No.11 〜another story〜
ドクターヘリ緊急救命No.11
〜another story〜
次の日
6:30a.m.
2人は共に出勤した。
昨日の当直はフェローの3人
2人が医局につくと3人がそれぞれ書類整理をしたり、医学書を読んだり、症例報告を読んだりしていた。
藍沢「おはよう」
3人「おはようございます」
田中「昨日はどうだった」
名取「何も起こりませんでした」
藍沢「お前達、寝てきていいぞ」
横峯「えっ…」
藍沢「寝てないんだろ?その顔は」
横峯「…はい」
田中「3人とも寝ておいで?私達いるから」
名取「でも…」
今井「いいんですか?」
藍沢「行ってこい。でないとヘリに乗せないぞ」
3人「はい!」
今井と横峯は走って仮眠室に行ってしまった。
名取「あ、昨日のショックの方、昨日の夜に1度気がつかれました。たまたまICUに来ていらっしゃった西条先生が診てくださって特に問題は無かったんですが、朝目覚められたらもう1度確認をお願いします」
田中「わかった」
藍沢「あぁ」
名取「じゃあ、自分も仮眠室行ってきます。お願いします」
そして、スタッフルームは二人になってしまった。
藍沢「亜依」
田中「ん?」
藍沢「初めてだ」
田中「何が?」
藍沢「名取から引き継ぎらしい引き継ぎをされたの」
田中「あぁ、そうか。名取先生があぁなったのは藍沢先生がトロントに行く少し前からよ。緋山先生に言われてね」
藍沢「そうなのか?」
田中「緋山先生がね『腕は昔の藍沢にだいぶ近いのに藍沢と違って引き継ぎの仕方がめちゃくちゃ。もっとまとめてから言ってくれない?』ってね」
藍沢「それで?」
田中「次の日から名取先生の報告の仕方が藍沢先生とほぼ同じになった」
藍沢「あいつが?」
田中「ほら、名取先生って緋山先生のこと、すごく慕ってるから嫌われたくなかったんじゃない?」
藍沢「なるほど」
田中「藍沢先生はいつも冷静よね。例え何年も救命を離れてても」
藍沢「いや、そうじゃない。患者の前ではいつも内心ハラハラしてる。次に何が起こるか、判断はあっているか、処置は正しいか。いつも考えてる。」
田中「えっ…」
藍沢「どうした?」
田中「なんだか意外。そんな事考えてるんだね」
藍沢「あぁ。お前は?」
田中「患者さんの前で?」
藍沢「あぁ」
田中「藍沢先と同じだよ。診断はこれであってるかな?指示はあってるかなって?処置はこれでいいのかなって。でも患者さんのところに行く前は、無線で状態聞いて、最悪の状態を想像しながら行ってる。まぁ、顔には出さないように藍沢先生のポーカーフェイスを真似してるけど」
藍沢「!?」
田中「藍沢先生は?ヘリで現場に行く時何考えてるの?」
藍沢「俺も最悪の状態を想像する。それから、スタッフの状態も見るな。俺を含めて」
田中「どういうこと?」
藍沢「顔色、走り方、声のトーンを気にする。あぁ、あとフェローは瞳孔の開き具合、呼吸数も見れれば見る。」
田中「どれだけ動揺してるかってこと?」
藍沢「そうだな。それもあるが、ただたんに体調がいつもと違わないかって方が大きいな」
田中「私もそうしよ。」
藍沢「お前は、指揮官をする時何を考えてるんだ?」
田中「うーん。その時はみんなが安全に処置できるようにとか、患者をスムーズに処置搬送できるようにとか、情報をしっかり集約しようとかかな。」
藍沢「そうか」
田中「あとは…救える命は絶対救ってって思ってる」
藍沢「田中?」
田中「だって私は指揮官をしてる以上、対策本部にいることが多い。周りは赤もいるけど黄色や緑がほとんど。私も医者だけど私が赤をたくさん見てたら現場が回らないから」
藍沢「そうだな。だが、お前が情報を集約してくれるおかげで俺達は処置に集中できる」
田中「そう?」
藍沢「あぁ。それから、これは俺個人的にはなんだが…」
田中「なに?」
藍沢「お前のいる現場は安心するし、自分らしい処置を患者にできる」
田中「そうなの?」
藍沢「何が起きても頼れる恋人がいるからな」
田中「私もだよ」
藍沢「今日は落ち着いてるといいな」
田中「うん」




