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第二十話 容疑者
「容疑者を連れて参りました!」
本日5回の台詞だ。昨日のカロナの演説から合計7人の都民が城に来て、自分が怪しいと思った都民を通報し、城の警備の者たちが容疑者を連れてくる。
「離せッ…! 俺は本当に何もしてないッ…!」
「煩いっ! 貴様は他の者に通報されたんだ! 言い逃れは出来ないぞ」
警備の者に羽交締めにされる都民の男。もちろん彼は何もしていない。
「証拠が無いのにどうして捕まらなきゃなんないんだよ!」
「証拠など捜せば幾らでも見付かる。黙って観念するんだな」
今のところとても順調で願ったり叶ったりだが、ここまで通報が多いと、元々都民たちは仲が悪かったんじゃないかと思えてくる。
「…ゔぁぁぁぁっっっっっ!」
男の叫び声が、城の中に響きわたった。
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「…こんなにたくさんの人が捕まるなんて…」
ミリアは多くの都民が入った牢を見て呟いた。
「でも捜査を続ければ、きっと都主様を殺した犯人が見つかるよ」
嘘だ。都主を殺したのは、僕らだ。
ディアの魔法がある限り、僕らは絶対に捕まらない。
「…そうだよね、きっと、見つかるよね?」
ミリアは少し腰を屈めて、僕の横腹にしがみついた。彼女の潤んだ目は、まっすぐに僕の方を見つめている。
「…うん、きっと、見つかるよ」
僕は、何度も嘘をつき続けた。




