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第二十八話『選択』(改訂版 ver.2.00)

LEVEL七から――LEVEL十へ。


《石角羊》との一件で、ニールが経験したものは想像以上に大きなものでした。


そしてLEVEL十といえば、以前カイルが《槍術Ⅰ》を得た節目。


ただし、ニールの場合は少し違うようで……。


ベルトさんが告げたのは、


『――選択』


しかも出てきたのは、なぜか妙にカッコいい名前の二つの仕組み。


《ブレイブスキル》

《レジェンダリースキル》


普通に技能じゃダメだったんでしょうか。


第二章 第二十八話『選択』


ニールが初めて、自分自身で「これから育てる力」を選びます。


楽しんでいただけましたら、ぜひブックマーク・評価で応援していただけると嬉しいです!

 LEVEL十。


 何度確認しても、間違いなかった。


 《石角羊》との一件の前、俺はLEVEL七だった。


 それが――十。


 一気に三つ上がっている。


 そして、腰のベルトさんが告げた言葉。


『――選択』


 以前にも聞いた。


 カイルがLEVEL十になり、《槍術Ⅰ》という技能を得た時だ。


 あの時、俺は聞いた。


 俺もLEVEL十になったら技能を得られるのか。


 ベルトさんは答えた。


『――肯定』


 さらに。


 俺の場合は――選べる、と。


「…………」


 俺は腰のベルトさんを見下ろした。


「つまり」


『――待機』


「まだ何も聞いてない!」


 昨日から、少しだけ言葉が増えた。


 嬉しい。


 嬉しいんだけど。


「……なんか腹立つな」


『――回答不能』


「絶対ちょっと分かってるだろ、お前」


 青い光が、小さく瞬いた。


     ◇ ◇ ◇


「LEVEL十になった!」


 ラグナードの冒険者ギルド。


 朝食を食べていたハリトとミーナの前に駆け込むと、二人が同時にこっちを見た。


「……朝からうるさい」


「三つだぞ!? 一気に三つ上がったんだぞ!」


「それ、ここに来るまでに四回聞いた」


「じゃあ五回目だ! LEVEL十になった!」


「増やせばいいわけじゃないよ」


 ハリトが呆れたように笑う。


 少し遅れてやってきたシロナにも報告すると、さすがに驚いた顔をした。


「LEVEL七から十、ですか」


「うん。やっぱり三十七匹倒したからかな?」


「単純に討伐数だけが理由とは考えにくいですね」


 シロナはすぐに否定した。


「LEVELは、倒した魔物の数を示すものではありません。ニールさん自身、これまで戦闘以外でも成長してきたでしょう?」


「あ、そっか」


「今回の経験が、極端に大きかったのは間違いないと思いますが」


 ハリトが続ける。


「三十七匹の《石角羊》と戦って、限界を超えて身体を動かして、魔力も使った。《緊急生存補助》まで発動した」


「ニールが知らない剣の使い方もしてたよね」


 ミーナの言葉に、俺は少しだけ黙った。


 あの時の身体の動き。


 俺のはずなのに、俺の知らない剣技。


 知らない魔力の扱い方。


 そして。


『――仲間に、剣を向けるな』


 あの声。


「短時間に、普通ではあり得ないほど多くの経験をした。その結果と考える方が自然でしょう」


 シロナが言った。


「ただし、同じことをすれば、また三つ上がるという意味ではありません」


「分かってるって」


「本当に?」


「分かってる!」


「《緊急生存補助》をもう一回使えばLEVEL上がるかも、とか考えてない?」


「…………ちょっとだけ」


「ニール」


「嘘! 考えてない!」


「今、間があったよね」


「ありません!」


 ミーナとハリトが笑う。


 シロナだけは笑っていなかった。


「次に同じことが起きた場合、三日で目覚める保証はありませんよ?」


「……はい」


 これは素直に聞いておこう。


「それより!」


 俺は腰のベルトさんを指差した。


「LEVEL十になったから、技能を選べるらしい」


