表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移したら刀鍛冶だった。気づけば英雄になり、最後は創造神になっていた件  作者: バモス
鍛冶革命編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
83/155

第三十四話 盗賊団のアジト

 森の最奥部――。


◇◇◇


 ビルセイヤたちは鬱蒼と茂る木々の陰から、盗賊団の拠点を観察していた。


◇◇◇


 崖の陰に巧妙に隠された巨大な洞窟。


◇◇◇


 周囲には粗末ながらも見張り台が設置され、武装した男たちが巡回している。


◇◇◇


 焚き火の煙。


◇◇◇


 乱雑に積み上げられた木箱。


◇◇◇


 数台の荷車。


◇◇◇


 そして腰に剣や斧を提げた荒くれ者たち。


◇◇◇


 間違いなかった。


◇◇◇


 ここが盗賊団の本拠地である。


◇◇◇


「思っていた以上に規模が大きいな」


◇◇◇


 ツバサが小声で呟いた。


◇◇◇


 目視できるだけでも二十人以上。


◇◇◇


 洞窟内部にもまだいるだろう。


◇◇◇


 総数は三十人を超えるかもしれない。


◇◇◇


「完全に組織化されてるわね」


◇◇◇


 セシリアが眉をひそめる。


◇◇◇


 ただの盗賊の集まりではない。


◇◇◇


 統率が取れている。


◇◇◇


 まともに正面から突っ込めば乱戦になるだろう。


◇◇◇


 数の暴力は侮れない。


◇◇◇


「どうする?」


◇◇◇


 エミリアが静かに尋ねた。


◇◇◇


 自然と全員の視線がビルセイヤへ向く。


◇◇◇


 本人にその自覚はない。


◇◇◇


 だがいつの間にか皆が彼を中心に動くようになっていた。


◇◇◇


 ビルセイヤはしばらく敵陣を見つめる。


◇◇◇


 見張りの配置。


◇◇◇


 巡回経路。


◇◇◇


 洞窟の入口。


◇◇◇


 そして退路。


◇◇◇


 全てを頭の中で整理する。


◇◇◇


「見張りから潰そう」


◇◇◇


 出した結論は堅実だった。


◇◇◇


「騒ぎになる前に少しでも数を減らす」


◇◇◇


「こちらには奇襲の優位がある」


◇◇◇


 無理に突撃する必要はない。


◇◇◇


 有利な状況を作ってから戦えばいい。


◇◇◇


「俺とツバサで見張りを処理する」


◇◇◇


「セシリアは援護」


◇◇◇


「エミリアは魔法待機」


◇◇◇


「リリアは後方で待機だ」


◇◇◇


「はい!」


◇◇◇


 リリアが力強く頷いた。


◇◇◇


 戦闘はできない。


◇◇◇


 だが自分の役割は理解している。


◇◇◇


 仲間たちが安心して戦えるよう支えること。


◇◇◇


 それも大切な仕事だった。


◇◇◇


 作戦開始。


◇◇◇


 ビルセイヤとツバサが静かに動く。


◇◇◇


 草を踏む音すら立てない。


◇◇◇


 気配を消しながら見張り台へ近付く。


◇◇◇


 盗賊たちは気付かない。


◇◇◇


 油断している。


◇◇◇


 ここまで追跡されるとは思っていないのだろう。


◇◇◇


 見張り台の下。


◇◇◇


 ビルセイヤが目で合図を送る。


◇◇◇


 ツバサが小さく頷いた。


◇◇◇


 三。


◇◇◇


 二。


◇◇◇


 一。


◇◇◇


 同時に飛び出す。


◇◇◇


 ズバッ!


◇◇◇


 ビルセイヤの剣が閃いた。


◇◇◇


 一人目の盗賊が何もできず倒れる。


◇◇◇


 ほぼ同時。


◇◇◇


 ツバサの日本刀も抜き放たれた。


◇◇◇


 スパンッ――


◇◇◇


 鋭く、美しい斬撃。


◇◇◇


 まるで空気を切るような感覚だった。


◇◇◇


 盗賊が崩れ落ちる。


◇◇◇


 ビルセイヤが思わず笑った。


◇◇◇


「いい斬れ味だな」


◇◇◇


「誰のおかげだと思ってる」


◇◇◇


 ツバサも口元を緩める。


◇◇◇


 愛刀は絶好調だった。


◇◇◇


 しかし。


◇◇◇


 奇襲は永遠には続かない。


◇◇◇


 一人の盗賊がこちらへ振り返った。


◇◇◇


「おい、何やって――」


◇◇◇


 言葉が止まる。


◇◇◇


 仲間たちが倒れている。


◇◇◇


 状況を理解した瞬間だった。


◇◇◇


「敵襲だぁぁぁぁぁっ!!」


◇◇◇


 叫び声が森に響く。


◇◇◇


 しまった。


◇◇◇


 そう思った時には遅かった。


◇◇◇


 洞窟内部が騒がしくなる。


◇◇◇


 足音。


◇◇◇


 怒号。


◇◇◇


 武器を掴む音。


◇◇◇


 次々と盗賊たちが飛び出してきた。


◇◇◇


「やっぱりこうなるか」


◇◇◇


 ツバサが苦笑しながら刀を構える。


◇◇◇


 ビルセイヤも剣を抜いた。


◇◇◇


 三十人近い敵。


◇◇◇


 普通なら恐怖する数だ。


◇◇◇


 だが誰一人として怯んでいない。


◇◇◇


 セシリアが前へ出る。


◇◇◇


 エミリアが杖を構える。


◇◇◇


 後方ではリリアが回復薬の準備を始めていた。


◇◇◇


「行くぞ」


◇◇◇


 ビルセイヤが言う。


◇◇◇


「おう!」


◇◇◇


 ツバサが応える。


◇◇◇


 次の瞬間。


◇◇◇


 盗賊団討伐戦が始まった。


◇◇◇


 一方その頃――。


◇◇◇


 洞窟のさらに奥。


◇◇◇


 薄暗い牢の中で、一人の少女が顔を上げた。


◇◇◇


 外から聞こえる怒号。


◇◇◇


 剣戟の音。


◇◇◇


 悲鳴。


◇◇◇


 何かが起きている。


◇◇◇


 震える手で胸元を押さえる。


◇◇◇


 心臓が激しく鼓動していた。


◇◇◇


 もしかしたら。


◇◇◇


 もしかしたら――。


◇◇◇


 誰かが助けに来てくれたのかもしれない。


◇◇◇


 絶望の中で消えかけていた希望。


◇◇◇


 その小さな灯火が再び胸の中に灯る。


◇◇◇


 そして少女はまだ知らない。


◇◇◇


 これから出会う青年が、自分の運命を大きく変えることを。


◇◇◇


 ビルセイヤとの出会いが、人生の転機になることを。


第二章 第三十四話


「盗賊団のアジト」


――続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