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34話 アルニタク大橋の決戦にて


振り下ろされた剣と盾が火花を散らす!


「邪魔っすよ!」


クルサが素早く回り込み盾をかいくぐり胴を……鎧により剣が表面を滑る!


「厄介ですね……」


シャムの矢も隙間なく固められた防具により阻まれている。

有効だったのは……


「『圧壊(グラビティ)』」


可愛らしい小さな呟きに反して広範囲のアンデッド達が見えない力で押し潰される。


「うわぁ、あれじゃ防具もヘッタクレもないっすね」

「そうですね、鎧ごとぺしゃんこですし」


「……?」


視線を感じたのかアルが小首を傾げて二人を見つめる。



と、咆哮の様な雄叫びと共にアンデッド数体を引き裂きながら川に叩き込むメンカルの姿が見えた。


「あっちも防具とか意味ないっすね」

「まぁ……私達に出来ることをしましょうか」


そう言って放った矢は、冒険者を突き刺そうとしていたアンデッドの剣を弾く!

冒険者は体勢を整え素早く剣を引き寄せると柄で殴り倒した!


「すまん! 助かった!」


そう言うと次の敵に斬り掛かっていく。


「負けられないっすね」


クルサも剣を持ち直すとアンデッド兵士に斬り掛かっていった!




(こ、ここまでとは思わなかったぜ)


ようやく戻ってきたか?


手をグーパーして力を確認しメイスを握りしめる。


(よし! いけるな)


俺は最前線に向かい駆け出す!

クルサ達や大暴れするメンカルが見えた。


「俺も負けらんねー」


兵士を襲おうとしていたアンデッドにメイスを叩きつける!

が、上手く盾で受け止められた。


「へ! やるじゃねーか! だけどな」


再度メイスを引いて力いっぱい殴りつける。

勿論盾で守ろうとするアンデッド……まぁ、そうするよな?


その盾の端を殴った!

ここなら腕への負担がでけぇだろ!!


ポキン!という音と共に盾を持つ腕が折れる。

が、痛みなど感じないアンデッドは表情を変えず斬りつけてきた!


「あぶな!」


素早く離れるも目の前を刃が通り過ぎ金髪が二、三本宙を舞う!


改めてアンデッドの顔面にメイスを叩きつけると頭蓋骨の顔部分が砕けてそのまま倒れた。


(あ、危な〜~! 危なく前髪パッツンになるとこだったぜ)

盾にばかり気をやるもんじゃねーわな


そうして次のアンデッドに襲いかかる。


次は槍か……懐に入れば


突き出される槍に合わせてメイスを当てて突きをそらし……そのまま懐に入るとメイス一閃、骨は砂へと帰る。


次の相手を探しつつ戦況を見ると……


(これは……大分いったんじゃないか?)


こちらの数は最初の半分もいないが、アンデッドの数は更にこちらを下回っており、乱戦から単発の様な戦いへと変わっていた。


「これは……もう勝ちっすかね」


クルサが剣を担いて近づいてくる。

俺も戦況に目を戻すと、


「そうだな……これならーー」


と言いかけた時だった。

遠くの方からその言葉が響き渡る。


「敵、第三陣!!  数2000はいます!!」


アルデバランの監視塔からだ。


それを聞くなり、


「全員! 一旦橋の袂まで退却!」


メンカルの一言に全員が撤退戦に切り替える。


「俺達も一旦下がるぞ」


俺の言葉に三人が頷き駆け出した。




三陣目はアンデッドではなく魔物達であった。


(ゴブリン、オーク、そしてオーガー……)


アンデッド達の残りと魔物達の混成部隊.数2000以上に対し、こちらは疲労した300人ほど。

アルデバランの防衛隊を入れてもせいぜい400。


(さすがにさっきの今であの『聖域(サンクチュアリ)』は出来ねぇ)


「橋を落とすしか……ないのか」


メンカルも悔しさを滲ませ握り拳を震わせている。


「敵、来ます!」


敵が橋の中ほどまで進軍する。

アルデバランとの距離をどんどん詰める……橋を落とすなら今しかない。


「……やむを得ん、ここにいる人々を守る為ならやれる事はやる」


メンカルはそう言って顔を上げるとアルデバランに合図を送ろうとーーーーして動きが止まった。


「あれ……は……?」


ん? なんだ?


釣られて俺も振り返る、そして目に映ったのはモクモクと上がる土煙と沢山の馬、そして兵士達の姿だ。


それらはあっという間に俺達の前に来ると、


長い黒髪をかきあげて馬から降りた女性……スピカがメンカルに寄ると、


「王国騎士大隊、第一部隊早駆け500人到着いたしました。 本隊も間もなく来るでしょう。 メンカル、間に合ったようで何よりです」


「よく間に合ったもんだ」


「貴方の連絡を受けて馬に無理してもらいましたから……」


凛とした顔を一瞬綻ばせたがすぐに、


「戦況を手短に」


「敵は2000ちょい、魔物とアンデッドの混成部隊だ」


それを聞くなり後ろに控える騎士達に、


「橋の上に騎士横列二段、弓兵は後方で逆扇で囲んで前線支援! 今すぐです!!」


スピカの号令と共に風の様な速度で布陣が敷かれる。

その様子を見ながら、


「改めて……お久しぶりですね、メンカル。 よくぞ持ちこたえてくれました」


「当たり前だ! って言いたいが……」


メンカルは俺を見ると、


「正直コイツのおかげだ、でなければ押し切られていただろう」


そう言って俺の背中をーーーって! いってぇぇぇ!!


「メンカル、女の子をそう扱うものではないですよ」


「あ、そうだった。 一応女だったか! ガッハハハ!」


何が一応だ!

見た目は女そのままだろ!


「そろそろですね、では失礼いたします。 後は我々にお任せください」



スピカはそう言い騎士達の方に行くと、


「まだです十分引き寄せなさい!  …………構え………射!!」


一斉に放たれる矢は魔物達を集中的に攻撃する。


「アンデッドは白兵戦で斬り伏せます! 行きますよ!」


スピカが腰の剣を抜き放つ!!

陽光に煌めいたその刃を構え白い鎧の華が駆け抜けた!


今回もお読み下さりありがとうございます。


展開早くて…もっとゆっくりが良いです〜とか、日常パートもっと欲しいですー等のご意見とか御座いましたら遠慮なく仰って下さい。


私もどれが良いとか分かりませんので色々してみたいと思います。


全ての反映は難しいかもですが頑張ります。

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