「選べる?」


 ハリトが首を傾げる。


「前にカイルが《槍術Ⅰ》を覚えた時、ベルトさんが言ってただろ?」


 カイルは技能を選んでいなかった。


 それまで積み重ねてきた経験から、《槍術Ⅰ》が自然に成立した。


 でも。


 俺は違う。


「ベルトさん。俺、技能を選べるんだよな?」


『――肯定』


「カイルは選べなかったよな?」


『――肯定』


「じゃあ、なんで俺は選べる?」


 少し間が空いた。


『――勇者』


「……勇者だから?」


『――肯定』


「ずるくない?」


 ミーナが言った。


「俺に言うなよ!」


「でも、普通の人は、それまでの経験から技能が決まるんでしょう?」


 ハリトが考え込む。


「カイルなら、ずっと槍を使ってきたから《槍術Ⅰ》になった。でもニールは、その中から選べる」


「そういうことなのかな」


「聞いてみてはいかがですか?」


 シロナが言った。


「そうだな。ベルトさん」


『――待機』


「その待機、便利だな……」


 俺は気を取り直す。


「俺は、何を選べる?」


 青い光が灯った。


 そして、一つの意味が流れ込んでくる。


『――ブレイブスキル』


「…………」


 俺は黙った。


「何て?」


 ミーナが聞く。


「……《ブレイブスキル》」


「…………」


 ミーナも黙った。


 ハリトが首を傾げる。


「普通に《技能》じゃないの?」


「俺も今そう思った」


「急に格好よくなったね」


「なんでそこだけそんな名前なんだよ、ベルトさん」


『――回答不能』


「自分でも分かんないの!?」


 ミーナが吹き出した。


「でも、ブレイブって勇者って意味だよね?」


「たぶん。勇者専用ってことかな」


『――肯定』


「そこは分かるのかよ!」


 なんだこれ。


 普通の技能じゃ駄目なのか。


 勇者になると名前まで格好よくしなきゃいけない決まりでもあるんだろうか。


「じゃあ、それを一つ選べるってこと?」


『――肯定』


「なるほど」


 これなら分かる。


 ところが。


 ベルトさんはまだ続けた。


『――レジェンダリースキル』


「…………」


 俺たちは、また黙った。


「……何て?」


 今度はハリトが聞いた。


「《レジェンダリースキル》」


「さっきより格好よくなった」


「だよな!?」


「伝説の技能、という意味でしょうか」


 シロナが言う。


「たぶん」


 俺は腰を見る。


「ベルトさん、なんで普通に《伝説技能》じゃ駄目なの?」


『――回答不能』


「また!?」


「名付けた人の趣味なんじゃない?」


 ミーナが言った。


「五百年前の人、絶対こういう名前好きだっただろ」


「ニールも好きそうだけど」


「…………嫌いじゃない」


「ほら」


「でも口に出すとちょっと恥ずかしい!」


「そこなんだ」


 ハリトが笑った。


「で」


 俺は咳払いする。


「《ブレイブスキル》と《レジェンダリースキル》。どっちかを選ぶの?」


『――否定』


「じゃあ、両方?」


『――肯定』


「…………」


「二つ!?」


『――肯定』


「やっぱり勇者ずるい!」


「だから俺に言うなって!」


     ◇ ◇ ◇


 何が起きるか分からないので、俺たちはギルドの訓練場へ移動した。


「まずは……《ブレイブスキル》から」


 言ってみる。


「…………」


「どうしたの?」


「やっぱちょっと恥ずかしい」


「さっき格好いいって言ってたじゃん」


「格好いいのと、自分で言うのは別なんだよ!」


 ミーナには分からないらしい。


 俺はベルトさんへ触れる。


「どうやって選ぶ?」


『――候補――検索』


 青い光が淡く広がった。


『――経験――参照』


「経験?」


『――肯定』


 その瞬間。


 これまでの経験が、身体の奥を通り過ぎていくような感覚がした。


 剣を振った。


 走った。


 避けた。


 魔法を使った。


 仲間と戦った。


