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第七話『七つ星の異界人』(改訂版 ver.1.02)

初めての長距離護衛を終え、無事《ラグナード》へ到着したニールたち。


まず向かったのは――冒険者ギルド!


……ではなく、お風呂でした。


地面に敗北した青の勇者に、文明のありがたさが染み渡ります。


そして改めて訪れる、《ラグナード》の冒険者ギルド。


リーヴェルとは比べものにならない大きなギルドには、三つ星、四つ星、さらには五つ星の依頼まで。


自分たちの知らない冒険者の世界を前に、ニールの新しい目標が生まれます。


そして、初めての長距離護衛をやり遂げた六人にも――小さな変化が。


今回も楽しんでいただけたら、ぜひブックマークや評価で応援していただけると嬉しいです!

 風呂は偉大だった。


「生き返った……」


 宿の湯から上がった俺は、心の底からそう思った。


「地面に負けて、風呂に救われる青の勇者」


「ミーナ、お前そろそろ勇者の扱い覚えろよ」


「敬った方がいい?」


「ちょっとくらいは」


 ミーナが姿勢を正した。


「青の勇者様。このたびはご入浴、誠におめでとうございます」


「やっぱいいわ」


「でしょ?」


 なんでこいつに頼んだんだろう。


 宿に荷物を置き、身体を洗い、着替えを済ませる。


 これでようやく。


「ギルド行こうぜ!」


「元気になったね」


「行くぞハリト!」


「逃げないから引っ張らないで」


 俺たち六人は、街へ繰り出した。


     ◇ ◇ ◇


 改めて歩いてみると、《ラグナード》は本当に大きかった。


 商業区には見たこともない店が並んでいる。


 武器屋。


 防具屋。


 薬屋。


 魔道具屋。


 素材店。


 屋台。


 宿。


 そして。


「……あれ何?」


「串焼きじゃない?」


「肉が紫なんだけど」


「知らない魔物の肉なんじゃない?」


「食ってみようぜ!」


「ギルドは?」


「…………ギルド行こう」


「今、完全に忘れてたよね」


 誘惑が多い。


 大きな街、恐ろしい。


「ところでさ」


 カイルが言った。


「ニール、この街の名前ちゃんと覚えてるか?」


「…………」


 俺は立ち止まった。


 もちろん覚えている。


 さっき門をくぐる前にも聞いた。


 確か――。


「ラ……ラグ……」


「ほら」


 ハリトが呆れた顔をする。


「《ラグナード》!」


「そう! それ!」


「今、完全に教えてもらったよね?」


「最初の『ラ』は出てただろ!」


「ほぼ全部残ってるじゃん」


 ミーナが笑う。


「地方都市ラグナード!」


 俺はもう一度口にする。


「よし、覚えた!」


「本当に?」


「たぶん!」


「そこは自信持とうよ……」


 また一つ賢くなった。


 地方都市《ラグナード》。


 覚えた。


 今度こそ。


     ◇ ◇ ◇


「おお……」


 冒険者ギルドの前に着いた瞬間。


 俺は見上げた。


「でっか」


 リーヴェル支部とは全然違う。


 三階建ての大きな建物。


 正面には巨大な冒険者ギルドの紋章。


 人の出入りも多い。


 剣士。


 魔法使い。


 弓使い。


 大盾を背負った男。


 長身で筋肉隆々のドワーフ。


 エルフ。


 ハーフビースト。


 知らない種族らしき冒険者までいる。


「ここ全部ギルド?」


「そうみたい」


「すげえ……」


「ニール」


「何?」


「口開いてる」


 閉じた。


 そして扉を開ける。


「うわ……」


 また開いた。


 広い。


 受付だけでもいくつもある。


 酒場。


 待合場所。


 素材の買い取り窓口。


 掲示板は――。


「でかっ!」


「今日それ何回目?」


 知らん。


 数えてない。


 とにかく依頼掲示板がでかい。


 そして何より。


「……星、多っ」


 リーヴェルでは一つ星と二つ星の依頼が中心だった。


 三つ星が混じり。


