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第二十一話 疑い
カロナの演説から時間と共に容疑者は増え続け、丸2日が経った頃には自由に動くことのできる人間は3分の2以下になった。
「…自分で蒔いた種とはいえ、ここまで容疑者が増えるとなると…」
カロナは痛いところをおさえるように頭を抱えた。
「…リコマス様、少しお話が」
ディアからの呼び出しだ。
「分かった、すぐ行く」
「ちょっと待って」
気がついたら、僕の腕はカロナに掴まれていた。僕を掴む腕にはかなりの力がかけられている。
「なん…ですか?」
「真犯人は、あなた達でしょ?」
…バレたか…?
「…なぜ、そう思うのですか?」
僕は優しく聞いた。
「何故かは分からない…。でも、あなた達が目の前に居ると急に信頼したくなってしまうから…」
「光栄です」
「褒めてるんじゃないわ。そういう魔術をあなた達が使ってるんじゃないかと思ったの」
…マズい、これはマズい…
「ならば、我々を占って下さい」
この状況で発言したのは、僕らではなくディアだった。
「神官様ならば、我々にその魔術が使えるだけの魔力があるか分かるはずです」
ディアのその言葉の後、カロナは我々を鋭く睨みつけた。
が、その後笑って言った。
「…そうね、まぁ良いわ。さっき言った事、気にしないで下さい」
カロナの笑顔は、明らかに引きつっていた。




