19 黒霧
騎士団駐屯上の牢の中。
今だに自分が捕まったことに抗議を上げている伯爵親子だが、エリーは2人とは違い落ち着いた雰囲気を出していた。
(捕まってしまったのは予想外たったけど、何とか逃げ出せそう。でも、あの小娘がまさかあの英雄ガルフォード公爵の娘だったなんて!!伯爵親子も使えなかったし!伯爵親子を始末したらあのお方に連絡を入れないと)
このエリーは実話ゲルドフの腹心の1人で、隠し持っていたマジックアイテムを使い逃げ出すつもりのだが、伯爵親子が使い物にならなくなった時に始末しろと命令を受けている。
ゲルドフに持たされたマジックアイテムはを取り出すが、このマジックアイテム異様なオーラを放っている。
(コレを使ったら直ぐにでもこんな所!!えっ!?何これ止めて!!私の魔力が!!)
「貴様何をしている!!」
「た……助けて!…あ……あぁぁぁぁ!!」
「何をしたんだ!!くっ!!団長に連絡!!総員退避!!!」
エリーが使用したマジックアイテムは使用者の命と引換に、騎士団駐屯所を黒い霧で覆った、そして黒い霧が実現したと同時にルフォンに存在する精霊、妖精が苦しみ出した。
ゲルドフは元からエリーを助けるつもりは無く、捕まった場合はエリーの命を使って周辺の精霊、妖精から力を奪う為の大規模な術式をマジックアイテムに込めてあったのだ。
そして、遥か上空でこの様子を見ている者が。
「エリー馬鹿な子」
「ルフォンで問題を起こすとは、浅はかな」
「ガルフォード公爵が出て来るのは目に見えて解る事なのに」
「まぁ、あのマジックアイテムの試験運転には最適の地だろう。我等も少し力を貸してやろう」
「えぇ、全てはゲルドフに様の為に」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ガルフォード公爵家
話し合いも終わり、今日はもう寝ようと思った瞬間身体に悪寒が走った。
それと同時にイオンが苦しみだしちゃたんだけど!!
「何だよ……コレ、力が……」
「イオン!!」
「旦那様…」
「タマ!」
「キラ!屋敷に居る皆をガーデンルームに!!」
「えっ?」
「早くなさい!!」
「うん!!」
シースの指示に従って屋敷居る皆をガーデンルームに収容したら、症状は落ち着いたみたいだけど、また辛いみたいでその場でグッタリしている。
「お嬢様…ありがとう御座います」
「「「ありがとう…なの……苦しかったの……」」」
キキさんとララ、リリ、ルルも同様だったらしくガーデンルームに入って落ち着きを取り戻してる。
皆を大樹の家に運び込んで様子を見るが、力を急に吸われる感覚がして体中が締め付けるられる感覚に襲われたらしい。
それに、全員をガーデンルームに入れたはずなのに、セルジオさんにオペラにクルスさんがいない。
「でも、急にどうして?」
「ゲルドフの奴ね。精霊と妖精種の生命力を徐々に吸い取っていた感じよガーデンルーム外では精霊や妖精は苦しいでしょうね」
《マスター、オペラがガーデンえの入室許可を求めています》
「許可して!」
オペラ達は、異変を感じて直ぐに街の状況と原因を付きとめる為に情報を仕入れに行っていたらしい。
「カルマ、騎士団の駐屯所を中心に街中に広がっとる。街中の精霊や妖精が苦しんでてパニック状態やクルスがマニちゃん所行っとるからそっちがどうなっとるか」
「テウト、皆が動けないんじゃしょうが無いから屋敷の人間は一時的にガーデンルームの出入りを自由にして」
《了解しました。クルスが入室しました》
「ギルドもパニック、マニカが何とか抑えてるけどゾフィスも倒れているから、手が回ってない」
ルフォンのギルド内には特殊な結界のマジックアイテムが備え付けてあり、何かあった時のための避難所となっている。
マジックアイテムのお陰でギルド内に入れば精霊や妖精の症状は緩和するみたいだけど、長引くと命も危ないみたい。
「テウト、街を覆う感じでガーデンルームを発動出来ない?」
