第1話:黒羽藍
「ん・・・ふぁーー・・・。よく寝たなぁ。腹減ったし、今日も狩りに行くかぁ。
久々に獲れないかなー・・・最近は失敗ばっかで、木の実ばっかりだし・・・俺はベジタリアンじゃねぇっつの。。」
木の上で愚痴っている彼の名は、黒羽藍。
女のような名前だが、15歳の男。
実はこの男、生まれたばかりに、両親や祖父、祖母、、その他血縁者を皆、目の前で殺されている。
時は冬。午後10時。空には月と星が綺麗に主張しあっている、素敵な夜。
藍は、そばに置いているいくつかのビンを腰にぶら下げながら言った。
「あぁ。もう、1ビンしかないや。
狩りが終わったら血も採りにいかなきゃ。」
血が2/3ほど入っている、ビール瓶ぐらいの大きさの透明なビン。
藍はそれを一気に飲み干した。
―――飲み干した。なぜ血を?
・・・だって、ヴァンパイアだもん。―――
「ふー・・・よっしゃ。行くか。
でも、瓶詰めの血じゃいまいち気合が・・・
新鮮な血の、こう、体にびびびびっとくる感じないし・・・
まぁ、寝起きだし我慢しよう。
狩りが終われば・・・パーティーだ・・・!!」
訳の分からないことを言いながら、藍は狩りの用意をする。用意と言っても、ナイフを腰に差しただけだが。
そして腰を左右にねじったり、準備体操のようなものを始めた。
それが終わると、すーーっと大きく一息吸い・・・息を止める。
・・・シュッッ、、、
そんな音がしたと思えば、その場には、落ち葉が舞っているだけであった。




