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[5000PV突破!] “外れ”の相棒が二体 ~手のひらの黒竜と白いもふもふと、世界最強の冒険者になるまで~  作者:


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残り半日

その日の午後詰所にはこれまで以上に緊張した空気が漂っていた


「……満月の夜まであと半日」

セファルが地図を広げながら言う


「マルコスが動くとすれば」

「今夜確実だ」

「場所は」

ダレンが聞く


「昨夜の遺跡が最有力だろう」

「封印の中枢に最も近い」

ガインが地図の一点を指す


「旧市街の井戸から」

「地下の水路を通って」

「遺跡の地下に繋がっている可能性が高い」


「両方から攻められるということか」

セファルが慎重に言う


「マルコスは儀式を遺跡の地下で」

「行うつもりかもしれない」


その時詰所の扉が開いた


「――失礼します」


入ってきたのはモイストの若い伝令だった

その傍らには小さな鷹が止まっている

伝令用に訓練された愛獣だった


「セファル様ガイン様に報告が」

「何だ」


「旧市街の井戸の周辺で」

「イフリルの部隊が集結しているのが確認されました」

「数はおよそ二十」


「二十……」

ダレンが顔色を変える


「そんなに集めていたのか」


「マルコスは本気だ」

セファルが低く唸る


「私たちだけじゃ対処しきれない数だな」


「モイストとベタの応援を呼ぶべきだ」

ガインが即座に判断する


「信頼できる人間だけを選んで」

「今すぐ集めよう」


その日の夕方までにモイストとベタからそれぞれ十数名の精鋭が詰所に集まった


彼らの多くもそれぞれの愛獣を連れていた

犬に似た俊敏な獣

小さな炎を纏うトカゲ

様々な姿の愛獣たちが緊張した主人の傍らに控えている


「……これだけいれば」

セファルが集まった面々を見渡しながら言う


「対等に渡り合える」


ユノはラグナルを肩に乗せながら周囲を見渡した

小さな竜の姿に周囲の視線が集まる


「……珍しいな竜の愛獣とは」

一人のベタの戦士が感心したように言う


「まだ育ち切ってないけどな」

ユノが少し照れくさそうに答える


ラグナルが誇らしげに小さく鳴いた


レナの肩にはモチがしっかりとしがみついている


「モチも今夜は頑張ってね」


小さく声をかけると角ウサギは力強く頷くように鼻を動かした


「……作戦を確認しよう」

セファルが地図を広げ皆を集める


「二手に分かれる」


「一つは旧市街の井戸から」

「地下の水路を通り」

「イフリルの部隊を内側から牽制する」


「もう一つは」

「遺跡の地上部分から」

「直接マルコスのいる場所を目指す」


「私とダレンそしてモイストの精鋭で」

「井戸から攻める」


「ユノたちとベタの精鋭は」

「遺跡から直接」


「ゾルドとレイナルドさんは」

「後方で待機してもらう」

「万が一の時の最後の砦として」


ゾルドが静かに頷いた


レイナルドもまだ体力が完全に戻っていなかったが


「……役に立てるなら」

「何でもしよう」


その決意にセファルも頷いた


「ティナは」


セファルの視線がティナに向く


「今夜は後方で待機してほしい」

「狙われる可能性が一番高い」


「……分かった」


ティナが少し悔しそうにだが素直に頷いた


「私も行きます」

「危険は承知の上で」


その言葉にユノが驚いたように振り返る


「大丈夫か?」


「うん」


ティナの目に確かな覚悟が宿っていた


「私にしかできないこともあるかもしれない」

「暗号を読んだり」

「古代の術式について」

「その場で判断が必要になるかもしれない」


その言葉にセファルはしばらく考えてから頷いた


「……分かった」

「だが必ず誰かが傍にいること」

「一人にはさせない」


「うん」


日が完全に沈み始める頃


一行はそれぞれの武器と愛獣を伴い

満月の夜の決戦へと静かに動き出した


空には既に大きく丸い月が昇り始めていた


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