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[5000PV突破!] 始まりの村と小さな竜  作者:


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戦いの余韻

戦いの余韻が、まだ、体に、残っていた。

ユノは、剣を、鞘に、収めながら、大きく、息を、吐いた。

「……とりあえず、無事で、よかった」

レナが、へたり込むように、地面に、座り込む。

「ああ、助かった」

体中の、緊張が、一気に、緩んでいく感覚があった。

ティナは、静かに、ゾルドに、近づいた。

「……セファルさんは、あなたを、押さえてたはずじゃ」

「何が、あったんですか」

ゾルドは、深く、息を、吐いた。

「セファル様は、私を、見つけた」

「だが、私は、その前に」

「マルコス様から、既に、接触を、受けていた」

「セファル様が、来る、少し前に」

「マルコス様の、護衛に、連れ出された」

「セファルさんは、無事、なんですか」

ガインが、緊張した面持ちで、聞く。

「……分からない」

ゾルドの表情が、曇る。

「連れ出される時、抵抗した、護衛の一人と」

「セファル様の、部下が、揉み合いになった」

「その、隙に、私は」

「連れ去られた」

「セファル様が、どうなったかまでは」

「見ていない」

その言葉に、全員の、顔色が、変わった。

「……急いで、戻ろう」

ユノが、すぐに、判断する。

「セファルに、何かあったら」

「巻物も、危ない」

ダレンが、頷く。

「馬を、急がせよう」

五人は、すぐに、馬に、飛び乗った。

夜の、山道を、駆け抜ける。

月明かりだけが、頼りだった。

「……ゾルドさん」

馬を、走らせながら、ティナが、声を、かける。

「叔父さんに、会った時、何を、伝えたかったんですか」

「本当に、マルコスの、味方として、来たわけじゃ、ないんですよね」

ゾルドは、しばらく、答えなかった。

やがて、静かに、口を、開いた。

「……最初は、迷っていた」

「マルコス様の、考えに、傾きかけていた」

「五年間、じっと、監視するだけの、役目に」

「意味を、見出せなくなっていた」

「そんな時、マルコス様から」

「『共に、この街を、変えないか』と」

「誘われた」

「それで」

「フェリオンさんに、接触したんですか」

「ああ」

「だが、フェリオン殿と、話すうちに」

「彼が、五年間、抱え続けてきた、後悔を」

「聞くうちに」

「自分の、考えの、浅はかさに」

「気づき始めていた」

ゾルドの、声に、確かな、後悔が、滲んでいた。

「今日、マルコス様が」

「不完全な、封印解除でも、実行する、と言った時」

「はっきりと、分かった」

「これは、変革では、なく」

「ただの、破壊だと」

その、告白に、ティナは、静かに、頷いた。

「……気づけて、よかった」

「本当に」

やがて、遺跡から、街の南門が、見え始めた。

「セファル様の、部下たちは」

ゾルドが、方向を、示す。

「あの、廃教会に」

「潜伏しているはずだ」

急いで、向かうと、教会の、周囲に、緊張した、様子の、護衛たちが、立っていた。

「……ダレン殿?」

護衛の一人が、驚いたように、声を、上げる。

「セファルは、無事か」

ダレンが、鋭く、聞く。

「はい、中に」

「怪我を、されていますが」

「命に、別状は」

その言葉に、全員が、安堵の、息を、吐いた。

教会の中に、入ると、セファルが、簡易的な、手当てを、受けながら、椅子に、座っていた。

腕に、包帯が、巻かれている。

「……無事だったか」

セファルが、こちらを見て、静かに、言う。

「そっちこそ」

ユノが、近づく。

「大丈夫か」

「かすり傷だ」

セファルが、軽く、答える。

だが、その表情には、疲労が、色濃く、滲んでいた。

「マルコスの、護衛と、揉み合いになった」

「巻物は」

「無事だ」

セファルが、懐から、巻物を、取り出す。

「命に、代えても、守るつもりだった」

その、言葉に、嘘は、感じられなかった。

「ゾルド」

セファルが、視線を、向ける。

「戻ってきたか」

「……申し訳、ありません」

ゾルドが、深く、頭を、下げる。

「一時とはいえ、マルコス様の、誘いに、心が」

「揺れました」

「今は、どちらの、立場だ」

セファルの、問いは、鋭かった。

「こちら側です」

ゾルドが、はっきりと、答える。

「今日、遺跡で、はっきりと、決めました」

セファルは、しばらく、ゾルドを、見つめていた。

「……いいだろう」

「行動で、示してもらう」

その、言葉に、ゾルドは、深く、頷いた。

「……マルコスは、まだ、諦めていません」

ダレンが、話を、進める。

「満月の夜まで、時間はある、と言っていました」

「別の、方法を、見つける、とも」

「レイナルドの、協力なしで」

セファルが、腕を、組む。

「実行できる方法が、あるのか」

「巻物なしでは、無理なはずだ」

「もしかしたら」

ガインが、慎重に、口を、開く。

「巻物の、写しが、他にも、あるのかもしれない」

「あるいは」

ユノが、続ける。

「別の、術式を、探しているのかもしれない」

「フェリオンさんの、持っていたもの以外の」

その、可能性に、全員の、表情が、険しくなった。

「時間が、ない」

セファルが、低く、呟く。

「満月まで、あと、二日」

「その間に」

「マルコスの、次の一手を、突き止める必要がある」

「そして」

ティナが、静かに、言う。

「レイナルドさんの、無事も」

「確かめないと」

「マルコスが、彼にも、接触してるなら」

その、指摘に、ガインが、すぐに、頷いた。

「明日、真っ先に、彼の元へ、向かおう」

夜が、更けていく中、教会の中で。

新たな、仲間を、加えた、一行は。

迫りくる、満月の夜に向けて、静かに、決意を、固めていった。

「……皆、少し、休もう」

セファルが、静かに、言う。

「明日から、また、忙しくなる」

その、言葉に、誰も、異を、唱えなかった。

疲労と、緊張が、体の中で、静かに、混じり合っていた。

だが、確かな、絆と、決意もまた。

その場に、深く、根付き始めていた。

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