No.2 〜another story〜
ドクターヘリ緊急救命No.2
〜another story〜
そして、あの日から1年がたった。
今日は藍沢がトロントから帰ってくる日だ。
朝から救命の医局はその話で持ちきりだ。
藤川「今日だったよな。藍沢が戻ってくるの」
緋山「あぁ。確かそうね」
そこに田中が来た。
緋山「田中。今日だったよね、藍沢」
田中「うん。さっき連絡があった昼ぐらいにはこっちに来れるって」
藤川「久しぶりだな。どんな顔してんだろ」
大野「きっと藍沢先生らしい顔よ」
藤川「だよな。痩せてそ」
緋山「確かに、あいつは何かにハマってると痩せるもんね」
田中「うん」
そこに橘と三井、黒田が入ってきた。
4人「おはようございます」
橘と三井「おはよう」
黒田「おはよう」
黒田「今日だったな。藍沢」
田中「はい。昼にはこっちに来ると、さっき連絡がありました」
橘「そうか。一年ぶりだな」
三井「スキルはきっと上がってる」
橘「あぁ」
そこにフェローの3人と谷口が現れたので、救命の朝のカンファレンスが始まった。
そして、11時頃…
ホットラインがなった。
田中「こちら翔南救命センター」
消防「成田空港、国際線到着ロビーで30代男性、心停止の患者です。今、患者と同じ便に乗っていた医師の方が処置を施してますが応援を頼んでくれと。」
田中「わかりました。向かいます」
そして、田中・名取・谷口がヘリに乗り込んだ。
梶「田中先生、現場まで8分だ」
田中「わかりました」
そして、田中は現場の救急隊に無線で呼びかけた。
田中「こちら翔南ドクターヘリ、患者状況教えてください」
救急隊「心停止していましたが、もちなおしました。バイタルも安定してます」
田中「わかりました。あの、診ている先生は何科の先生ですか」
救急隊「えっと、さっきお聞きした時は今は救命にいるけど脳外科でもあると」
田中「わかりました。その方の指示でそのまま治療を続けてください。我々が到着し次第、その方と交代します」
救急隊「はい」
そして、空港に到着し田中・名取・谷口が走る。
その先には処置を施す男性医師がいた
田中はその医師を見てハッとした。
その医師が田中に気がつき、田中は思わず声をかける。
田中「藍沢先生!」
その医師も声をかける。
藍沢「田中。今さっき日本に戻った」
田中「うん。おかえり」
そして、田中が患者に目を向ける。
それに気づき、藍沢が患者の状況を伝える。
藍沢「心停止したが輸液とエピでもちなおした。バイタルは安定してるが常に気をくばってくれ」
田中「わかった」
藍沢「入国審査が終わったらすぐに行く。なんかあったら頼む」
田中「わかった。行こう」
そして、田中と谷口が走り出す。
名取「この人の所持品」
藍沢「俺がキャリーバッグとか何もかも受け取ってそっちに行く。お前は田中や谷口と翔南に戻れ」
名取「はい!」
そして、藍沢は入国審査を終え、先ほどの男性が運ばれた病院の医師であることを伝え、男性の荷物と自分の荷物を受け取り、翔南救命センターの医局に着いたところだった。
田中「おかえり」
田中がすぐに迎えてくれた。
藍沢「あぁ。ただいま。これ、さっきの男性のだ」
田中「ありがとう」
藍沢「あぁ」
そして、田中の隣にいた名取が藍沢から男性の荷物を受け取り、ICUに向かった。
藍沢「西条先生に報告書を出してくる」
田中「わかった」
そして、藍沢は救命の医局を出ていった。
そして、脳外科の部長室に入るとそこには西条と新海がいた。
藍沢「報告書です」
西条「ご苦労だった」
藍沢「いえ」
西条「来月からのトロント大のレジデントは新海が行く」
藍沢「そうですか」
西条「その間は救命にコンサルするかもしれない。頼むぞ」
藍沢「わかりました」
新海「これ、参考にさせて貰う」
