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異世界転移したら刀鍛冶だった。気づけば英雄になり、最後は創造神になっていた件  作者: バモス
第二章 鍛冶革命編

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第六話 街道の盗賊団

 運命の歯車が回り始めた翌日――。


 ビルセイヤたちは、ギルバートの商人馬車と共に街道を進んでいた。


 本来なら別行動の予定だった。

 だが、ギルバートが強引に提案したのである。


「目的地は同じですぞ!」


「一緒に行った方が楽しいですぞ!」


 その勢いに押し切られた結果――。


 商人馬車一台。

 護衛冒険者二人。

 そして、ビルセイヤたち三人。


 小規模な隊商が完成していた。


「本当に賑やかになりましたね」


 エミリアが苦笑する。


「良いことですぞ!」


 ギルバートは朝から上機嫌だった。


 昨夜からずっと機嫌が良い。


 新商品の話。

 商会の未来。

 王国規模の販路。


 そんな夢のある話を、延々と語り続けている。


「まずは包丁ですな!」


「次に農具!」


「その後に武器です!」


「順番が逆じゃないですか?」


 セシリアが呆れたように言う。


 だが、ギルバートは真顔だった。


「包丁の方が売れるのです!」


 実に商人らしい発想である。


 そんな会話をしていた時だった。


 ビルセイヤが、ふいに足を止めた。


「どうしました?」


 セシリアが尋ねる。


 ビルセイヤは街道脇の森へ視線を向けたまま、短く答えた。


「人の気配がする」


 その一言で、空気が変わる。


 護衛冒険者たちも、即座に武器へ手を掛けた。


「何人です?」


「十人以上」


 ビルセイヤの声は落ち着いていた。


 だが、その言葉を聞いた瞬間、ギルバートの顔色が変わる。


「まさか……」


 その瞬間だった。


「止まれぇぇぇぇ!!」


 怒号と共に、森から男たちが飛び出してきた。


 十数名。


 剣や斧、棍棒を手にしている。

 服装はばらばらで統一感もない。


 だが、一目で分かった。


 盗賊だ。


「金目の物を置いていけ!」


「命までは取らねぇ!」


 先頭に立つ、頭らしき男が叫ぶ。


 ギルバートが青ざめた顔で小さく呟いた。


「本当に出ましたぞ……」


 昨日、話に出ていた盗賊団である。


 恐ろしい偶然だった。


 いや――ある意味では必然かもしれない。

 盗賊が出没する街道を、今まさに通っているのだから。


「どうします?」


 エミリアが尋ねる。


 答えるまでもなかった。


 セシリアが迷いなく剣を抜く。


「決まっています」


 鞘から抜かれた剣が、陽光を鋭く反射した。


 そして彼女は、にやりと笑う。


「返り討ちです」


 盗賊たちが一瞬たじろぐ。


 だが、すぐに下卑た笑みを浮かべた。


 数では自分たちが勝っている。

 そう思っているのだろう。


「おいおい、女までいるじゃねぇか」


「運が良かったなぁ?」


「まとめていただいてやるよ!」


 下卑た笑い声が響く。


 セシリアの額に青筋が浮かんだ。


 エミリアの目も、すっと冷たくなる。


 そして――。


 ビルセイヤが一歩前へ出た。


「最後に聞く」


 静かな声だった。


 だが、その場の空気を変えるには十分な重みがあった。


「降参するなら今だ」


 一瞬。


 盗賊たちはきょとんとした顔になる。


 そして次の瞬間――。


 大爆笑した。


「聞いたかお前ら!」


「冒険者が脅してきたぞ!」


「たった三人で、俺たちを相手になぁ!」


 笑い声が響く。


 誰も気付いていなかった。


 目の前にいるのが――


 オークロードを討伐し、

 フォレスト・キングを倒し、

 王都で名を上げた冒険者たちだということに。


 ビルセイヤは小さくため息を吐いた。


「そうか」


 ゆっくりと剣を抜く。


 鋼が陽光を受けて、鋭く輝いた。


「なら仕方ない」


 盗賊団。


 対するは、王都を騒がせた冒険者たち。


 勝負の行方は――始まる前から決まっていた。


――続く。

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