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第0話:序章
―――生まれたばかりのヴァンパイアは、正しい血の飲み方を知らない。
ヴァンパイアの世界では、少しだけ頂戴するというのが正しい飲み方。
物心が付いた頃に、両親、もしくは血縁者に教えてもらい、修練の末に習得するのである。だが、彼は―――
彼は、とある建物の屋根にいた。
人々は寝静まり、「ゴク、ゴク、、、」という音だけが妙に響く午前2時。
その音が鳴り止むと同時に、彼は叫んだ。
「っっっはぁ!!!
うめぇ、やっぱうめぇなぁ!!綺麗な月夜に、新鮮な血。最高ー!!」
彼は、そう言いながら抱えていた者を乱雑に置いた。
それは・・・人である。いや、血の気が完全に失せている死体だ。
「夜明けはまだまだだな。こんなに気分がいい日はいろいろ飛び回るしかない!!
んー・・・ヒャーッホーー!!!」
―――彼は生まれたばかりに身内をすべて失った、悲しい悲しいヴァンパイア。
この話は、そんなヴァンパイアの話である。―――
あなたも、ヴァンパイアが住む世界に踏み入れましたね。
では、彼のこれからの一生を、一緒に見ていきましょう。
ただし・・・彼には見つかってはいけませんよ。
彼に見つかれば・・・あなたの血は、一滴も残りませんから・・・。
※ホラーではありません。