 誰かを守ろうとした。


 失敗した。


 逃げた。


 また立ち上がった。


 その全部から、一つの方向が浮かび上がる。


 速く。


 前へ。


 ただ真っ直ぐ走るだけじゃない。


 敵との間合いへ。


 仲間のところへ。


 必要な場所へ。


 自分の意思で駆ける。


《ブレイブスキル――候補》


《蒼駆Ⅰ》


「……《蒼駆》」


 名前と一緒に、意味が伝わってくる。


 魔力を身体の動きへ変え、一時的に移動能力を高める力。


 ただ速く走るだけじゃない。


 踏み込み。


 加速。


 方向転換。


 間合い。


 戦いの中で、自分の身体を必要な場所へ運ぶ。


「なんか……俺っぽいな」


「そう?」


 ハリトが聞く。


「俺、結局いつも走ってる気がする」


「考えるより先にね」


「考えてるって!」


「考えながら走ってる?」


「……最近は」


「前よりはね」


「なんでちょっと甘くなった!?」


 俺はもう一度《蒼駆》へ意識を向けた。


「これ、成長するの?」


『――肯定』


《蒼駆Ⅰ》


《成長段階――Ⅰ/Ⅹ》


「十まであるのか」


「十になったら?」


 ミーナが聞いた。


「ベルトさん。《蒼駆Ⅹ》まで育てたらどうなる?」


 少し間が空く。


『――技能定着』


「定着?」


『――常時補助――移行』


 シロナが反応した。


「意識して発動する技能から、常に身体を補助する技能へ変化するのでしょうか」


「パッシブスキルになるってこと?」


『――肯定』


「おお!」


 今は、自分で発動する。


 でも。


 十まで育てれば。


 それが俺自身の動きとして定着する。


 いちいち使おうと考えなくても、踏み込みや加速、間合いの取り方を自然に助けてくれる。


「いいな、これ」


「他の候補は?」


 ハリトに聞かれて、俺はベルトさんを見る。


「他にもある?」


『――肯定』


「見られる?」


『――肯定』


「じゃあ――」


 言いかけて。


 やめた。


「いや。いいや」


「見なくていいの?」


「うん」


 必要な場所へ。


 自分の意思で駆ける。


 なんとなく。


 これがいい。


「俺、《蒼駆》にする」


 誰かに決められたわけじゃない。


 勇者だから与えられたわけでもない。


 俺が選ぶ。


 青い光が強くなった。


《選択――確認》


《ブレイブスキル――《蒼駆Ⅰ》》


《取得》


 身体の奥へ、新しい感覚が馴染んでいく。


「……おお」


「何か変わった?」


「分かんない」


「台無しだね」


「今から分かるんだよ!」


     ◇ ◇ ◇


「さて」


 問題は。


 こっちだ。


「次は――《レジェンダリースキル》」


 やっぱり口にすると恥ずかしい。


 でも。


 その言葉を口にした瞬間。


 さっきとは違う感覚がした。


 懐かしい。


 まただ。


 知らないはずなのに。


 知っているような。


 《石角羊》の群れの中で、身体が勝手に動いた時と似ている。


「ベルトさん。レジェンダリースキルって何?」


 しばらく沈黙が続いた。


『――記録』


「記録?」


『――継承』


 俺は息を止めた。


「……誰の?」


 青い光が一度、瞬く。


『――記録領域――制限』


「そこは教えてくれないのかよ!」


 でも。


 なんとなく分かる。


 《蒼駆》とは違う。


 《蒼駆》は、今までの俺自身の経験から生まれた。


 こっちは。


 俺より前から存在していたものだ。


「前の青の勇者に関係ある?」


 少し長い沈黙。


『――肯定』


「…………」


 ハリトもミーナも黙った。


 シロナだけが、静かにベルトさんを見ている。


「見せて」


 俺は言った。


「俺が選べる《レジェンダリースキル》」


 青い光が広がる。


 次の瞬間。


 頭の奥に。


 一閃。


 青。


 剣。


 速い。


 いや。


 速いなんてもんじゃない。


