真相は?
ヘルメリアに戻ると、セファルは、巻物を、慎重に、懐へしまい込んだ。
「……これから、どうする」
ガインが、詰所への道すがら、聞く。
「巻物は、私が、ベタの本部で、厳重に、保管する」
セファルが、静かに、答える。
「並行して、ゾルドの、行方を、追う」
「フェリオンさんの話だと」
ユノが、確認するように、言う。
「ゾルドは、ダリオスの名を、騙って動いてる」
「本人の意志、あるいは、別の誰かに、操られてる」
「どちらにしても」
セファルの声が、低くなる。
「彼を、見つけ出さなければ」
「全ての、糸口が、掴めない」
詰所に着くと、ガインは、すぐに、モイストの情報網を、使い始めた。
「ベタの、内部情報は、俺たちじゃ、追いにくい」
「セファル、そちらで、何か掴めるか」
「ゾルドの、直属の部下に、当たってみる」
セファルが、腕を組みながら、言う。
「彼が、休暇に入る前、最後に、会っていた人間がいるはずだ」
「私が、それを、探る」
「俺たちは?」
ユノが、聞く。
「お前たちは」
セファルが、少し、考えてから、言う。
「ダレンと、レイナルドの、様子を、引き続き、見ておいてほしい」
「もし、ゾルドが、彼らにも、接触を試みているなら」
「早く、気づく必要がある」
役割が、それぞれ、決まっていく。
「今日は、これで、解散しよう」
セファルが、静かに、言う。
「明日、また、集まって、情報を、共有する」
その言葉に、四人は、頷いた。
宿に戻ると、レナが、大きく、伸びをした。
「……今日は、色々、ありすぎたね」
「ああ」
ユノも、同じ気持ちだった。
フェリオンとの、再会。
古代の巻物。
そして、ゾルドの、裏切りの可能性。
情報が、一気に、押し寄せてきていた。
ティナは、部屋の隅で、静かに、座っていた。
「……大丈夫か?」
ユノが、声をかける。
「うん」
小さく、頷く。
だが、その表情には、まだ、複雑な感情が、残っていた。
「叔父さんに、また、会えて」
「嬉しかった」
「でも」
言葉が、少し、詰まる。
「あの人が、掟を、破ったことで」
「里を、追われたこと」
「それが、私の、せいでもあるような、気がして」
「そんなこと、ないだろ」
レナが、優しく、声をかける。
「フェリオンさんが、選んだことだよ」
「ティナが、背負うことじゃない」
「……うん」
ティナは、小さく、頷いた。
だが、その目には、まだ、迷いが、残っていた。
ラグナルが、そっと、ティナの側に、寄り添った。
小さな体で、温もりを、分けるように。
ウールも、静かに、二人の周りを、ふわりと、漂っていた。
その夜、四人は、それぞれ、静かに、休んだ。
だが、誰の心にも、明日への、緊張が、確かに、残っていた。
翌朝、詰所に、ガインからの、伝言が届いた。
「……ダレンから、連絡があった」
「マルコスが、昨夜、街を出た、らしい」
「行き先は?」
ユノが、鋭く、聞く。
「分からない」
「だが」
ガインの声が、緊張を、帯びる。
「秘密裏に、少人数だけを、連れて」
「まるで、何かから、逃げるように」
「あるいは」
「何かに、向かうように」
「街を、出たそうだ」
その報告に、部屋の空気が、一気に、張り詰めた。