新海は藍沢の報告書を手にしていた。
藍沢「あぁ」
その時、藍沢の私用のiPhoneか鳴った。
藍沢「はい」
田中「藍沢先生?腸管損傷の患者が来る」
藍沢「わかった」
そして、藍沢は西条と新海に言った。
藍沢「救命に患者が来るので失礼します。コンサルはヘリの中じゃなかったら行きます」
それだけ言うと藍沢はスーツ姿のまま、脳外科の部長室を飛び出した。
そして、その姿のまま初療室に入る。
そこには今井、黒田、橘、田中がいた。
藍沢「すみません。遅くなりました」
藍沢が手を洗いながら言った。
橘「おかえり」
三井「待ってたわ」
黒田「帰国そうそう心停止の患者を診たんだってな」
藍沢「はい」
そこにヘリポートに迎えに行っていた田中とヘリに乗っていた緋山、名取、大野が腸管損傷の患者を連れて戻ってきた。
名取「腸管損傷です。パッキングしました」
田中「意識レベル3桁」
黒田「藍沢、オペ室の空きは?」
藍沢「脳外のオペ室取れました」
黒田「行こう。藍沢は残って藤川達のヘリを頼む。三井、一緒に頼む」
三井「わかった」
藍沢「わかりました」
そして、三井、黒田、名取、大野は行ってしまった。
そして、橘が藍沢に尋ねた。
橘「トロントはどうだった」
藍沢「面白かったですよ。勉強もできた。けど、ヘリに乗ってる方が俺は良いですね。」
橘「どうして」
藍沢「救命っていうチームの方が俺は俺らしく治療ができる」
橘「そうか」
藍沢「田中」
田中「何?」
藍沢「これからも居ていいか?」
田中「もちろん。宜しくね」
藍沢「あぁ」
そこに、ヘリから連絡がきた。
横峯「こちら翔南ドクターヘリ、患者情報伝えます」
そして、藍沢、田中はヘリポートに走った。
走りながら2人は話していた。
藍沢「久しぶりだな。この道も」
田中「あなたはそうね。1年ぶりに走って転ばないでね」
藍沢「大丈夫だ。トロント大でも救命からのコンサルは俺が行ってた」
田中「何で?」
藍沢「ホットラインに反応するのが俺が一番早かったんだ」
田中「あっ、それって条件反射で電話を取っちゃうんでしょ?」
藍沢「あぁ。最初は何回か『はい、翔南救命センター』とか『はい。脳外科医局です』って言いそうになったよ」
田中「ホントに?」
その頃には、もうヘリポートに着いていた。
2人の視界にドクターヘリが入ってくる。
藍沢「でも、ドクターヘリを見るのは久しぶりだ」
田中「懐かしい?」
藍沢「あぁ。」
田中「そっか。その服のままで良かったの?」
藍沢「仕方ないだろ?スクラブ、お前の家だし」
田中「…藍沢先生のスクラブ、持ってきたよ。」
藍沢「えっ…」
田中「私のロッカーに入ってるからあとで渡すね」
藍沢「あぁ。助かる」
田中「うん」
藍沢「今日は何時に上がれそうだ?」
田中「18時には上がれると思う」
藍沢「そうか。なら、お前の家に1回寄って、ご飯に行かないか?」
田中「良いよ。たまにはフレンチがいいな」
藍沢「了解。予約しとく。じゃあ、仕事が終わったら医局で」
田中「了解」
そして、ヘリが着陸して藤川、横峯、谷口が患者とともに降りてきた。
横峯「藍沢先生?!」
藍沢「久しぶりだな」
横峯「はい!」
藤川「この患者、骨盤骨折だ。それから」
横峯「頭部外傷があります」
田中「わかった」
藍沢「了解」
そして、初療室で藍沢が脳を診始め、治療を始める。
藤川と田中が骨盤骨折の処置をする間に藍沢は脳の治療を終えた。
すると、藤川が1年前のように聞いてきた。
藤川「藍沢、あとどれくらいかかる?」
藍沢「もう、終わってる」
田中「ウソ…」
横峯「凄い…」
藤川「腕は確実に上げてきたってことか。了解。こっちも終わった。ICUに運ぶ」
藍沢「あぁ」
そして、藤川先生と横峯先生がICUに患者を運んでいった。
そして、この日の患者はこの人物が最後だった。