 四つ星があれば、それだけでちょっとした話題になる。


 ここは違う。


 一つ星。


 二つ星。


 三つ星。


 四つ星。


 普通に並んでいる。


「四つ星の依頼、こんなにあるのかよ……」


「地方都市だからね」


 ハリトが言った。


「さっきも見ただろ」


「街で見るのと、掲示板で見るのは違うんだよ!」


 そして。


「あ」


 俺は見つけた。


 掲示板の一角。


 紙の色からして違う。


「五つ星……!」


 手を伸ばす。


 その手首を。


 ガシッ。


 ハリトに掴まれた。


「見るだけ!」


「絶対?」


「見るだけだって!」


 依頼内容を読む。


《危険度五指定魔物・討伐調査》


「危険度五……」


 どんな魔物なんだ。


 アースボアどころじゃない。


 レイザーマンティスどころでもない。


 俺がまだ見たことのない世界。


「受けたい」


「駄目」


「いつか!」


「それならいいよ」


 俺は自分の胸元にある二つ星のギルドプレートを見る。


 今までなら。


 二つ星になれたことが嬉しかった。


 今も嬉しい。


 でも。


 初めて思った。


「……もっと上、行きたいな」


 勇者だからじゃない。


 青の《勇者装具》があるからでもない。


 冒険者として。


「まず三つ星だね」


「ああ!」


     ◇ ◇ ◇


「護衛依頼の完了報告はこちらでよろしいでしょうか?」


 受付に向かう。


「はい!」


 俺たちは商隊から受け取った証明書を提出した。


 受付の女性が内容を確認する。


「リーヴェル支部からの依頼ですね。……道中、レイザーマンティスとの遭遇?」


「はい」


「討伐は?」


「してません」


「逃走されましたか?」


「いえ」


 俺は答える。


「追いませんでした」


 受付の女性が顔を上げた。


「商隊を狙っていたので、馬車から引き離しました。向こうが退いたので、それ以上は追わなかったです」


「なるほど」


 書類に何かを書き込む。


「適切な判断だと思います」


「!」


 ちょっと嬉しい。


「護衛対象、荷物、馬、すべて損害なし。依頼主からの評価も良好ですね」


 ダリオの言葉を思い出す。


『俺たちの仕事は、商人と荷物を目的地まで届けることだ』


 本当に。


 倒したかどうかじゃないんだ。


「護衛依頼、完了を確認しました」


「よし!」


「報酬は――」


 受付の女性が説明を始める。


 その時だった。


「ちょっと待ってください」


「はい?」


 セラが依頼書を指差した。


「レイザーマンティスの出現場所について、報告した方がいいと思います」


「あ」


 忘れるところだった。


「そうだ!」


「何か?」


 俺たちは森で起きたことを説明した。


 本来なら森の奥にいるレイザーマンティスが、街道付近まで出てきたこと。


 足跡を見る限り。


 森の奥から、何かを避けるように移動していたこと。


 受付の女性の表情が変わった。


「少々お待ちください」


 奥へ行く。


「……何かあるのかな」


 カイルが言った。


「分からない」


 ハリトは静かだった。


 やっぱり。


 あの森のことが気になっている。


 しばらくすると、受付の女性が戻ってきた。


「情報提供ありがとうございます。近頃、《エルティア大森林》では魔物の生息域に若干の変化が確認されています」


「やっぱり?」


「ただし、現時点では原因不明です。調査依頼を出すか、支部内で検討します」


 俺とハリトは顔を見合わせた。


 《蒼天遺跡》の時と。


 似ている。


「調査依頼が出たら――」


 俺が言いかける。


「受注可能ランクを確認してからにしてくださいね」


「まだ何も言ってない!」


「顔に書いてあります」


 この街の受付も強い。


     ◇ ◇ ◇


 報酬を受け取り。


 俺たちが受付を離れようとした。


 その時だった。


 腰の《勇者装具》が、淡く光った。


「ん?」


『――成長』


「成長?」


『――肯定』


 なんだ?


