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異世界転移したら刀鍛冶だった。気づけば英雄になり、最後は創造神になっていた件  作者: バモス
鍛冶革命編

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第六十五話 森の王との激闘

 オーガス西部――。


 古代遺跡へ続く深い森。


◇◇◇


 クラン【ホーム】の前に立ちはだかるのは、森の頂点に君臨する巨大な魔物。


◇◇◇


 ブラックベアロード。


◇◇◇


 身長五メートルを超える漆黒の巨熊。


◇◇◇


 鋼鉄のような筋肉。


◇◇◇


 血のように赤い瞳。


◇◇◇


 そして首には蛇の紋章が刻まれた黒い首輪。


◇◇◇


 さらに、その背後には数十体もの魔物が控えていた。


◇◇◇


 フォレストウルフ。


◇◇◇


 フォレストエイプ。


◇◇◇


 ジャイアントボア。


◇◇◇


 全てが首輪によって支配されている。


◇◇◇


 まるで森そのものが敵になったかのようだった。


◇◇◇


「グオオオオオオオオオッ!!」


◇◇◇


 ブラックベアロードの咆哮が森を揺らす。


◇◇◇


 木々が震え、小鳥たちが一斉に飛び立った。


◇◇◇


 そして、それを合図に魔物たちが動く。


◇◇◇


「来るぞ!」


◇◇◇


 ビルセイヤが叫んだ。


◇◇◇


「セシリアは右側の群れを!」


◇◇◇


「任せて!」


◇◇◇


「エミリアは後方支援!」


◇◇◇


「はい!」


◇◇◇


「ツバサ!」


◇◇◇


 呼ばれたツバサは口元を吊り上げる。


◇◇◇


「ブラックベアロードだな?」


◇◇◇


「頼む」


◇◇◇


「了解」


◇◇◇


 次の瞬間。


◇◇◇


 戦闘が始まった。


◇◇◇


 セシリアは右側から迫るフォレストウルフの群れへ飛び込む。


◇◇◇


 剣閃。


◇◇◇


 一体。


◇◇◇


 二体。


◇◇◇


 三体。


◇◇◇


 無駄のない連撃で次々と敵を切り伏せる。


◇◇◇


「邪魔よ!」


◇◇◇


 Bランク冒険者として積み重ねてきた実力。


◇◇◇


 その剣は確実に魔物たちを屠っていく。


◇◇◇


 一方。


◇◇◇


「ウィンド・カッター!」


◇◇◇


 エミリアの魔法が炸裂した。


◇◇◇


 風の刃がジャイアントボアの群れを切り裂く。


◇◇◇


 さらに。


◇◇◇


「アイス・ランス!」


◇◇◇


 巨大な氷槍が地面を抉りながら突き進む。


◇◇◇


 轟音と共に魔物たちが吹き飛んだ。


◇◇◇


 後衛とは思えない制圧力だった。


◇◇◇


 その間に。


◇◇◇


 ビルセイヤとツバサはブラックベアロードへ向かう。


◇◇◇


「グルルルルル……」


◇◇◇


 赤い瞳が二人を捉える。


◇◇◇


 そこには獣以上の知性が感じられた。


◇◇◇


「完全に操り人形ってわけじゃなさそうだな」


◇◇◇


 ツバサが呟く。


◇◇◇


「判断能力が残ってる」


◇◇◇


 ビルセイヤも同意した。


◇◇◇


 だからこそ危険だ。


◇◇◇


 力だけではない。


◇◇◇


 戦い方を理解している。


◇◇◇


 その時。


◇◇◇


 ブラックベアロードが地面を蹴った。


◇◇◇


 ドォォォォォン!!


◇◇◇


 大地が砕ける。


◇◇◇


 巨体とは思えない速度で突進してきた。


◇◇◇


「速い!」


◇◇◇


 セシリアが驚愕する。


◇◇◇


 しかし。


◇◇◇


 ビルセイヤは冷静だった。


◇◇◇


 半歩。


◇◇◇


 わずかに身体をずらす。


◇◇◇


 巨大な爪が空を切る。


◇◇◇


 その瞬間。


◇◇◇


 反撃。


◇◇◇


 ズバッ!


