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途中転生したら与えられた能力で無双!? スローライフの予定でした。  作者: トロ猫


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ヴァノミアとの闘い 後編

ヴァノミアが叫ぶ轟音と共に、周囲に針の刺さる音が耳に入る。前回も思ったが、子の針一本一本がまるでバリスタに攻撃をされているかのような威力だ。

ドンと衝撃音がして左方向を見れば、針が地面に垂直に刺さっていた。何がどうなって地面に刺さる! 

 ドンドンドンと続けて針が地面に刺さりながら俺に向かってくる。


「ヤババッ」


 力を入れ大きな身体を急いで転がす――が間に合わない。


「逸れろ!」


 手を翳すと、降ってくる針がわずかに横に逸れた。植物操作が効いたのか……? 直後、耳元で突撃音と地面の抉れる音が響く。

恐る恐る顔を傾けると、頭の真横には針が刺さっていた。俺、もう漏らしてもいいよね? 


「ア、アルス無事か!」

「あ、ああ。なんとか」

「まだ終わらないぞ」


 それから、目をこれでもかいうほどに開け、空を凝視しながら残りの針の雨が終了するのをただただ待った。ラッキーなことに、それ以上、俺の元には針は振ってこなかった。だが、精神的にはダメージを受けた。ギリギリ漏らしていないだけだ。

 轟音と木の軋みが止み、ヤドと顔を合わせる。


「終わった……のか」

「みたいだな」


 ヤドも俺も無事だ。立ち上がり辺りを見渡せば、その惨状は酷い。まず、ヤドの水球が通過した進路は、全てが抉れるように木々が根こそぎ抜かれていた。ヴァノミアから放出された多数の針は木々だけでなく、至る場所、地面にも刺さっていた。


「よく、俺たちに刺さらなかったな」

「アルスの植物操作のおかげだな。あれがなかったら二人とも、今生きているか分からなかったな」


 少しの間、ヤドと森の惨状に立ち尽くした。

俺の蔓で作った網に水玉がぶつかり、そのまま周囲の木々を絡み取りながらヴァノミアに激突したようだ。ヴァノミアの状況を確認しないとはっきりとは分からないが、状況的にヴァノミアは大打撃を受けたのではないかと思う。なぜなら、生えていたヴァノミアの雄が全て萎んでいるからだ。

 気を取り直して、ヤドに尋ねる。


「っていうか……なんで水球ぶっ放したんだ?」

「いや、あれは、アルスがあいつを攻撃しろって言ったから」

「いや、俺は網で針を防ぐから、針を放出させるぞって伝えたかっただけだ」

「そうか……悪かったな」

「いや、俺の伝え方にも問題があった」


 フッとお互いに笑うと、甲高い叫び声が聞こえた。どうやらヴァノミアはまだ生きているようだ。


「この機会に一気に始末するぞ」

「ああ」


 抉れた地面を辿ると、蔓の糸に絡まり木々が刺さったヴァノミアの姿があった。これはもう俺が手を下さなくとも、その命は長くないだろう。

 弱弱しいが、それでも蔓の攻撃をされる。こいつも最後まで生きようとしているのか。


「済まないが、俺も生きたいから」


 持っていた残りの蔓を使い、ヴァノミアの本体を完全に引き裂くと、断末魔のようなヴァノミアの声が聞こえた。

 ヴァノミアの命の灯が消えると同時に、ヴォンと頭の中で音がした。

 植物魔法を確認すると、使える能力が増えていた。


【植物魔法】―【蔓生成】―【植物操作】―【植物記憶】【種生成】―『葉刀』―『草生成』―『木生成』―『花生成』―『毒植物』―『植物モンスター』


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