23 旅立ち
新天地向けて出発!!
ってな訳にはいかずアタシ達はマニカさんに呼ばれてギルドの応接室に居ます。
「わざわざ来てもらって悪いね」
「大丈夫ですよ。それで何でしょう?」
「オークの調査報酬とオークの素材の支払いとロッゾ達が用が有るらしいね。内訳はコレだシース確認しとくれ」
「ロッゾ達が何だろう?」
「お礼が言いたいんじゃない?メンバー揃って」
報酬も貰って一息ついているとノック音がして、入って来たのはゾフィスさんとロッゾ達友と共にのメンバーだった。
来た途端にアタシが既にいた事に驚いて、謝り始めちゃって大変だったけどね。
「キラさん、待たせて申し訳ない」
「恩人を待たせるなんて……スミマセン」
ギルドによる前にダンさんを診療所に迎えに行っていたから遅れてしまったって言ってた。
このダンさんはオークの集落から助けた人で、回復しても冒険者は続けられないくらいボロボロだった人だ。
黒霧の事件の時にクルスさんと奮闘して魔物から市民を守っていたのが『友と共に』のメンバーだったそうで、街の人達もギルドや騎士団からも感謝の声があがった。
その功績と今回の事件の被害者という立場からカルマパパから謝礼が出された。
それが、アタシが提供したランウェルウ様から頂いたリ再生効果付きの上級ポーションだった。
本人達は自分達の元仲間が招いた事件だからと、遠慮して最初は受け取ろうとしなかったのだが、被害者なのだからと無理やり押し付けさせてもらった。
結果ダンさんは腕も脚も元どうりで、元気に本日退院したそうだ。
「オークに捕まったとき覚悟はしてたんだ…だけど嬢ちゃんのお陰で五体満足で退院出来た、本当にありがとう」
「いいえ、元気に退院出来て良かったです」
「ハハ、流石に冒険者は引退するけどな…魔物を目の前にしたらおそらく戦えねぇからな……」
魔物と言うよりはオークと言ったほうがいいだろう。
ダンさんは目が覚めたとき怪我は全て治っていたが、心に酷い傷を負っていた。目が覚めた時は錯乱して大変だったそうだ。
仲間の助けもあり、何とか今の状態になったそうで退院はしたものの通院はしなくてはならないらしい。
ダンさんの事もあり『友と共に』は暫くの間活動を休止して仲間の援助をしつつ細々と冒険者家業をしていくそうだ。
ロッゾの父タトン子爵も援助してくれるみたいなので、元気よく仲間とギルドを出て行ったし、まぁ大丈夫でしょう。
ロッゾはもう一つアタシ宛のタトン子爵の手紙を持って来た。
タトン子爵は本来ならルフォンに来て直接お礼をしにくる予定だったのだが、伯爵親子の件で王都に急遽呼び出されてしまい来ることができなくなってしまったのだ。
カルマパパは仕事さえ終われば王都に向うから現地で大丈夫としていたが、タトン子爵はアタシにも直接会ってお礼が言いたかったらしく、手紙には会えない事えの謝罪とロッゾを助けたことえの感謝が綴られていた。
親子揃って律儀というか何というか。
「それでキラ、なんて?」
「旅の途中にタトン子爵家周辺に来る事があったら是非寄ってくれってさ」
「美味いもん出るかな?」
「さぁ、行くことがアレば寄りましょう」
話も一段落したところで、マニカさんが爆弾発言をかましまして……。アタシ、ギルドランクが上がっちゃったんだよね、何もしてないのに。
アルルを倒したのはシースだし、何もしてないからランクが上がるのはおかしいって講義したら、シースは既に今回の功績がギルド本部でも認められて晴れてSランクに昇格、同様にオークの集落の撃破にホワイトサーペント、ブラックウルフ等をソロで倒す実績がアタシも認められてAランクに昇格が決まった。
本来ならアタシもSランクにとの声も上がったそうだが、経験の無さがありAランクとなったそうです。
アレ?マニカさんシースの正体に気付いてる?と思ってたら疑問にマニカさんは丁重に答えてくれまして…。
何とこのシースさん王都のギルドマスターと顔見知りだそうで、シースの名前と容姿を聞いたときの本部のギルマスの反応は、それはそれは面白かったそうで…。
直ぐにSランク昇格が決まったそうです。
「シース何したの?」
「あらヤダ、何もシテないわよ!昔チョットね」
「妖しいぞシース」
「ホホホ、何もないわよ」
王都に行く時には気おつけよう。
ギルドでの昇格手続きも終わって新しい金のギルドカードを貰って、帰宅したらカルマパパが暴走してて、珍しくセルジオさんも何処か落ち着かない様子です。
「キラちゃん、お帰り!!早速で悪いんだけど、準備ができ次第セーウェルに向かいなさい!!」
「え?えぇ!?どうしたのパパ?」
「時間が無いんだよ、早くしないと奴が来てしまう!!途中の街まではセルジオが乗せて行ってくれるから安心しなさい!!」
「お嬢様、事は一刻を争います!!直ぐにご準備なさって下さい」
「急にどうしたのよ、セルジオまでそんなに慌てて」
「シース、今は話している時間すらも惜しいよ!事情は行きにセルジオに聞いて!!」
訳も分からないまま旅支度をして家を旅立つことになってしまった。
あんなに慌てているカルマパパは初めて見たので何か重要な事が起こってると思い直ぐに荷物をまとめたっていうか、ガーデンルームとアイテムボックスに大抵は入っているから特に持って行く物は無かったので、支度は直ぐに済んだんだけど。
「気おつけて行ってくるんだよ、連絡してね!」
「うん、行ってくる!パパもきお付けてね」
『では、お嬢様にシース乗ってください』
「頼んだよセルジオ!」
『おまかせ下さい』
「行ってらっしゃいキラちゃん、シース、イオン」
「いってきますパパ」
「いってくるわね」
「いってくるぞ!」
セルジオさんのに乗ると屋敷はあっという間に見えなくなって、暫くするとルフォンの街も見えなくなっちゃた。
何か慌ただしい出発になっちゃったんだけど、本当に何があったんだろう?
「そろそろ教えなさいなセルジオ。何があっのよ」
『王都から連絡が入りまして…、国王陛下が消えたと』
「えぇぇ!?それって大変なんじゃ……」
一国の王が行方位不明って一大事だよね!?だからカルマパパあんなに慌てて!!
『ご心配なさらなくても、陛下の行き先は予想が付くんですよ』
「何処なのよ?」
『家です』
「へ?」
『ですから、ガルフォード公爵家に向かって来てるんです』
セルジオさんの説明によると、セルドガン王国の王ベルガ王はカルマパパに思考回路が実にソックリな方らしく、アタシがガルフォード家に到着の連絡を受けた時から会いたいと言って、回りの人達を困らせたそうで…。
家臣達総出で見張りを立てて居たが、見張りの隙を付いて護衛も付けずに王都から逃走したそうで。
ガルフォード家に向かっているのは確実で、捕まったら面倒なので早くアタシ達を旅立たせたという訳です。
兄弟揃って何というか……。
「国王がそんなんで良いのかな?」
「駄目だと思うわよ…」
『自由な方なんです……旦那様よりかはいくらかマシなんですが……』
慌ただしい旅立ちになっちゃったけど、やっと冒険の旅に出れた感じ!!
次回からの話の書き溜めに入りますので更新は暫くお休みします。
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