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クロリネはささやく
クロリネは咲き誇る花を見つめる。
地面に膝を置き有理香の手に触れる。
優しく包み込むように握る。
クロリネは微笑む。
「あなたは花宮家の者ではありますが。離れた者でもあります。ある意味困る面もあると思いますが解放されたとも思いませんか?」
クロリネは続ける。
知らなくても知っていることを遠慮なしに刺していく。
「あなたの大事な方を捨ててしまえばあなたは自由です。あなたは美しい。これから様々な幸せが待っていると思います」
クロリネは続ける。
刺す
刺す
「あなたは他の生き方もあると思うのです。重荷を背負って生きるのは苦しくありませんか?」
有理香はなぜという。
「なぜですの?あなたはどうして諦めさせようとするのですの」
クロリネは微笑む。
「僕はあなたの重荷と戦ってみたいのです。楽しいと思いますから」
有理香は手を払わずに答える。
「あなたのお言葉。私を思っていないことは感じますわ。妹を思っている言葉だと」
「彼女が一番に苦しめると思います」
「それでも。私は諦めませんの」
クロリネは微笑む。
「変わらないのですね。有理香様」