 俺が装具を見下ろしていると。


『――ニール・レイン』


「俺?」


『――LEVEL四』


「…………え?」


 一瞬。


 意味が分からなかった。


「LEVEL四?」


『――肯定』


「俺、LEVEL上がったの!?」


『――肯定』


「よっしゃああああああ!!」


「うるさっ!」


 ミーナが両耳を押さえた。


「だってLEVEL上がったんだぞ!」


「分かったから! 私の近くで叫ばないで!」


「本当なの?」


 ハリトに聞かれ。


「確認する!」


 俺は目を閉じた。


 意識を外から切り離す。


 自分の身体。


 その奥。


 自分という存在に刻まれているものへ、意識を集中させる。


 冒険者になってから何度もやってきた確認方法。


 少しすると。


 自然と分かった。


 ――LEVEL四。


「……本当だ」


 目を開く。


「LEVEL四になってる!」


「よかったね」


「よかった!」


 《蒼天遺跡》でLEVEL三になってから。


 また一つ。


 上がった。


 でも。


 《勇者装具》は、それで終わらなかった。


『――ハリト』


「僕?」


『――LEVEL六』


「え?」


 今度はハリトが目を閉じる。


 しばらくして。


「……本当だ。LEVEL六になってる」


「ハリトも!?」


『――ミーナ』


「私?」


『――LEVEL四』


「えっ」


 ミーナも目を閉じた。


「……ほんとだ。四になってる!」


『――カイル』


「俺か?」


『――LEVEL九』


「マジか!?」


 カイルが慌てて目を閉じる。


「……九だ! LEVEL九!」


『――オルド』


「俺もか?」


『――LEVEL七』


「……七だな」


 そして。


『――セラ』


「はい」


『――LEVEL七』


 セラも目を閉じる。


 やがて驚いたように目を開いた。


「私も……本当にLEVEL七です」


「…………」


 六人で顔を見合わせた。


 ニール・レイン。


 LEVEL四。


 ハリト・ヴェール。


 LEVEL六。


 ミーナ・フェル。


 LEVEL四。


 カイル・ローデン。


 LEVEL九。


 オルド・バッシュ。


 LEVEL七。


 セラ・ミルフィ。


 LEVEL七。


 全員。


 一つずつLEVELが上がっている。


「すげえ!」


 俺が声を上げる。


「全員LEVELアップだ!」


「だから声大きいって!」


「でも六人全員だぞ!?」


「それは確かに……珍しいですね」


 セラが考え込む。


「何が?」


「LEVELが上がる時期は人によって違います。積んできた経験も、それまでの成長も違いますから」


「それなのに」


 ハリトが言った。


「六人同時」


「偶然……なのかな?」


 ミーナが首を傾げた。


 俺たちの視線が。


 ほとんど同時に、一か所へ集まった。


 俺の腰。


 青の《勇者装具》。


「ベルトさん」


『――ニール・レイン』


「これ、お前何かした?」


『――肯定』


「やっぱり!?」


「やっぱりなんだ……」


 ハリトが苦笑する。


 俺は装具を指差した。


「俺たち全員がLEVEL上がったのも?」


『――肯定』


「お前、みんなのLEVELまで分かるの?」


『――肯定』


「なんで?」


 少しの沈黙。


 そして。


『――共有』


「共有?」


『――肯定』


「何を?」


『――経験』


「経験……?」


 俺はみんなを見る。


 歩いた。


 見張った。


 索敵した。


 馬車を守った。


 野営した。


 レイザーマンティスと戦った。


 でも。


 倒してはいない。


 それでも。


 最後まで六人で協力して。


 商人も。


 荷物も。


 馬も。


 全部《ラグナード》まで送り届けた。


「……やっぱり」


 俺は呟いた。


「魔物を倒すだけが、経験じゃないんだな」


『――肯定』


 前にも。


 薬草を採った時。


 こいつは同じことを教えてくれた。


 経験。


 それは。


 戦うことだけじゃない。


 歩くことも。


 学ぶことも。


