第六十五話 森の王との激闘
オーガス西部――。
古代遺跡へ続く深い森。
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クラン【ホーム】の前に立ちはだかるのは、森の頂点に君臨する巨大な魔物。
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ブラックベアロード。
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身長五メートルを超える漆黒の巨熊。
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鋼鉄のような筋肉。
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血のように赤い瞳。
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そして首には蛇の紋章が刻まれた黒い首輪。
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さらに、その背後には数十体もの魔物が控えていた。
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フォレストウルフ。
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フォレストエイプ。
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ジャイアントボア。
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全てが首輪によって支配されている。
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まるで森そのものが敵になったかのようだった。
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「グオオオオオオオオオッ!!」
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ブラックベアロードの咆哮が森を揺らす。
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木々が震え、小鳥たちが一斉に飛び立った。
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そして、それを合図に魔物たちが動く。
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「来るぞ!」
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ビルセイヤが叫んだ。
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「セシリアは右側の群れを!」
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「任せて!」
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「エミリアは後方支援!」
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「はい!」
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「ツバサ!」
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呼ばれたツバサは口元を吊り上げる。
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「ブラックベアロードだな?」
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「頼む」
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「了解」
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次の瞬間。
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戦闘が始まった。
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セシリアは右側から迫るフォレストウルフの群れへ飛び込む。
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剣閃。
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一体。
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二体。
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三体。
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無駄のない連撃で次々と敵を切り伏せる。
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「邪魔よ!」
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Bランク冒険者として積み重ねてきた実力。
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その剣は確実に魔物たちを屠っていく。
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一方。
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「ウィンド・カッター!」
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エミリアの魔法が炸裂した。
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風の刃がジャイアントボアの群れを切り裂く。
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さらに。
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「アイス・ランス!」
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巨大な氷槍が地面を抉りながら突き進む。
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轟音と共に魔物たちが吹き飛んだ。
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後衛とは思えない制圧力だった。
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その間に。
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ビルセイヤとツバサはブラックベアロードへ向かう。
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「グルルルルル……」
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赤い瞳が二人を捉える。
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そこには獣以上の知性が感じられた。
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「完全に操り人形ってわけじゃなさそうだな」
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ツバサが呟く。
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「判断能力が残ってる」
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ビルセイヤも同意した。
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だからこそ危険だ。
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力だけではない。
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戦い方を理解している。
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その時。
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ブラックベアロードが地面を蹴った。
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ドォォォォォン!!
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大地が砕ける。
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巨体とは思えない速度で突進してきた。
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「速い!」
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セシリアが驚愕する。
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しかし。
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ビルセイヤは冷静だった。
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半歩。
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わずかに身体をずらす。
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巨大な爪が空を切る。
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その瞬間。
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反撃。
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ズバッ!
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肩口へ斬撃を叩き込む。
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鮮血が飛び散った。
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だが。
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「浅いか」
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毛皮が硬すぎる。
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筋肉も異常なほど発達している。
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通常の斬撃では致命傷にならない。
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「なら俺だな」
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ツバサが前へ出た。
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日本刀を静かに鞘へ納める。
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腰を落とす。
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呼吸を整える。
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居合の構え。
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周囲の空気が張り詰めた。
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ブラックベアロードも危険を察したのか警戒する。
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だが遅い。
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キィィィィン!!
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神速の抜刀。
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一筋の銀光が走る。
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次の瞬間。
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ブラックベアロードの前脚から鮮血が噴き出した。
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「グオオオオオッ!?」
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巨体が大きくよろめく。
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ツバサが笑った。
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「やっぱりな」
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「関節部は通る」
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毛皮と筋肉は硬い。
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だが関節までは守れない。
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そこが弱点だった。
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ビルセイヤとツバサの視線が交わる。
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長い付き合いだ。
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言葉はいらない。
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ツバサが再び刀を納める。
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ブラックベアロードの意識がツバサへ向く。
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居合を警戒したのだ。
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その瞬間。
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ビルセイヤが駆ける。
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一直線に。
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首元へ。
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狙うのは黒い首輪。
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蛇の牙の証だ。
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「今だ!」
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ツバサが抜く。
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キィィィィン!!
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居合一閃。
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前脚が深く切り裂かれる。
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ブラックベアロードの体勢が崩れた。
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その一瞬。
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ビルセイヤの剣が閃く。
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ズバァァァァッ!!
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黒い首輪が真っ二つになる。
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続けて首筋へ深い斬撃が走った。
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「グオオオオオオオオッ!!」
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断末魔。
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森全体が震える。
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そして。
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ドォォォォォン!!
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巨体が大地へ倒れ伏した。
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森の王。
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ブラックベアロード討伐。
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その瞬間だった。
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支配されていた魔物たちの動きが止まる。
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フォレストウルフたちが戸惑うように辺りを見回した。
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そして。
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一斉に森の奥へ逃げ去っていく。
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支配が解けたのだ。
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「終わった……」
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セシリアが安堵の息を吐く。
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だが。
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ビルセイヤはブラックベアロードの亡骸へ歩み寄っていた。
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砕けた首輪。
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その中から黒い金属片が転がり落ちる。
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「やっぱりあるか」
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慎重に拾い上げる。
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そこに刻まれていた文字を見た瞬間。
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全員の表情が変わった。
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『最終鍵、解放準備完了』
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重い沈黙が流れる。
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第三段階。
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最終鍵。
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計画は確実に終盤へ進んでいる。
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古代遺跡は近い。
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だがそれは同時に、蛇の牙の黒幕との決戦が近いことを意味していた。
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ビルセイヤは森の奥を見つめる。
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古代遺跡。
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その先に待つ真実を暴くため、一行は再び歩き始めるのだった。
第二章 第六十五話
「森の王との激闘」
――続く。