◇◇◇


 肩口へ斬撃を叩き込む。


◇◇◇


 鮮血が飛び散った。


◇◇◇


 だが。


◇◇◇


「浅いか」


◇◇◇


 毛皮が硬すぎる。


◇◇◇


 筋肉も異常なほど発達している。


◇◇◇


 通常の斬撃では致命傷にならない。


◇◇◇


「なら俺だな」


◇◇◇


 ツバサが前へ出た。


◇◇◇


 日本刀を静かに鞘へ納める。


◇◇◇


 腰を落とす。


◇◇◇


 呼吸を整える。


◇◇◇


 居合の構え。


◇◇◇


 周囲の空気が張り詰めた。


◇◇◇


 ブラックベアロードも危険を察したのか警戒する。


◇◇◇


 だが遅い。


◇◇◇


 キィィィィン!!


◇◇◇


 神速の抜刀。


◇◇◇


 一筋の銀光が走る。


◇◇◇


 次の瞬間。


◇◇◇


 ブラックベアロードの前脚から鮮血が噴き出した。


◇◇◇


「グオオオオオッ!?」


◇◇◇


 巨体が大きくよろめく。


◇◇◇


 ツバサが笑った。


◇◇◇


「やっぱりな」


◇◇◇


「関節部は通る」


◇◇◇


 毛皮と筋肉は硬い。


◇◇◇


 だが関節までは守れない。


◇◇◇


 そこが弱点だった。


◇◇◇


 ビルセイヤとツバサの視線が交わる。


◇◇◇


 長い付き合いだ。


◇◇◇


 言葉はいらない。


◇◇◇


 ツバサが再び刀を納める。


◇◇◇


 ブラックベアロードの意識がツバサへ向く。


◇◇◇


 居合を警戒したのだ。


◇◇◇


 その瞬間。


◇◇◇


 ビルセイヤが駆ける。


◇◇◇


 一直線に。


◇◇◇


 首元へ。


◇◇◇


 狙うのは黒い首輪。


◇◇◇


 蛇の牙の証だ。


◇◇◇


「今だ!」


◇◇◇


 ツバサが抜く。


◇◇◇


 キィィィィン!!


◇◇◇


 居合一閃。


◇◇◇


 前脚が深く切り裂かれる。


◇◇◇


 ブラックベアロードの体勢が崩れた。


◇◇◇


 その一瞬。


◇◇◇


 ビルセイヤの剣が閃く。


◇◇◇


 ズバァァァァッ!!


◇◇◇


 黒い首輪が真っ二つになる。


◇◇◇


 続けて首筋へ深い斬撃が走った。


◇◇◇


「グオオオオオオオオッ!!」


◇◇◇


 断末魔。


◇◇◇


 森全体が震える。


◇◇◇


 そして。


◇◇◇


 ドォォォォォン!!


◇◇◇


 巨体が大地へ倒れ伏した。


◇◇◇


 森の王。


◇◇◇


 ブラックベアロード討伐。


◇◇◇


 その瞬間だった。


◇◇◇


 支配されていた魔物たちの動きが止まる。


◇◇◇


 フォレストウルフたちが戸惑うように辺りを見回した。


◇◇◇


 そして。


◇◇◇


 一斉に森の奥へ逃げ去っていく。


◇◇◇


 支配が解けたのだ。


◇◇◇


「終わった……」


◇◇◇


 セシリアが安堵の息を吐く。


◇◇◇


 だが。


◇◇◇


 ビルセイヤはブラックベアロードの亡骸へ歩み寄っていた。


◇◇◇


 砕けた首輪。


◇◇◇


 その中から黒い金属片が転がり落ちる。


◇◇◇


「やっぱりあるか」


◇◇◇


 慎重に拾い上げる。


◇◇◇


 そこに刻まれていた文字を見た瞬間。


◇◇◇


 全員の表情が変わった。


◇◇◇


『最終鍵、解放準備完了』


◇◇◇


 重い沈黙が流れる。


◇◇◇


 第三段階。


◇◇◇


 最終鍵。


◇◇◇


 計画は確実に終盤へ進んでいる。


◇◇◇


 古代遺跡は近い。


◇◇◇


 だがそれは同時に、蛇の牙の黒幕との決戦が近いことを意味していた。


◇◇◇


 ビルセイヤは森の奥を見つめる。


◇◇◇


 古代遺跡。


◇◇◇


 その先に待つ真実を暴くため、一行は再び歩き始めるのだった。


第二章 第六十五話


「森の王との激闘」


――続く。

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