 何をしたのかすら分からない。


 見えたと思った時には。


 もう終わっている。


 知らない。


 こんな技。


 俺は知らない。


 なのに。


 身体の奥が、知っている。


《レジェンダリースキル――候補》


《蒼閃Ⅰ》


「……《蒼閃》」


 口にしただけで、胸の奥がざわついた。


 あの時。


 使った。


 完全に同じかは分からない。


 でも、《石角羊》の群れの中で俺の身体が見せた動き。


 その中に。


 確かに、これと似た感覚があった。


「ベルトさん。俺、これを使ったことある?」


『――肯定』


「《緊急生存補助》の時?」


『――肯定』


「じゃあ、もう使えるんじゃないの?」


『――否定』


「え?」


『――再現――不完全』


「不完全?」


『――現在再現率――低』


「どのくらい?」


 少し間が空いた。


『――約一割』


「一割!?」


 思わず声が裏返った。


「レジェンダリースキルなのに!?」


「名前が格好いいから強いとは限らないよ」


 ハリトが冷静に言う。


「そうだけど! レジェンダリーだぞ!?」


「ニール、気に入ってきてるじゃん」


「ちょっとな!」


 俺はもう一度、《蒼閃》の感覚へ意識を向ける。


《蒼閃Ⅰ》


《成長段階――Ⅰ/Ⅹ》


「こっちも十まである」


「《蒼閃Ⅹ》になれば、完全に再現できるのでしょうか」


 シロナの問いに、ベルトさんが反応した。


『――肯定』


「じゃあ、《蒼閃Ⅹ》で完成?」


『――否定』


「……え?」


「完成じゃないの?」


『――肯定』


「どっち!?」


「『完成ではない』に肯定なんじゃない?」


 ミーナが言った。


「あ、そっちか。ややこしいな!」


「ベルトさんのせいじゃないと思うよ」


「じゃあ、十になったらどうなる?」


 青い光が、少し強くなる。


『――レジェンダリースキル――完全定着』


「うん」


『――継承条件――達成』


「……継承?」


 さらに。


『――新規機能――解放』


「…………」


 俺たち四人とも黙った。


「新しい……機能?」


『――肯定』


「何が解放されるの?」


『――回答不能』


「そこ一番大事!」


 ミーナが吹き出した。


「まだ分からないってこと?」


『――回答不能』


「ベルトさん!」


 青い光が、ちかっと瞬いた。


 でも。


 少しだけ分かった。


 《蒼閃》は、昔の青の勇者が残した力。


 今の俺は、その一部しか使えない。


 それを育てる。


 受け継ぐ。


 自分のものにする。


 そして。


 十まで辿り着いた時。


 その先に。


 まだ何かがある。


「……面白いな」


「ニール?」


 ハリトが俺を見る。


「昔の青の勇者の技を使えるようになって終わりじゃないんだろ?」


 その先がある。


 だったら。


 見てみたい。


「俺、《蒼閃》にする」


《選択――確認》


《レジェンダリースキル――《蒼閃Ⅰ》》


《取得》


 青い光が身体を包んだ。


 ほんの一瞬。


 知らない剣の感覚が、右手に重なる。


 でも。


 すぐに消えた。


 俺は自分の手を見る。


 これは。


 まだ俺の技じゃない。


 だから。


 ここからだ。


     ◇ ◇ ◇


「使ってみたい」


「そう言うと思いました」


 シロナの返事が早かった。


「軽くだぞ?」


「ニールさんの『軽く』は信用できません」


「じゃあ、本当に軽く!」


「同じです」


「一回だけ!」


「……一回だけですよ」


「よし!」


 まずは《蒼駆》。


 訓練場の端に立ち、軽く腰を落とす。


 身体の奥にできた、新しい感覚へ意識を向ける。


「《蒼駆》」


 次の瞬間。


「うおっ!?」


 景色が飛んだ。


「速っ――!」


「ニール!」


「止まら――!」


 慌てて足を踏ん張る。


 身体が横へ流れた。


「うわああああっ!」


 ズザザザザッ!