《可能ですがオススメはしません。マスターの魔力を限界まで使用することになります。使用後マスターは確実に動けなくなります。
能率を考えるならば、原因を見付け出し排除した方がが宜しいかと》
「原因は騎士団駐屯所に捕えた冒険者エリーです」
「セルジオさん、いつの間に」
「遅くなって申し訳ありません、調べが付きました」
騎士団駐屯を調べに行ったところ、夜勤の守衛が気づいた時にはすでに遅くエリーが隠し持っていたマジックアイテムを使用した事で黒い霧が発生。
黒い霧に飲まれる前に騎士団は駐屯所を脱出したが、牢に捕らえていた罪人や伯爵親子の避難まで手が回らず駐屯所を覆う霧は濃くなり続けていて、中がどうなっているのか確認が取れないとのこと。
入ろうと試みるが黒い霧に阻まれて中に侵入できない状況。
「黒い霧を見てみない事には…どうしょうもないね…」
「旦那様、市民の避難誘導もしなくてはなりません。タマにキキ、ララ、リリ、ルルはガーデンルームを出る事は出来ませんし」
「ルフォンにはただでさえ精霊や妖精いがぎょうさんおるしな」
「ん〜………手が足りないか」
《報告します、街に広がった黒い霧から魔物が発生し始めました》
「嘘でしょ!?」
《魔物の発生量が多いい為避難が難航しています》
「時間が無いね、避難最優先で動く!状況が悪化した場合、街を捨てる事も視野に行動!」
「了解や、ワイ先に避難経路の確保行ってくるわ!」
「オレ、ギルドと騎士団行って動ける奴連れて魔物を減らして回る」
カルマパパはこの街の領主でもあるから市民優先に動かないといけない、今動けるのは……。
イオンはガーデンルームから出せないから今回は留守番として、何が起きるか分からないけど…まぁ、何とかなるでしょう。
「キラちゃんはシースとここに居てね、パパちょとお仕事して…」
「アタシは、駐屯所の方に行ってくるから!!」
「えぇっ!?駄目だよ!!お願いだから大人しくしてて!!キラちゃんに何かあったらパパ死んじゃうからぁ!!!」
「絶対に、イヤ!!」
「こんな時に反抗期!!!!!お願いパパの言う事聞いて!!!人手が足りないから護衛に誰か付けてあげる事が出来ないの!!」
「シースが居れば十分だよ!」
初めての親子喧嘩になるのかな?双方の意見が交差してて言い合いになってるんです。
コレに毎回釘を指してくれるのがセルジオさん何だけど、今回のが一番強烈だった。
「お2人共いい加減になさい!!時間がないのに親子喧嘩を始めない!!旦那様、引く事も大切です!!お嬢様も、旦那様の気持ちをお考え下さい!!」
「ごめんなさい」
「悪かったよ、でもっ……黙ります」
「しかし、原因を叩けばいい事も事実です。
お嬢様このセルジオと約束して下さい。シースから離れない、無理をなさらない、危なくなったら逃げること!」
「約束する!」
セルジオさんが許可を出すとは思っていなかったのかカルマパパが騒いでいるが、セルジオさん睨みで黙らせられていじけ始めた。
「シースお嬢様を頼みましたよ」
「えぇ、任せて指一本触れさせないわ」
「旦那様何時までそうしているつもりですか。時間が無いんです久方ぶりに本気を出しましょう。早く済めばお嬢様と合流出来ます」
セルジオさんから凄い量の魔力がほとばしった瞬間、目の前に居たのは美しい毛並の大きな銀色狼だった。
セルジオさんの原型素晴らしくカッコイイです!!
『早く乗ってください!避難誘導と街に出た魔物の始末をしなきゃなら無いんですから』
「わかったよ、原型に戻ると乱暴になるんだから!!キラちゃん、無理はしない約束だからね!!」
「わかってる、約束する!!気おつけてカルマパパ!!」
「行ってくるよ!」
『気おつけて、行って下さいお嬢様』
カルマパパを乗せたセルジオさんはガーデンルームを飛び出していった。
「私達も行きましょうかキラ」
「うん!!」
ゲルドフの好きには絶対にさせん!!何としてでも止めてやるわ!!




