表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
途中転生したら与えられた能力で無双!? スローライフの予定でした。  作者: トロ猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/37

ヴァノミアとの闘い

 本体が現れると、ヴァノミアは当たり散らかすように周辺の木々を薙ぎ倒し始めた。

 適当な木に目星をつけているかと思いきや、奴は針の攻撃範囲を広めるために整然と選定しながら木を倒していた。

 このままだと、針の攻撃が向かってきた時に盾となる木が奪われてしまう。


「あいつ……」

「アルス、一度、撤退するか?」

「悔しいが、そうだな」


 以前には感じなかった知性をこんな時に披露などいらない。戦略を見直さないといけなくなったのは痛い。

 ともかく今は撤退だ。


「ヤド、少しずつ後退するぞ」

「そうだな」


 ゆっくりと後退する途中、ヴァノミアの動きが止まる。


「なん——」

「シッ」


 ヤドがハサミを口元に当てながら地面を指差すと、小さなアロエが生えてきた。雄のヴァノミアだ。左右を確認すると、別の場所にもポツポツとヴァノミアの雄が生えていた。

 こいつらは、雌から離れた場所にも生えることができたのか? いや、他の場所には生えていなかった。なんらかのヴァノミアからの攻撃だと思うのが妥当だ。

 どうやら、ヴァノミアの雄にも俺の姿は見えていないようだ。

 小石を遠くのヴァノミアの雄へと投げてみる。無事にアロエにヒット。すると、ヴァノミアの雌の本体が急に向きを変え、先ほど小石の当たったヴァノミアの雄がいる場所に向かって木の薙ぎ倒しを開始した。

 監視カメラならぬモーション検知か……厄介だ。

 ヴァノミアの本体は、俺の居場所が分かるまで針を放出しないつもりのようだ。一度放出すれば、再生に時間が掛かることを奴自身が理解してるってことか。

 ヴァノミアの本体が暴れている間、近くにあったヴァノミアの雄を植物操作で枯らす。  

 その後、ヴァノミアの本体の様子を息を呑みながら観察する。奴はまだ木の薙ぎ倒しに忙しそうで気づいていない。

 よし、一株枯れたくらいなら奴は気づかないようだ。

 肩にいるヤドに声を抑えながら伝える。


「このまま、後退して逃げ——」


 言い掛けた言葉を呑む。先ほど枯らしたヴァノミアの雄の周りに、新たに二株アロエが増援された。二株を枯らせば、四株になった。

 ここに来て、ねずみ算式はやめてくれ。

 背後を見れば、そちらにもアロエが生えていた。

 モーション検知のヴァノミアの雄を不能にするのは無理そうだ。こうなったら音を立ててでも逃げるが勝ちだな。

 だが、せめてもまだ木があるうちにヴァノミアの針だけは放出してもらわないと困る。明日になって木を全て除去されていたらなす術がない。

 ヴァノミアを仕留めるために、準備していた数百本の蔓で作った大きな網をアイテムバッグから取り出す。

 針が、薄くなった木々をすり抜けてしまった場合のセーフティネットとして使う。

 ヤドに身振り手振りで新しい計画を伝える。なんとなく伝わったと思う。ヤドはハサミをヴァノミアの本体に向けて頷いていた。

 蔓を操り目の前にネットを掲げ、息を大きく吸い叫ぶ。

 

「おい! 俺はこっちにいるぞ!」

「え!」


 ヤドから驚いた声が聞こえる。隣を見れば、ヤドは大きな水球をヴァノミアの方角へ向けて撃ち込む寸前だった。


「へ?」


 止まれ、違うと言う前に水球が発射され……俺のセーフティネットごとヴァノミアの本体へと向かって行った。


 水球が向かう先にいるヴァノミアが膨らむのが見えたので、地面に伏せた。

 終わったな……せめて針が刺さりませんように! そう願いながら両手で頭を覆った。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