 地面を滑って、どうにか止まる。


「…………」


 振り返る。


 三人が、かなり遠くにいた。


「すっげえ!」


「止まれてないじゃん!」


 ミーナの声が飛んでくる。


「初めてなんだから仕方ないだろ!」


 ハリトも追いついてきた。


「速いけど、今のまま戦ったら敵を通り過ぎそうだね」


「…………」


「それか壁にぶつかる」


「……練習します」


 LEVEL十になった。


 ブレイブスキルを手に入れた。


 だからって。


 いきなり使いこなせるわけじゃないらしい。


「では、今日はここまで――」


「《蒼閃》!」


「ニールさん」


「一回! 約束しただろ!」


「……本当に一回だけですよ」


「よし!」


 剣を構える。


 《蒼閃》。


 頭の中には、技の感覚がある。


 速く。


 鋭く。


 一瞬で。


 でも。


 それをどうやって身体で再現するのかは、まだよく分からない。


「《蒼閃》!」


 踏み込む。


 剣を振る。


 青い魔力が刃へ集まり――。


 シュッ。


「…………」


 訓練用の木人に。


 一本。


 浅い傷が入った。


「…………」


 ミーナが木人を見る。


 俺を見る。


 もう一回、木人を見る。


「……地味」


「言うな!」


「一割ですから」


 シロナが淡々と言った。


「分かってるけど! もうちょっとこう、レジェンダリーな何かを期待するだろ!?」


 腰から声がした。


『――未熟』


「…………」


 俺は、ゆっくり腰を見る。


「今なんて言った?」


『――未熟』


 ハリトが吹き出した。


「ベルトさん!?」


 ミーナも笑い始める。


「ちょっと待て! 同調段階二になって覚える言葉、それ!?」


『――肯定』


「肯定するな!」


 シロナまで口元を押さえていた。


「シロナも笑ってるよね!?」


「いえ」


「絶対笑ってる!」


 でも。


 俺も笑った。


 《蒼駆Ⅰ》。


 《蒼閃Ⅰ》。


 どっちも。


 まだ始まったばかりだ。


 速く走れても、止まれない。


 伝説の技も、一割しか使えない。


 LEVEL十になって。


 二つも新しい力を手に入れて。


 それでも。


 俺は急に強くなったわけじゃない。


 力を手に入れることと。


 その力を自分のものにすることは。


 たぶん。


 全然違う。


「よし」


 俺は剣を握り直した。


「もう一回――」


「今日は終わりです」


「えっ!?」


「一回だけ、と約束しましたよね?」


「《蒼駆》なら――」


「終わりです」


「はい」


 シロナには勝てない。


 剣を鞘へ戻す。


 その時。


 腰のベルトさんが小さく光った。


『――休息――推奨』


「お前まで!?」


『――肯定』


「ベルトさん! 俺の味方じゃないの!?」


 少し間があった。


『――肯定』


「だったら――」


『――休息――推奨』


「どっちだよ!」


 ハリトとミーナが笑う。


 俺も、結局笑った。


 選んだだけじゃ。


 強くはなれない。


 だったら。


 ここから育てればいい。


 《蒼駆》も。


 《蒼閃》も。


 ベルトさんとの関係も。


 全部。


 まだ――Ⅰから始まったばかりだ。

第二十八話『選択』でした。


ついにニールにも、LEVEL十での新しい力が加わりました。


一つ目は――


《ブレイブスキル》――《蒼駆Ⅰ》


今のニール自身が積み重ねてきた経験から生まれた力です。


そしてもう一つ。


《レジェンダリースキル》――《蒼閃Ⅰ》


こちらは、五百年前の青の勇者へとつながる「継承」の力。


……名前だけ見ると、めちゃくちゃ強そうです。


ところが。


《蒼駆》は速すぎて止まれない。


《蒼閃》はまだ一割程度。


そしてベルトさんからの評価は、


『――未熟』


LEVEL十になったからといって、いきなり最強になるわけではありません。


今回描きたかったのは、


「力を手に入れること」と「強くなること」は違う。


ということでした。


《蒼駆》はⅠからⅩへ。

そしてⅩまで育てれば、やがて身体へ定着し、常にニールを支える力へ。


《蒼閃》もⅠからⅩへ。

こちらは完全に継承した、そのさらに先に――


《新規機能》


が待っているようです。


何が解放されるのか。


当然、ベルトさんに聞いても――


『――回答不能』


便利だな、それ!


《蒼駆》も、《蒼閃》も、ベルトさんとの関係も。


全部まだ、Ⅰから始まったばかり。


ここからニールがどう自分の力にしていくのか、ぜひ見守ってください。


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