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通太ら三人は、否が応でも周囲の目を引いた。
それは、学校が近づくにつれ、生徒の目が増える毎、強くなっていく。
だが綾乃は、気にせずスタスタ歩く。堂地もだ。
通太だけが、視線を気にし、肩身を狭くして歩いている。
正門を通り抜けて、靴箱へ。
そこで堂地とは別れた。彼はしつこく教室まで通太たちを送ると言っていたが、綾乃の拒否で諦めたようだった。
通太と綾乃は、自分たちの教室に向かう。
通太は恐々と歩いた。
ついに厭な学校に来てしまったのだ。通太は、不安に取りつかれ、表情が暗い。
そんな通太であったが、綾乃が三階に行かず、二階の廊下を歩こうとしているのを見て疑問を感じた。
「一波さん?」
思わず声が出た。
「なに?」
「教室は、この階じゃないですけど……」
「先生のとこ行くのよ」
「え?」
「職員室に行くの。それで先に先生に謝る。『金曜日は強引に早退してすみませんでした』ってね」
「……」
「謝ったもん勝ちよ。それであんたの不安も取り除ける。学校にも気持ちよく行ける。ばっちしでしょ?」
「一波さん、なんで……?」
もう綾乃は歩きだしている。
職員室に入った彼らは、担任の先生のところまで行って、事情を適当に説明し謝った。早退した金曜日の一時間目を担当していた英語の先生もすぐ傍にいたので謝罪した。強引に早退してすみませんでした、と。それから通太はことのついでだったので笹山露子が所属する三年六組の担任の先生を教えてもらい、その先生の机まで移動し、何の授業かはわからなかったが、妨害してしまったことを説明した。その笹山露子の担任の先生は、金曜の出来事を当時その授業を受け持っていた教師から聞かされていたので、合点した。通太の反省している態度が一目瞭然だったので、先生は許してくれ、直に妨害した先生にも謝っておきなさいと、その先生の席を指さし、通太はそこにいた見覚えのある先生の元にいき謝罪した。
職員室を出てすぐに通太はさっき言いそびれたことを綾乃に尋ねた。
「一波さん、なんで僕にこんなことを……」
「語尾までしっかり喋る!」
「え?」
「あんたは、語尾まで喋らないことが多い! 僕にこんなことをの次はなに?」
通太はうろたえながらも、一波綾乃が言っていることは理解できたので、
「なんで僕にこんなことしてくれるのですか?」
と続けた。
「彼氏だから」
綾乃は、即答した。
「彼氏? 何なんですかそれ。答えになっていませんよ」
「はぁあ。先週言ったでしょ。これ以上まだ言わせる気ってね」
「だって、その単語だけでは本筋が見えないですよ」
「もう少しで朝礼始まるよ。急ごう」
綾乃は歩きだした。
苦虫をかみつぶしたような表情で通太も仕方なく歩く。




