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肉を裂いても優しさあることができるのは桜

肉を裂かれた桜の少女は怒りの表情はない。

肉を裂かれ血も流れる。

血が流れれば痛い、痛みも分からないほど痛い。


桜の少女は無夢のことを怒らない。

怒りが起きない。

桜の少女は無夢へ手を伸ばす。

無夢は話しつつうつむいている。


「無夢さん」


「桜のお姉さん…私。ごめんなさい…痛い…よね」


桜の少女は無夢の苦しみが分からない

分からないのに責めたくない

小さな存在を責めるようなことをしたくない

責める自分にはなりたくない


「いいの。いいんだよ」


桜の少女は無夢の手を握る。

この温かさが伝わらなくても

伝えられなくても

手を握る

手を握りたい。

無夢はその温かさに心が動き始める。


肉を裂かれても誰かを許せとは思わない

けれど

肉を裂かれても許せるのは桜だけ


相手のことを思ってしまう桜だけ

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