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異世界転移したら刀鍛冶だった。気づけば英雄になり、最後は創造神になっていた件  作者: バモス
第一章 冒険者への第一歩編

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第四十話 王城への登城

 翌朝――。


 王都アルティアは快晴だった。


◇◇◇


 宿の窓から差し込む朝日を浴びながら、ビルセイヤは静かに外を眺めていた。


◇◇◇


 石畳の大通り。


 忙しそうに働く人々。


 活気に満ちた王都の朝。


◇◇◇


 そして遠くには、白亜の王城が堂々とそびえ立っている。


◇◇◇


 今日は国王との謁見の日だった。


◇◇◇


「緊張してますか?」


◇◇◇


 朝食の席でセシリアが尋ねる。


◇◇◇


「いや?」


◇◇◇


 ビルセイヤは首を傾げた。


◇◇◇


「そうですか……」


◇◇◇


 セシリアは微妙な表情になる。


◇◇◇


 自分は緊張している。


 かなり緊張している。


◇◇◇


 エミリアも同じだった。


◇◇◇


 相手は国王。


 この国の頂点に立つ人物だ。


◇◇◇


 普通なら緊張して当然である。


◇◇◇


「ビルセイヤさんは本当に大物ですね」


◇◇◇


 エミリアが苦笑した。


◇◇◇


「そうか?」


◇◇◇


「そうですよ」


◇◇◇


 二人の声が綺麗に重なった。


◇◇◇


 その直後。


◇◇◇


 宿の外から馬車の音が聞こえてくる。


◇◇◇


 迎えが来たらしい。


◇◇◇


 三人が外へ出ると、一台の豪華な馬車が停まっていた。


◇◇◇


 王家の紋章入り。


◇◇◇


 誰が見ても王族関係者の馬車だと分かる。


◇◇◇


「お迎えに参りました」


◇◇◇


 執事服を着た男性が恭しく頭を下げた。


◇◇◇


 三人は馬車へ乗り込む。


◇◇◇


 王城への道中。


◇◇◇


 セシリアは窓の外ばかり見ていた。


◇◇◇


 落ち着かないのだろう。


◇◇◇


 エミリアも静かに深呼吸を繰り返している。


◇◇◇


 一方で。


◇◇◇


「この城壁の継ぎ目の処理は見事だな」


◇◇◇


 ビルセイヤは建築技術を観察していた。


◇◇◇


「本当にぶれませんね……」


◇◇◇


 セシリアが呆れる。


◇◇◇


 もはや通常運転だった。


◇◇◇


 やがて馬車は王城へ到着する。


◇◇◇


 巨大な白亜の城。


◇◇◇


 青空へ向かって伸びる塔。


 広大な庭園。


 美しい噴水。


◇◇◇


 まるで絵本の世界のような光景だった。


◇◇◇


「凄い……」


◇◇◇


 セシリアが思わず声を漏らす。


◇◇◇


「綺麗ですね」


◇◇◇


 エミリアも感嘆していた。


◇◇◇


 ビルセイヤも素直に感心する。


◇◇◇


「職人たちの技術の結晶だな」


◇◇◇


「やっぱりそこなんですね」


◇◇◇


 もはや誰も驚かない。


◇◇◇


 三人は案内役に連れられ城内へ入る。


◇◇◇


 豪華な廊下。


 柔らかな赤い絨毯。


 壁に飾られた芸術品。


◇◇◇


 王都の豊かさが随所に表れていた。


◇◇◇


 辺境育ちのセシリアにとっては別世界である。


◇◇◇


 しばらく歩いた後。


◇◇◇


 案内役が一枚の大きな扉の前で立ち止まった。


◇◇◇


「こちらでございます」


◇◇◇


 重厚な木製の扉。


◇◇◇


 その向こうが謁見室だった。


◇◇◇


 セシリアの喉がごくりと鳴る。


◇◇◇


 エミリアも緊張した表情を浮かべていた。


◇◇◇


 しかし。


◇◇◇


 ビルセイヤだけはいつも通りだった。


◇◇◇


 コンコン。


◇◇◇


 案内役が扉を叩く。


◇◇◇


「ビルセイヤ様御一行をお連れしました」


◇◇◇


「入れ」


◇◇◇


 低く威厳ある声が響く。


◇◇◇


 ゆっくりと扉が開かれた。


◇◇◇


 三人は中へ足を踏み入れる。


◇◇◇


 広い。


◇◇◇


 それが最初の感想だった。


◇◇◇


 赤い絨毯が真っ直ぐ伸びている。


 左右には騎士たち。


 高い天井。


 荘厳な空気。


◇◇◇


 そして正面。


◇◇◇


 玉座に座る一人の男。


◇◇◇


 ライオット・アルティア。


◇◇◇


 アルティア王国国王である。


◇◇◇


 堂々たる体格。


 鋭い眼光。


 歴戦の戦士を思わせる風格。


◇◇◇


 王としての威厳が全身から滲み出ていた。


◇◇◇


 その隣には第一王妃ミリア。


 第二王妃シズク。


◇◇◇


 さらに。


◇◇◇


 王太子ウィル。


 第一王女シリス。


 第二王女アイリス。


◇◇◇


 王族たちも列席している。


◇◇◇


 アイリスは静かに微笑みながらビルセイヤを見つめていた。


◇◇◇


「面を上げよ」


◇◇◇


 ライオットが告げる。


◇◇◇


 三人は顔を上げた。


◇◇◇


 ライオットはビルセイヤを見る。


◇◇◇


 数秒。


◇◇◇


 沈黙が続いた。


◇◇◇


 そして。


◇◇◇


「なるほど」


◇◇◇


 小さく呟く。


◇◇◇


「面白い若者だ」


◇◇◇


 その言葉に周囲が僅かにざわめいた。


◇◇◇


 国王が最初に発した言葉がそれだったからだ。


◇◇◇


 だがライオットには分かっていた。


◇◇◇


 目の前の青年は普通ではない。


◇◇◇


 強者特有の落ち着き。


◇◇◇


 そして何より。


◇◇◇


 王を前にしても怯えていない。


◇◇◇


 無礼ではない。


 しかし必要以上に畏怖もしていない。


◇◇◇


 それが興味深かった。


◇◇◇


「ビルセイヤよ」


◇◇◇


「はい」


◇◇◇


「そなたに聞きたいことがある」


◇◇◇


 謁見室の空気が引き締まる。


◇◇◇


 王の問い。


◇◇◇


 それは単なる雑談ではない。


◇◇◇


 この国の未来。


 そしてビルセイヤ自身の未来にも関わる重要な話になるのだった。


第一章 第四十一話


「王城への登城」


――続く。

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