↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[5000PV突破!] 始まりの村と小さな竜  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
68/73

追走


隣町に着く頃には、日が、大きく、傾いていた。


馬を、走らせ続けた疲労が、体に、重くのしかかる。


「……着いた」


ユノが、荒い息を、整えながら、言う。


イフリル商会の、拠点へ向かうと、ダレンが、既に、外で、待っていた。


その表情には、隠しきれない、焦りが、滲んでいた。


「早かったな」


「マルコスは」


ユノが、単刀直入に、聞く。


「今朝、少数の護衛だけを、連れて」


「町の、東の、山道へ、向かった」


「行き先は」


「分からない」


ダレンが、首を、振る。


「だが、あの方角には」


「古い、遺跡がある」


「遺跡……」


レナが、繰り返す。


「かつて、この一帯を、治めていた」


「古代の、王国の、名残だ」


「今は、ほとんど、崩れているが」


「一部、地下に続く、通路が、残っていると」


「聞いたことがある」


その言葉に、ユノの中で、何かが、繋がった。


「……旧市街の、水路と」


「繋がっているのかもしれない」


「あの井戸から、街の地下を通って」


「この、遺跡まで」


ティナが、緊張した面持ちで、言う。


「もし、そうなら」


「マルコスは、封印の、中枢に」


「直接、向かおうとしてる」


「時間が、ない」


ダレンが、険しい表情で、言う。


「案内できるか」


ユノが、聞く。


「ああ」


「だが、少人数で、行くべきだ」


「大勢で動けば、気づかれる」


「俺と、お前たち四人」


「それで、十分だろう」


ダレンが、手早く、馬の準備を、整えていく。


「イフリルの、他の人間には」


「知らせなくて、いいのか」


ガインが、聞く。


「今は、まだ」


ダレンの声が、低くなる。


「誰が、マルコス様の、味方で」


「誰が、そうでないか」


「見極めが、つかない」


「最小限の、人数で、動くしかない」


その判断に、誰も、異を唱えなかった。


日が、完全に、沈む前に、五人は、東の山道へと、馬を、走らせた。


道は、次第に、険しくなっていく。


木々が、生い茂り、月明かりだけが、頼りになっていく。


「……もうすぐ、満月だな」


レナが、空を、見上げながら、呟く。


「あと、二日だ」


ダレンが、静かに、答える。


「もし、マルコス様が」


「ゾルドと、既に、繋がっているなら」


「三つ目の、鍵――レイナルドさえ、加われば」


「条件が、揃ってしまう」


「レイナルドは、こちら側だ」


ガインが、きっぱりと、言う。


「彼は、裏切らない」


「そう、信じたい」


その言葉に、一瞬、沈黙が、落ちた。


「……見えた」


先頭を、進んでいた、ダレンが、声を、上げる。


木々の合間、月明かりに、照らされて。


崩れかけた、石造りの遺跡が、その姿を、現していた。


入り口付近に、複数の、灯りが、揺れている。


「……マルコスだ」


ダレンが、低く、呟いた。


護衛らしき、人影が、数人。


その中心に、一際、堂々とした、佇まいの男が、立っていた。


「……間に合った、のか」


ユノが、緊張した声で、呟く。


だが、その安堵も、束の間だった。


マルコスの、隣に。


もう一人、見覚えのある、人影が、立っていた。


「……ゾルド」


ダレンが、驚いたように、声を、漏らす。


セファルが、先に、押さえているはずの、男が。


既に、マルコスと、共に、そこに、立っていた。


「間に合わなかった、のか」


ガインの声に、焦りが、滲んだ。


遺跡の、入り口の前で、二人の、鍵となる人物が。


既に、揃おうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。