 誰かを守ることも。


 仲間と一緒に何かをやり遂げることも。


 全部――経験なんだ。


《成長共有補正――適用》


《経験処理――完了》


《対象――六名》


《LEVEL上昇――確認》


《ニール・レイン LEVEL三→四》


《ハリト・ヴェール LEVEL五→六》


《ミーナ・フェル LEVEL三→四》


《カイル・ローデン LEVEL八→九》


《オルド・バッシュ LEVEL六→七》


《セラ・ミルフィ LEVEL六→七》


《成長共有補正――継続》


 俺たちはまだ。


 この仕組みが何なのか知らない。


 どうして俺の《勇者装具》が、みんなの成長まで分かるのかも知らない。


 ただ。


 六人で初めてやり遂げた長距離護衛は。


 ちゃんと――六人の経験になっていた。


     ◇ ◇ ◇


 せっかくだからと、俺たちはギルドの中を見て回ることにした。


「素材買い取り、あっちか」


「訓練場もあるみたいですね」


 セラが案内板を見る。


「資料室もあります」


「資料室?」


「魔物や土地についての資料でしょうね」


「行こう!」


「食いつく場所そこなんだ」


「レイザーマンティス知らなかったからな!」


「ようやく反省した?」


「俺は成長する男だからな」


 俺は胸を張る。


「LEVELも四になったし!」


「さっそく調子乗ってる」


「街の名前すら危なかったのに」


「それは言うな」


 その時。


 カイルが別の掲示板の前で止まった。


「おい」


「ん?」


「これ見ろよ」


 俺たちも近づく。


 依頼じゃない。


 冒険者向けの告知や情報が貼られている掲示板だった。


 注意情報。


 魔物の出現報告。


 行方不明者。


 各地のギルドからの連絡。


 その中に。


 妙に人が集まっている紙があった。


「何だ?」


 俺は背伸びする。


「見えない」


「前行けば?」


「すみませーん」


 人の間から顔を出す。


 そして。


 紙を見る。


「…………七?」


 星が。


 七つ。


 並んでいた。


「七つ星……?」


 初めて見た。


 ギルド最高位。


 国どころか。


 世界でも数えるほどしかいないという冒険者。


 その七つ星を示す印の下に。


 一人の男について書かれていた。


「ハルキ……サトー?」


 変わった名前だ。


「聞いたことある」


 ミーナが言った。


「有名なの?」


「有名どころじゃないよ」


 隣にいた冒険者が会話に入ってきた。


「今、一番名前が売れてる冒険者の一人だ」


「そんなに?」


「七つ星だぞ?」


 それはそうなんだけど。


「何した人なんですか?」


「何したって……」


 男は少し考え。


「何から話せばいいんだ?」


「そんなに!?」


「黒い鎧に、でかい剣。魔物の群れを一人で止めたとか、危険度六を単独で倒したとか――噂なら山ほどある」


「一人で!?」


 俺は掲示を見る。


 七つ星。


 ハルキ・サトー。


 黒い鎧。


 巨大な剣。


「すげえ……」


 思わず呟いた。


 こんな冒険者がいるのか。


 俺も。


 いつか――。


「でも」


 セラが紙の一部を指差した。


「この方……」


「ん?」


「出身地が」


 そこには。


 見慣れない記載があった。


 出身地――《異界》。


 俺は瞬きをする。


「異界……」


 リーヴェルのギルドで見かけた、変わった服装の青年を思い出す。


 あの時。


 初めて知った言葉。


 この世界とは違う場所から来たと話す人々。


「この人も異界人なのか?」


「そうみたい」


 ハリトが掲示を見る。


「サトー……」


 聞き慣れない響き。


「どんな世界から来たんだろうな」


「さあ」


「異界にも魔物いるのかな」


「分からない」


「冒険者ギルドは?」


「知らない」


「勇者は?」


「僕に聞かないでよ」


 でも。


 俺は妙に気になった。


 七つ星だから。


 強いから。


 それだけじゃない。


 この世界の外から来た人間。


 俺たちが知らない世界を知っている人。


「会ってみたいな」


「七つ星に?」


「ああ」


