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22話 帰郷にて


「帰ってきたぜーー我が故郷だーー」


大陸南端の町アルセフィナ……そこに着いた俺は両手を挙げて大きく叫ぶ!


やっぱり故郷の空気、喧騒……最高だぜ!



ちなみにスピカ率いる騎士達とベリタテ達、クルサ達はそれぞれ王やギルドに報告があると王都に帰って行った。


俺とマイア、そしてアルセフィナの冒険者一行は故郷であるアルセフィナに戻って来た所だった。


「それじゃああたしは預かってきたアリエスを返しに行ってくるわ。 また後でね、アノンちゃん」


そう言ってウィンクをするとマイアは他の冒険者達とアリエスを連れて行ってしまった。



(さて! それじゃ俺は冒険者ギルドに向かうか)


そう思い見知った街並みを見ながら通りに足を踏み入れたのだった。



「ただいま」


冒険者ギルドに入るとカウンターにいたミラが慌てて立ち上がった。

驚いた顔から一転喜んだ顔になり次の瞬間には不安そうな顔を見せる。


「アノン!? おかえりなさい、無事だった? 何処も怪我してない?」


魔族と戦う話を聞いていたのかもしれない。

今まで以上に心配して駆け寄ってくると俺の身体を見たり触ったりしながら聞いてくる。


「大丈夫だって俺がそうそうやられるかよって」


「前回やられたでしょ!」


「ゔ……まぁあれはな」


少し怒り顔のミラにポカリとやられて言葉に詰まる。


「ま、まぁ今回は大丈夫だ。 何処も怪我してねーよ」


(相手が俺を最後のターゲットにしてたからな)


……と言うのは黙っておこう


ようやく安心したのか安堵の表情を浮かべ目一杯の笑顔を見せると、


「良かった……おかえり! アノン!」


「ただいま、ミラ」


あいさつを仕切り直すと、


「疲れたでしょ? 部屋で休む?」


「そうだな。 取り敢えず風呂でも入ろうかな?」


「ん、じゃあお湯沸かしておくから荷物とか部屋に置きにいってて」


「さんきゅーな」


いつもは身体を濡れタオルで拭くことが多いが、さすがに埃まみれになったので風呂に入りたかった。

風呂と言っても沸かしたお湯を大きめの湯桶にいれて入る感じだ。


部屋に戻り荷物を片付け着替えの準備をしているとミラの声が聞こえた。


「お風呂できたよー」


「分かった、今行くよ」


タオルや着替えを持ってギルド内の裏手……高い木の板を交互に貼り付け外から見えないようにしている……に行くと、湯気の出ている湯桶が準備されていた。


それは良い……しかし大問題があった


「はぁい! アノンちゃん」


なぜか裸でタオルを1枚身体に巻いた状態でマイアが手招きしている。


「……なんでお前がここに居る?」


「だって〜~愛しのアノンちゃんがお風呂って聞こえたから、これは裸を拝まないとじゃない?」


「……」


あまりの事に脱力して膝をつく


誰か……コイツを何とかしてくれ……


その時だった、救世主が現れたのは!


「あーーギルド長、やっぱりここにいた!!」


ギルドから出てきたのはミラだ。

マイアを見ると呆れ顔で、


「アノンってなるとほんと湧きますね、全く!」


「ちょっ、ちょっとミラちゃん!?」


ズカズカ入って来たミラはマイアの腕を掴むと、


「ほら! まだやらなきゃいけない報告書が山程あるんですからね!」


「でもあたしは今からアノンちゃんと……」


「アノンちゃんと、じゃありません!」


腕をグイグイ引っ張ってマイアを連れて行く。


「ちょっと! 私今こんな格好なんだけど!?」


「いつもとあんまり変わりませんよ! ほら! 行きますよ!」


「そんなぁ~〜ミラちゃん酷い! アノンちゃん助けてぇーー」


ミラに引っ張っられズルズル引きづられるマイアが俺に助けを求めるが……俺は満面の笑みを浮かべ手を振って見送ったのだった。




風呂から上がりギルドのロビーに足を踏み入れた瞬間、割れんばかりの歓声が上がった!!

そこにはアルセフィナの冒険者達一同が集まっている。


(な、なんだ!?)


ミラに風呂上がり来るように呼ばれてきたけど……こりゃあ何の騒ぎだ?


唖然とする俺に手前にいたミラが近寄ると、


「アノンがした偉業にみんなが喜んでるんだよ」


笑顔のミラに割ってはいるように冒険者達が次々話しかけてきた。


「なんでもめちゃくちゃ強い魔物を倒したって? すげぇじゃねーか!」

「アノンさんはアルセフィナの希望ですよ!」

「や、やっぱり私達のパーティーに参加を!」

「可愛い上に強いとか最高だよな!」


バンバン背中を叩く者、握手を求めてくる者、さり気なく尻と胸を触る者……には拳骨を落としておいた。


ただ言えるのはみんなが俺を称えてくれていた。

俺は……何か胸にこみ上げるものを感じて只々嬉しさがこみ上げる。


ムジカが俺に飲み物の入ったグラスを渡すと、


「アノン、乾杯の合図を頼みますよ」


みんなが見守る中グラスを受け取り掲げると……俺が言いたいのは決まっているぜ


俺はギルド内に響き渡るほどの大声で叫んだ!


「お前ら!! 最高だぜーーーー!!!」


その日、アルセフィナの冒険者ギルドは夜通し騒ぎ声が止まなかったのだった。


「ただいま」と「おかえり」っていいですよね。


賑やかな雰囲気を伝えられたら嬉しいです。


ご一読ありがとうございました。

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