


黒田「今日のヘリは名取、谷口、緋山だ。それから今日のICU担当は田中だ」


橘「藍沢はバイタルは安定してるが目が覚めない。他に質問は」


田中「私がICU担当なんですか?昨日までのだとコールだったと思うんですが」


黒田「変更にした。藍沢が目覚めるまでお前はICUの絶対担当だ」


田中「えっ?」


黒田「まぁ、どうしても人が足りなかったら初療室に来てもらうかもしれない」


田中「わかりました」


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