 俺はもう一度、その名前を見る。


 ハルキ・サトー。


「どんな人なんだろう」


 すると。


 さっきの冒険者が笑った。


「会うのは難しいと思うぞ」


「なんで?」


「今どこにいるか分からん」


「え?」


「七つ星なんて、普通の依頼掲示板見て仕事する連中じゃないからな。国やギルド本部から直接動くこともある」


「そうなの!?」


 俺は七つ星の印を見る。


 遠い。


 あまりにも遠い。


 ついさっきLEVEL四になったとはいえ。


 俺はまだ二つ星。


 勇者になったとはいえ。


 冒険者としては、始まったばかりだ。


「……よし」


「嫌な予感」


 ハリトが言った。


「俺、七つ星になる!」


「言うと思った」


「まず三つ星じゃなかったの?」


 ミーナ。


「それもなる!」


「順番どうしたの?」


「三つ星になって、四つ星になって、五つ星になって、六つ星になって――」


「それから?」


「七つ星!」


「普通だった」


「何を期待した!?」


 カイルが笑う。


「だったら競争だな」


「え?」


「俺も上行くぞ」


「おお!」


「お前だけ先に行かせるかよ」


「いいね」


 ミーナが言う。


「じゃあ私も」


「私も、もっと現場を経験したいです」


 セラ。


「稼げるなら上は目指したいな」


 オルド。


 そして。


 俺はハリトを見る。


「何?」


「お前は?」


「僕?」


「七つ星」


「……遠すぎるよ」


「じゃあやめる?」


 ハリトは少し考えた。


 そして。


「まあ」


 小さく笑った。


「ニールが七つ星まで行くなら、途中で死なないように見てないとね」


「お前、ずっとそれ言うつもり!?」


「七歳から変わってないから」


「俺だって成長してる!」


「地面に負けてたけど」


「それ関係ないだろ!」


 みんなが笑う。


 知らない街。


 知らないギルド。


 知らない依頼。


 そして。


 まだ会ったことのない、七つ星冒険者。


 リーヴェルを出て。


 たった二日。


 それだけなのに。


 俺の世界は。


 昨日までより、ずっと広くなっていた。


     ◇ ◇ ◇


 俺たちが騒いでいた頃。


 ギルドの受付では。


 一枚の報告書が、新しく作られていた。


 報告地点――ラグナード北東森林街道。


 対象――《レイザーマンティス》。


 通常生息域外での確認。


 移動方向――森林深部より街道側。


 原因――不明。


 そして。


 同様の報告――複数。


 受付職員は、その紙を別の書類の上へ重ねた。


 そこにはすでに。


 いくつもの魔物の名前が記されていた。


 どれも。


 本来より森の外側で確認されたものばかり。


 その一番下に。


 新しい文字が書き加えられる。


 《エルティア大森林》


 森林深部の異常調査――検討。


 まだ。


 依頼ですらない。


 けれど。


 俺たちが通り過ぎたあの森では。


 確実に。


 何かが始まっていた。

六人全員、LEVELアップ!


ニールはLEVEL四。

ハリトはLEVEL六。

ミーナはLEVEL四。

カイルはLEVEL九。

オルドとセラはLEVEL七。


しかも今回、ニールたちはレイザーマンティスを倒していません。


歩く。索敵する。見張る。守る。野営する。仲間と協力する。そして、依頼を最後までやり遂げる。


戦うことだけが「経験」ではない。


第一章でニールが少しずつ知り始めたことを、今度は六人全員で経験することになりました。


そして《ラグナード》で知った、遥か上の存在。


七つ星冒険者――ハルキ・サトー。


黒い鎧。

巨大な剣。

規格外の強さ。


そして何より――《異界人》。


彼はいったい、どこから来たのか。


ニールたちの世界が広がっていく一方、《エルティア大森林》でも魔物たちの生息域に異変が起き始めています。


ハリトを呼ぶような感覚。


森の奥で目覚め始めた何か。


そして、原因不明の魔物たちの移動。


まだバラバラに見えるものが、少しずつ動き始めています。


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